12:名無しNIPPER[saga]
2015/09/30(水) 03:52:54.22 ID:Csg2FCKN0
今日も今日とて、やることがない。
働け――? それはもう何回も聞いたさ。
やりたいことがないのだからしょうがないであろう。
13:名無しNIPPER[saga]
2015/09/30(水) 03:55:37.69 ID:Csg2FCKN0
電車に揺られ、乗り換えて。
そしてまた電車に揺られること数分。
欲望が溢れる街、東京…… なんとなく言ってみたかっただけである。
山手線に乗り換えて新宿で下車、東口を出て某書店へ。
14:名無しNIPPER[saga]
2015/09/30(水) 03:59:29.10 ID:Csg2FCKN0
ダークサイドがやって来るがなんとか払拭する。
今日の俺は一段とどうにかしている…… 今日に限って。
理由は分かっていた―― 焦りからくる不安、絶望だ。
15:名無しNIPPER[saga]
2015/09/30(水) 04:02:22.40 ID:Csg2FCKN0
もうどうしようもない不安が蔓延して。
それをなんとか振り切ろうと、気分を変えようと店を出た。
人、人、人。
16:名無しNIPPER[saga]
2015/09/30(水) 04:08:02.09 ID:Csg2FCKN0
ひっそりとした店であったので、店内もそのような様子だと想像していたが…… 予想に反してなかなかの広さだった。
木目調のテーブルやカウンター、壁に飾られた絵画、隅に置かれた観葉植物。
落ち着いていて、どこか気品も感じられるような…… そんなシックでおしゃれな店内。
17:名無しNIPPER[saga]
2015/09/30(水) 04:11:42.09 ID:Csg2FCKN0
間を埋めるためポケットからタバコを取り出し、オイルライターで火をつける。
灰皿が置いてあるので喫煙可能ということだろう。
一服している内に店員がやって来て先にアイスコーヒーを置いていった。
18:名無しNIPPER[saga]
2015/09/30(水) 04:13:47.68 ID:Csg2FCKN0
その時ふと、誰かの声が耳に留まった。
目を開いて確認してみると―― 探す必要もなく、その声の主はすぐ目の前にいた。
19:名無しNIPPER[saga]
2015/09/30(水) 04:18:18.30 ID:Csg2FCKN0
マルチ商法―― そう呼ばれる商法がある。
俺も詳しくはないので解説できるほどの知識は持ち合わせていないが…… 要するに「ピラミッドを作って儲けようぜ」というようなビジネスであったと思う。
会員を増やしてピラミッド(階層)を作り、上層にいる人間ほど利益が得られる…… といったイメージだ。
20:名無しNIPPER[saga]
2015/09/30(水) 04:22:49.98 ID:Csg2FCKN0
「あの…… あの」
可哀想に。
21:名無しNIPPER[saga]
2015/09/30(水) 04:26:31.23 ID:Csg2FCKN0
何故こんな無駄知識を持っているのかというと―― 俺も過去に勧誘された経験があるからだ。
あれは大学時代…… 同じクラスにAくんという人がいた。
特に親しかったわけでもなく、会話も数えるほどしか交わしたことのない、そんな「同じクラスに所属している人間」という程度の間柄だった俺たち。
22:名無しNIPPER[saga]
2015/09/30(水) 04:29:01.34 ID:Csg2FCKN0
「僕たちは彩音ちゃんに幸せを分けて、彩音ちゃんは仲間に幸せを与えることができるんだ!」
こんなのは全くの嘘。
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