106:名無しNIPPER[saga]
2015/10/24(土) 21:51:20.20 ID:wlnW7ggg0
――それこそまるで、小学生のように泣きじゃくる律子を見て、やっと気づいたの。
律子が本当に責めていたのは、最期までアイツの異変に気づけなかった自分自身――。
アイツの分まで立派になろうとして、それができない現実から、目を背けたかったのね。
107:名無しNIPPER[saga]
2015/10/24(土) 21:55:41.65 ID:wlnW7ggg0
すみません、音無さん。
俺のコーヒーなんですが、追加で注文、お願いしても良いですか?
伊織のコーヒーもまだありますが、やっぱり高級すぎて俺には合わなくて。
108:名無しNIPPER[saga]
2015/10/24(土) 21:59:37.90 ID:wlnW7ggg0
律子も、不透明な会計処理と、何よりアイツがインスタントを飲んでいたという裏切り。
その怒りと、アイツの根底にある気持ちも知って、感情が整理できなくなって――。
ふざけるなー!! って叫びながら、錯乱して上等なコーヒーを床にぶちまける律子。
それを怒りながら制止する私。
109:名無しNIPPER[saga]
2015/10/24(土) 22:03:33.84 ID:wlnW7ggg0
【9】
――よし、っと。
調整は大体こんなところね。
110:名無しNIPPER[saga]
2015/10/24(土) 22:07:28.88 ID:wlnW7ggg0
ぐっ――は、恥ずかしい――。
伊織から聞いていたのなら、初めからそう言ってくださいよ!
もう、要らない赤っ恥をかいてしまったわ。
111:名無しNIPPER[saga]
2015/10/24(土) 22:12:29.82 ID:wlnW7ggg0
突然ですが、善澤さんは、こんな話を聞いたことがありますか?
プロデューサーというのは、三つの種類に分けられるそうです。
お金のために働く人。
112:名無しNIPPER[saga]
2015/10/24(土) 22:17:42.66 ID:wlnW7ggg0
えぇ、何度でも言います。そこにあるの、全っ部プロデューサーの遺品です。
馬鹿みたいでしょう?
自宅にも置いてあったのを、全部事務所に運んだら、そんなになりました。
113:名無しNIPPER[saga]
2015/10/24(土) 22:22:25.68 ID:wlnW7ggg0
竜宮小町のメンバー自体は、既にあの三人で構想はしていたんです。
ただ、当初私は、あずささんをリーダーに据えようと考えていました。
やはり、年長者の方が周りを良く見て行動できると思いますし。
実際、あずささんはおっとりしていても、節々ではすごく皆に気を配ってるなーって。
114:名無しNIPPER[saga]
2015/10/24(土) 22:27:40.67 ID:wlnW7ggg0
プロデューサーがトイレから帰ってきたので、慌ててデスクに戻りましたけど――。
とまぁ、そういういきさつもあって――私は、伊織を竜宮小町のリーダーにしました。
その結果が、今のあの子達の躍進です。
115:名無しNIPPER[saga]
2015/10/24(土) 22:32:49.77 ID:wlnW7ggg0
プロデューサーは私と違って、アイドル達に怒ることは滅多にありませんでした。
あの子達がミスをしたり、先方に迷惑を掛けても、自ら頭を下げて、何も咎めず――。
そんな彼のことを、優しい人だと思う子は多かったかも知れません。
しかし――不信感を抱く子も、中にはいました。
116:名無しNIPPER[saga]
2015/10/24(土) 22:38:03.69 ID:wlnW7ggg0
――いいえ、プロデューサーに諭されたという訳ではないようです。
むしろ、その逆ですね。
あの人のことを、アッと言わせてやる、見返してやる――。
そう、半ば喧嘩腰な形で、あの子はある意味、本気で仕事をするようになりました。
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