143:名無しNIPPER[saga]
2015/10/25(日) 00:27:03.14 ID:WfReZCwA0
良いことを言った、いおりん! と、次は亜美と真美の番です。
なぜ二人同時に、と言いましたが、一つの色だからオッケー、と言っていました。
ただ、彼女達のペンの軌跡は、案の定、遠慮というものを知りません。
水瀬さんが塗ったピンクの上をも、構わず黄色く塗り潰していきます。
144:名無しNIPPER[saga]
2015/10/25(日) 00:30:20.94 ID:WfReZCwA0
真は、春香が中央に描いた赤丸を、プロデューサーの口にすると言いました。
その発想は良いとしても、肝心の黒で描いた顔の輪郭が、丁寧だけど不格好です。
皆からブーイングを受け、きっと悪いとは内心思いつつも、真は少し怒りました。
ようやく訪れた、萩原さんの最初の一描きは、真が描いたその輪郭の修正です。
145:名無しNIPPER[saga]
2015/10/25(日) 00:36:07.15 ID:WfReZCwA0
突如、順番を無視してキャンバスを奪い、亜美と真美が乱暴に描き殴ります。
こんなお茶はー、亜美達が修正してやる→! うりゃうりゃ→!
何するの、止めなさい! と、律子が慌てて奪い取り、緑の葉っぱを描き直しました。
フツーのモノ描いても、つまんなくない? と、美希は律子の横から手を伸ばします。
146:名無しNIPPER[saga]
2015/10/25(日) 00:40:37.83 ID:WfReZCwA0
皆を引っ掻き回す、賑やかな黄色。
我が強いけれど、全体を良く見て立ち回るピンク。
ガサツで不器用だけれど、周囲を気遣う繊細な黒。
147:名無しNIPPER[saga]
2015/10/25(日) 00:43:38.16 ID:WfReZCwA0
【12】
お待たせして、すみません。
148:名無しNIPPER[saga]
2015/10/25(日) 00:47:17.56 ID:WfReZCwA0
ってあぁ、す、すみません!
そういう話じゃなくて、ですよね!?
実は――ずっと、不思議に思っていたことが、あったんです。
149:名無しNIPPER[saga]
2015/10/25(日) 00:50:39.71 ID:WfReZCwA0
――成長した姿を、見せることができたと思うか、って?
あ、アハハ――自分では、正直、分かりません。
150:名無しNIPPER[saga]
2015/10/25(日) 00:54:15.69 ID:WfReZCwA0
俺が子供の頃は、日本で冬季オリンピックをやっていてな。
スキーの、日の丸飛行隊ってのに憧れて、俺達はブランコでジャンプしまくったんだ。
プロデューサーさんのブランコは、どんどん加速していきます。
151:名無しNIPPER[saga]
2015/10/25(日) 00:57:39.54 ID:WfReZCwA0
プロデューサーさんは、私と美希のケンカが演技だって、気づいていました。
だから、似たような演技がある、舞台のお稽古を見て――。
あの時からの、私達の成長を見たかったのかなって。
152:名無しNIPPER[saga]
2015/10/25(日) 01:01:51.40 ID:WfReZCwA0
美希が、こう言っていました。
自分を取り巻く世界は、自分を映す鏡――そうプロデューサーさんが、言ってたって。
きっとプロデューサーさんは、鏡になろうとしていたんだと思います。
153:名無しNIPPER[saga]
2015/10/25(日) 01:05:38.93 ID:WfReZCwA0
そうやって、必死に私は、皆に笑顔で接していました。
ううん――笑顔という仮面を盾にして、必死に、皆から逃げていました。
分厚くなった仮面の真ん中にある、本当の私を、誰にも見られたくありませんでした。
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