過去ログ - シェアハウス (オリジナル百合)
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27: ◆/BueNLs5lw[saga]
2016/02/05(金) 19:24:20.36 ID:CnMOex1r0
あまりの出来事に心臓が踊り狂っていた。
後ろに後ずさる。背中に何か柔らかいものが当たった。
「い!?」
28: ◆/BueNLs5lw[saga]
2016/02/05(金) 19:54:36.60 ID:CnMOex1r0
夢を見ているのかと思った。
できたら、夢であればとも。
でも、祭ちゃんの少し冷たい手は本物だった。
その手は、私が比較的落ち着いたのを知ると、離れていった。
祭ちゃんに体を抱き抱えられたまま、私は吃音を繰り返す子どものように言葉を紡いだ。
29: ◆/BueNLs5lw[saga]
2016/02/05(金) 20:14:00.52 ID:CnMOex1r0
彼女はあの日駅で別れた時と同じような寂しそうな顔をした。
「妻鳥もやっぱり私のこと見放すんだ」
「……おかしいよッ。なんで、あんな所に……いつからいたの」
30: ◆/BueNLs5lw[saga]
2016/02/05(金) 20:29:12.74 ID:CnMOex1r0
笑いながら、私の方に手を伸ばしてきたので、とっさに近くにあった本で彼女の頭を殴ってしまった。
鈍い音がリビングに落とされた。
「った」
31: ◆/BueNLs5lw[saga]
2016/02/05(金) 21:00:05.54 ID:CnMOex1r0
子どものように、彼女は唇を結んでいた。
私は今までの経験をフル活用しても、彼女を受け入れるような自信はなかった。
突然の再開はあまりにも薄ら寒い印象を与えていたし、昔となんら変わっていない祭ちゃんはにわかに本人だとも信じがたかった。
私があぐねいていると、
32: ◆/BueNLs5lw[saga]
2016/02/05(金) 21:11:11.90 ID:CnMOex1r0
祭ちゃんは、ソファの上にあったぬいぐるみを掴んだ。
茶色いクマを掲げる。
その後ろに顔を隠した。
「もう、おしまいだ。住む所もバレてしまった。奴らが今にやってきて、僕をここから追い出すだろう」
33: ◆/BueNLs5lw[saga]
2016/02/05(金) 21:20:54.92 ID:CnMOex1r0
「祭ちゃん……」
私は膝立ちで彼女の名前を呼んだ。
彼女は私の薄いブラウスを握りしめた。
甘える子犬が匂いを嗅ぐように、顔を埋めてくる。
34: ◆/BueNLs5lw[saga]
2016/02/05(金) 21:41:22.94 ID:CnMOex1r0
「祭ちゃんに会いたくて……私、泣くのは祭ちゃんの胸でって決めてたんだよ」
体を離して、そう言ってやった。
それから、彼女の胸に、拳を打ち付ける。
35: ◆/BueNLs5lw[saga]
2016/02/05(金) 22:00:20.92 ID:CnMOex1r0
泣けば彼女を喜ばすだけなんだ。
心の隅でそう思いながら、私はソファーに座らされてブラウスのボタンをゆっくり外していた。
涙はとめどなく溢れてくる。
喉元に上がってくる言葉は許してとか、ごめんなさいとか。
ただ、彼女の耳に届くことはなかった。
36: ◆/BueNLs5lw[saga]
2016/02/05(金) 22:19:00.57 ID:CnMOex1r0
祭ちゃんは邪魔になったナイフをソファに思い切り刺し、
空いた手で胸を揉みしだく。
「柔らかい……」
37: ◆/BueNLs5lw[saga]
2016/02/05(金) 22:35:47.57 ID:CnMOex1r0
甘えてるのが辛いほど分かった。
行為は受け入れがたいけど、祭ちゃんを嫌いになんてなれない自分が憎らしい。
祭ちゃんの手が、お尻をなぞりながらパンツのラインに触れた。
後ろから抱き着くような態勢で太ももの間に前側から腕を伸ばした。
汗ばんできた体が粘っとして、どちらの汗か分からない。
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