6:名無しNIPPER[saga]
2016/07/09(土) 00:25:50.29 ID:Px08eZlJ0
「学校はどうだ?」
「仕事はどう?」
7:名無しNIPPER[saga]
2016/07/09(土) 00:33:20.22 ID:Px08eZlJ0
声に反応して、彼女はめんどくさそうに顔を背け、また溜息をつく。
彼女は溜息の似合う子だった。
それは僕と一緒にいるときの記号のようなものでもあったから、ただの僕の勘違いなのかもしれないが、呆れや諦めといった感情は彼女らしさの一つだと思っている。
8:名無しNIPPER[saga]
2016/07/09(土) 00:37:40.68 ID:Px08eZlJ0
☆
9:名無しNIPPER[saga]
2016/07/09(土) 00:43:50.64 ID:Px08eZlJ0
「そういえば結婚式の招待状とか来た?」
「何の話だ、まさかお前のか」
10:名無しNIPPER[saga]
2016/07/09(土) 00:51:03.80 ID:Px08eZlJ0
☆
11:名無しNIPPER[saga]
2016/07/09(土) 00:55:43.89 ID:Px08eZlJ0
プロダクションの倒産から数年、先輩とも連絡を取ることはなくなっていたが、幸せそうな知らせが届いて安心したものだ。
同時に、先輩の担当していたその少女が今どうなっているのかは気になっている。
それにしても、彼女のいう招待状というのはそのことであっているのだろうか。
12:名無しNIPPER[saga]
2016/07/09(土) 01:04:50.41 ID:Px08eZlJ0
「出席するのか」
「するよ、おめでたいしね」
13:名無しNIPPER[saga]
2016/07/09(土) 01:11:04.69 ID:Px08eZlJ0
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14:名無しNIPPER[saga]
2016/07/09(土) 01:19:51.38 ID:Px08eZlJ0
彼は居心地悪そうに、黙ったまま目の前のカップに触れる。
困ったり手持ち無沙汰になったりすると意味もなく目の前のものを手にとろうとするのは変わらない彼の癖だ。
これから一年経っても十年経っても、杏はそんな彼の仕草を見ているような気がした。
15:名無しNIPPER[saga]
2016/07/09(土) 01:24:27.48 ID:Px08eZlJ0
気付いた途端、瞳が熱で潤んだ。
彼はこのことを分かっているのだろうか。杏と彼がとてつもないことになっているのを。
彼がコーヒーに浮かんでいた薄い膜をスプーンでかき混ぜる。
16:名無しNIPPER[saga]
2016/07/09(土) 01:26:54.62 ID:Px08eZlJ0
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