過去ログ - モバP「佐久間」
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1:名無しNIPPER[saga]
2016/09/07(水) 23:06:16.36 ID:4GoJhFxk0
初SS&即興なので出来はお察しです

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2:名無しNIPPER[saga]
2016/09/07(水) 23:06:45.04 ID:4GoJhFxk0
「……で、開始は8時だから少なくとも6時にはここに――って聞いてるか?」

「……? ――っ! す、すみません、ぼーっとしてました……」

「しっかりしてくれよ? いくら小さなCDショップとはいえ、初の握手会なんだ。ここでしっかりファンの心を掴んでおかないと」
以下略



3:名無しNIPPER[saga]
2016/09/07(水) 23:07:29.77 ID:4GoJhFxk0

一か月前



以下略



4:名無しNIPPER[saga]
2016/09/07(水) 23:08:13.52 ID:4GoJhFxk0
 Pさんたちは談笑を続けます。

 まるで同じ部屋にいるまゆの事を忘れたかのように。


以下略



5:名無しNIPPER[saga]
2016/09/07(水) 23:08:57.61 ID:4GoJhFxk0
 車に乗り込んだまゆたちは、モデルのお仕事の現場に向かいます。

 まゆはアイドルを始める前は、読者モデルをやっていました。そのためまゆはアイドルを始めたばかりにも関わらず、すでに一定数のファンを獲得していました。
 そのお陰で、今こうやってデビューしたてなのに立派なお仕事を貰うことが出来ています。
 こう考えると、何も考えずにやっていた読者モデルのお仕事も意味があったんですね。


6:名無しNIPPER[saga]
2016/09/07(水) 23:09:35.68 ID:4GoJhFxk0

 斜め前に座るPさんを見つめます。

 清潔な感じにカットされた髪に真っ直ぐな瞳。その優し気な横顔はまゆを魅了して止みません。

以下略



7:名無しNIPPER[saga]
2016/09/07(水) 23:10:10.62 ID:4GoJhFxk0

 どうやら、まゆが考え事をしているうちに現場に到着したようです。近いところだったから、それほど時間もたっていません。

 Pさんにお礼を言って、車から降ります。
 それにしても、さっき感じた違和感は何だったんでしょう。
以下略



8:名無しNIPPER[saga]
2016/09/07(水) 23:11:11.00 ID:4GoJhFxk0
現在



 家に帰り、ごはんやお風呂などを済ませてベットに倒れこみました。
以下略



9:名無しNIPPER[saga sage]
2016/09/07(水) 23:12:02.72 ID:4GoJhFxk0
 Pさんは基本的に、年下のアイドルには呼び捨て。年上のアイドルには「さん」を付けます。
 これに関してはまゆも当てはまります。例外はありません。
 しかし、これに加え……Pさんは年下のアイドルには苗字ではなく名前を呼び名として使うのです。
 そう、まゆを除いて。
 
以下略



10:名無しNIPPER[saga sage]
2016/09/07(水) 23:12:46.63 ID:4GoJhFxk0
 お昼の事務所はとても賑やかです。午前の仕事が終わったアイドルと午後から仕事があるアイドルに皆さんが集まるので当然と言えば当然ですね。
 そして、その中心にいるのがPさんなのも当然です。
 でも、まゆはいつもPさんに纏わりつくことはなく、少し遠くから見守ります。
 別に周りにいるアイドルと仲が悪いというわけではありません。むしろ皆さんいい人ばかりで、関係は良好と言えます。
 ただ単に、まゆは知っていただけです。皆さんのようにアピールをせずとも、Pさんは全員を――まゆをちゃんと見てくれているって。
以下略



11:名無しNIPPER[saga sage]
2016/09/07(水) 23:15:19.45 ID:4GoJhFxk0

「Pさん……」

「ん? どうした、佐久間?」

以下略



12:名無しNIPPER[sage]
2016/09/07(水) 23:17:52.21 ID:XM8p2tAjo
良い


13:名無しNIPPER[saga sage]
2016/09/07(水) 23:18:00.37 ID:4GoJhFxk0
 一夜経って。
 いよいよまゆの初の握手会の日がやってきました。

 現在地は、お店の奥にある関係者以外立ち入り禁止の部屋。
 その狭い部屋の中に、Pさんとまゆの二人きり。
以下略



14:名無しNIPPER[saga sage]
2016/09/07(水) 23:19:09.46 ID:4GoJhFxk0
 話して、下さいよ。
 どうして、何も言ってくれないんですか?
 まゆはもっともっと……誰よりもPさんの事を知りたいのに……!
 

以下略



15:名無しNIPPER[saga sage]
2016/09/07(水) 23:20:04.74 ID:4GoJhFxk0
「わ、悪い、怒鳴るつもりはなかったんだ」



 ――握手会は、ファンの顔を最も近くから見ることの出来るイベントだと聞いたことがあります。
以下略



16:名無しNIPPER[saga sage]
2016/09/07(水) 23:21:36.40 ID:4GoJhFxk0
「……は? 何だって?」



 これまでは、貴方を見て、貴方に見てもらえればいいと思っていました。
以下略



17:名無しNIPPER[saga sage]
2016/09/07(水) 23:22:29.04 ID:4GoJhFxk0
 言葉を発していたPさんの唇を塞いでいるのは、今までPさんに見せていたのとは全く別物の佐久間まゆ。


 数秒の硬直の後、ゆっくりと唇を離していく。
 レッスンで鍛えているとはいえ、精一杯の背伸びを維持した足は乳酸がたまるため、発生するのは痛みと倦怠感。
以下略



18:名無しNIPPER[saga sage]
2016/09/07(水) 23:23:39.19 ID:4GoJhFxk0
 ドンッ! という擬音の直後に襲ってくるのは背中と頭への鈍痛。


 次いで、Pさんの怒号と今の音を聞きつけたスタッフさんたちが部屋に次々と入ってきて。

以下略



19:名無しNIPPER[saga sage]
2016/09/07(水) 23:25:45.53 ID:4GoJhFxk0
 目を覚ましたのは、CDショップから最も近い病院。
 何の変哲もない個室でした。

 お見舞いに来たちひろさんの話を聞く限り、重症だったのは頭の方で、それでも軽い脳震盪だそうです。もうしばらく安静にしていれば何の後遺症も残らないそうです。

以下略



20:名無しNIPPER[saga sage]
2016/09/07(水) 23:30:13.79 ID:4GoJhFxk0
「まゆちゃんはね、悪くないの」

「どちらかと言えばプロデューサーさんが悪い」

「でも本質的にはどちらも悪くないの」
以下略



21:名無しNIPPER[saga sage]
2016/09/07(水) 23:31:16.58 ID:4GoJhFxk0
 まゆが立っているのは、いつもの見慣れた事務所の前。
 まゆがもうお別れするつもりの少し大きな建物。
 
 背中を押され、階段を上り、二階にある事務所の扉の前まで連行されます。

以下略



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