過去ログ - 白菊ほたる「幸せ願う」クラリス「笑顔の偶像」
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1: ◆kiHkJAZmtqg7[saga]
2016/10/13(木) 22:22:31.58 ID:mzegZ2Br0
このssは以下の要素を含みます
・地の文
・ほどほどにシリアス
・デレステコミュに触れた内容

以上、別段問題ないという方は是非ともお楽しみください

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2: ◆kiHkJAZmtqg7[saga]
2016/10/13(木) 22:25:24.24 ID:mzegZ2Br0
――たぶん私は、神様に祈ってはいけないんだと思います。


それは何ヶ月か前より景色が少し寂しくなって、時折吹く風が涼しくも肌寒くも感じられる、そんな季節のこと。

以下略



3: ◆kiHkJAZmtqg7[saga]
2016/10/13(木) 22:26:57.65 ID:mzegZ2Br0
「ふぅ……ちょっと、話しすぎちゃいました」

話し疲れて、ようやく一息。どれくらいの時間が経ったのかなと辺りを見回したけど、時計はどこだろう?

携帯電話……は、ちょっと取り出しにくい。
以下略



4: ◆kiHkJAZmtqg7[saga]
2016/10/13(木) 22:28:59.30 ID:mzegZ2Br0
まぶたを開く。

「ぁ……れ…………」

視界が揺れる。ゆらゆら。頭がぼーっとして、うまく働いてくれない。
以下略



5: ◆kiHkJAZmtqg7[saga]
2016/10/13(木) 22:29:38.38 ID:mzegZ2Br0
「……違うんです。収録のときもつらかったけど、本当につらいのは。私、アイドルじゃなくなっちゃいました」

「おや……。それは、どうして?」

目を閉じて薄く笑う。こうやって表情を作らないと、すぐに泣いてしまいそうで。
以下略



6: ◆kiHkJAZmtqg7[saga]
2016/10/13(木) 22:31:33.54 ID:mzegZ2Br0
――アイドルになりませんか。あなたの歌声はたくさんの人の心に届く。この教会を救うことにも、繋がることでしょう。

その言葉を聞いたときに、ことのほかあっさりと受け入れたいと願うことができたのは。

――私、頑張りますから。だから、クラリスさんもほんのちょっぴりでいいので、応援してくれると嬉しいです。
以下略



7: ◆kiHkJAZmtqg7[saga]
2016/10/13(木) 22:32:15.89 ID:mzegZ2Br0
「皆様、紅茶をご用意いたしましたので是非お召し上がりください。お砂糖などはお好みで調節していただければ、と」

「え…………クラリス、さん……?」

「えっ……?」
以下略



8: ◆kiHkJAZmtqg7[saga]
2016/10/13(木) 22:35:43.91 ID:mzegZ2Br0
彼女からの拒絶は、今この場所にいる私を根底から揺るがすものでした。


どうして、と。疑問ばかりが頭に残り続けます。

以下略



9: ◆kiHkJAZmtqg7[saga]
2016/10/13(木) 22:37:04.75 ID:mzegZ2Br0
「事務員さんも、先日の白菊ほたるさんとのことはご存知でしたよね」

頷いて続きを促す事務員さん。私もまた言葉を続けていきます。

「あの時も少し触れましたが、ほたるさんとは以前に一度だけ面識がありました。まずは、その時のことをお話しします」
以下略



10: ◆kiHkJAZmtqg7[saga]
2016/10/13(木) 22:38:54.80 ID:mzegZ2Br0
「ほたる、この事務所での初仕事が決まりました」

新しい事務所に所属することが決まって、寮の引越しだとか、そういったいろんな手続きも落ち着いて数日。

安堵と小さな不安を運ぶ知らせが、プロデューサーさんの口から届いてきた。
以下略



11: ◆kiHkJAZmtqg7[saga]
2016/10/13(木) 22:40:20.72 ID:mzegZ2Br0
「お話であれば、教会に致しませんか」

クラリスさんの最初の言葉から、激昂しそうになった。

「っ……どうして、ですか」
以下略



12: ◆kiHkJAZmtqg7[saga]
2016/10/13(木) 22:44:59.54 ID:mzegZ2Br0
「着きましたね。まだ閉鎖中ではありますが、許可を頂いて鍵はお借りしています」

閉ざされた門を開きながら、クラリスさんはそう言う。

「あ、壁……直ったんですね」
以下略



13: ◆kiHkJAZmtqg7[saga]
2016/10/13(木) 22:47:30.19 ID:mzegZ2Br0
「先に進むことができないまま、ふり出しだけを繰り返してる私を、クラリスさんにだけは、見て欲しくなかった……!」

「いつか有名になったとき。ありがとう、って伝えたかった……!なのに、なのにっ……こんなにすぐに、私はクラリスさんに出会っちゃった……。あなたの前では、アイドルの白菊ほたるでいたかったのに!」

そう、だってもう出会ってしまった。知られてしまった。
以下略



14: ◆kiHkJAZmtqg7[saga]
2016/10/13(木) 22:48:38.16 ID:mzegZ2Br0
「ほたるさんは、私にこの場所を守る力をくれました」

「あなたの感謝に、どれほど救われたことでしょう。ここに来てよかったという言葉に、どれほど励まされたことでしょう」

「この場所が誰かを笑顔にできるのだと、ここに在ってよいのだと気づけたとき、どれほど嬉しかったことでしょう……!」
以下略



15: ◆kiHkJAZmtqg7[saga]
2016/10/13(木) 22:49:38.49 ID:mzegZ2Br0
「なんだか、帰ってきたような気持ちです」

「ええ……私もですわ」

「私、嬉しいです。私たちが始まった場所で輝けることが。この場所が、たくさんの人に包まれることが」
以下略



16: ◆kiHkJAZmtqg7[saga]
2016/10/13(木) 22:52:50.09 ID:mzegZ2Br0
ここまでお読みいただきありがとうございました。少しでも楽しんでいただけていれば幸いです。

デレステにおけるクラリスとほたるのメモリアル1は似ている部分があるんじゃないか、みたいなことを考えて書き始めた記憶があります。

このコミュとこのコミュのP、性格が似てるな、と感じたりしたところから、アイドルたちの新たな組み合わせが生まれ出てもいいのかもしれません。
以下略



17:名無しNIPPER[sage]
2016/10/14(金) 01:37:33.66 ID:cVZlwHXU0

面白かった


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