過去ログ - 高垣楓「夢と現を、月見で一杯」
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47: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2016/10/24(月) 00:09:33.32 ID:s0PoLOR90

「グイッとな、グイッとよォ」

 そう言って老人が指さすプロデューサーの持つお椀の上には、
 いつの間にか楓の時と同じように、黄身のように丸い月が浮かんでいた。
以下略



48: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2016/10/24(月) 00:11:02.41 ID:s0PoLOR90

 人の体が空に浮き、水月(くらげ)のように漂うなんて。

 そんなこと、現実的に考えてあり得ない……それは、誰だって知っているし、不可能だと頭でも理解はしている。

以下略



49: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2016/10/24(月) 00:12:56.73 ID:s0PoLOR90

「凄いよね、不思議だよね。まさかこんなこと、あるなんて思わないよねー」

「き、君は、平気なの?」

以下略



50: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2016/10/24(月) 00:15:14.56 ID:s0PoLOR90

 ケラケラと陽気に笑い出した少女に、プロデューサーが少し不機嫌そうに聞く。

「大体、どうしてその……駆け落ちだなんて思ったんだい?」

以下略



51: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2016/10/24(月) 00:17:09.14 ID:s0PoLOR90
===

 ――……どれくらいの時間が、経ったのか。

 プロデューサーは自分の肩を揺すられて……ゆっくりとその目を開けた。
以下略



52: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2016/10/24(月) 00:18:54.24 ID:s0PoLOR90

 ――……ここは……ここは、何処だ?

 目の前に立つ、せいぜい四十か五十の男は誰だ? カウンターの上に並んだ、このおでんの什器は一体どこから現れた? 
 あの少女は? 老人は? ニンジン酒は、甘ったるい黒蜜は、あの月見酒は一体何処に……。
以下略



53: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2016/10/24(月) 00:21:27.60 ID:s0PoLOR90
===

 次の日の朝早く。

 民宿の前にやって来たタクシーに荷物を詰め込むと、
以下略



54: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2016/10/24(月) 00:22:49.68 ID:s0PoLOR90

 それは、昨夜出会った銀髪の少女。

 服装も持ち物も、何一つ記憶と変わらない少女は、そのままテクテクとプロデューサーの座る助手席の傍まで移動すると、
 コンコンとタクシーの窓を叩いた。……どうやら、窓を開けて欲しいらしい。
以下略



55: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2016/10/24(月) 00:24:52.55 ID:s0PoLOR90

 やいやいと賑やかに騒ぎ始めた三人に向かって、タクシーの運転手が大声で吠える。

「その嬢ちゃんを乗せるのか、乗せないのか! どっちなんだ、お客さん!!」

以下略



56: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2016/10/24(月) 00:26:13.79 ID:s0PoLOR90
===

・お月さまはチーズでできてるのは有名な話。水に浮かべた月は、どんな味がするんだろか。
・楓さんと周子にからかわれながらご飯食べたい。
・ニンジンで作ったお酒は、「珍」とか「βぼれ」ってのがあるそうだ。
以下略



57:名無しNIPPER[sage]
2016/10/24(月) 00:35:58.39 ID:SesS1G+Ro

良い雰囲気だった


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