過去ログ - 一ノ瀬志希「フレちゃんは10着しか服を持たない」
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7: ◆FreegeF7ndth[saga]
2017/02/13(月) 02:30:12.86 ID:bfxHdujzo

◇◇◇◇◇

それからあたしは、フレちゃんにどんどん傾倒していった。

以下略



8: ◆Freege5emM[saga]
2017/02/13(月) 02:30:56.79 ID:bfxHdujzo

その日のフレちゃんは、黒レースをあしらったキャミソールの上に、
さらに薄紫の透け感のある長めのキャミソールをもう一枚重ねて、
ボトムスはベージュの活動的なショートパンツだった。

以下略



9: ◆Freege5emM[saga]
2017/02/13(月) 02:31:34.05 ID:bfxHdujzo

「やっぱり、フレちゃんはすごいなぁ」

あたしは扉を閉められたクローゼットを見やり、改めてフレちゃん流への感銘を述べた。
フレちゃんはたくさんのお店を見て回って、自分が着るにふさわしい服をこだわって選び抜いているのに、
以下略



10: ◆Freege5emM[saga]
2017/02/13(月) 02:32:26.62 ID:bfxHdujzo

◇◇◇◇◇

その年の春頃から、あたしは急激に忙しくなった。
プロデューサーいわく『最近の志希はいつも楽しそうに仕事するから』とアイドルの仕事をバンバン入れてきて、
以下略



11: ◆Freege5emM[saga]
2017/02/13(月) 02:33:26.15 ID:bfxHdujzo

あたしの耳はフレちゃんが謙遜を言ったと思った。
でもあたしの目がフレちゃんの顔を改めて眺めて、やっぱりおかしいと思い直した。
フレちゃんの目はテーブルの上の、セーヴル先生とコーヒーとイチゴタルトを見下ろしていた。

以下略



12: ◆Freege5emM[saga]
2017/02/13(月) 02:34:41.96 ID:bfxHdujzo
あたしは口を開けたままポカンとした。
フレちゃんはあたしに向けていた視線を、またテーブルのイチゴタルトに下ろした。

「アタシが褒めてもらえるときは、いつだってそう。ママからもらったものだけ」

以下略



13: ◆Freege5emM[saga]
2017/02/13(月) 02:35:16.31 ID:bfxHdujzo
◇◇◇◇◇

目を開けると、耳障りな振動音がどこからか聞こえてきた。
あたしの携帯が鳴っていた。ディスプレイを見ると、いつの間にか日付が変わって次の朝だった。
振動音は着信で――相手はプロデューサーだった。あたしは携帯の電源をオフにしてまた目を閉じた。
以下略



14: ◆Freege5emM[saga]
2017/02/13(月) 02:36:21.46 ID:bfxHdujzo
「……で、志希ちゃんはナニかあったのかな? はぁとお姉さんにどーんと打ち明けてみろ☆」

はぁとさんったら、何の筋合いであたしのコトに首を突っ込むのか……と思ったけど、
あたしはふと、フレちゃんとの一件でせっかくはぁとさんがくれたサマープリンセスを打ち捨ててしまったことを思い出した。
思い出してしまうと、なんだか後ろめたい。
以下略



15: ◆Freege5emM[saga]
2017/02/13(月) 02:37:56.68 ID:bfxHdujzo
「宮本フレデリカちゃん――フレちゃんは、日本男児とパリジェンヌの娘で、
 パリで生まれて東京で育った、あたしより一つ年上の女子大生だよ」

あたしは、自分の見えかけた思考の道筋を、はぁとさんに喋りかけながら確かめていく。

以下略



16: ◆Freege5emM[saga]
2017/02/13(月) 02:40:22.48 ID:bfxHdujzo

「志希ちゃんは……『赤と黒』って小説、知ってる?」
「……相川さんが話してるのを聞いたことぐらいなら」
「それは知らないって言うんだよ。その『赤と黒』の主人公は、こんなコト言うの」

以下略



17: ◆Freege5emM[saga]
2017/02/13(月) 02:41:07.70 ID:bfxHdujzo


――フレちゃん、昨日はごめんね。あたし、いきなり乱暴なことしちゃって。本当にごめん。

――で、さ。厚かましいお願いなのは承知なんだけど……もしフレちゃんが、あと一日、
以下略



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