958:名無しNIPPER[sage saga]
2017/03/25(土) 21:34:47.48 ID:ha7ZcpN9o
勝った。千歌とルビィは勝ったのだ…!
流血に背後へとよろめきながら、千歌の腕は高らかに天を衝いている!!
ルビィは勝利の喜びと怪我の心配に今にも駆け寄りたい、そんな表情で千歌を見ているのだが、まだ体の痺れが抜けていない。
959:名無しNIPPER[sage saga]
2017/03/25(土) 21:35:26.01 ID:ha7ZcpN9o
【UB01 PARASITE】“きせいポケモン”ウツロイド。
そもそも、ウツロイドを生身で戦わせることがズレているのだ。
その本領は異名の通りに…生物へと寄生した時に、発揮される。
960:名無しNIPPER[sage saga]
2017/03/25(土) 21:35:55.48 ID:ha7ZcpN9o
ウツロイドが人へと寄生した状態、それはいわゆる完全体。
ふわふわとクラゲのように不定の印象があった体は張りを得て硬化。心を蝕む精神毒と併せ、いわ・どくというタイプに相応しい姿へと変貌したと言える。
千歌は、そんな硬く重い腕に下から殴り付けられている。
腹部を叩かれ、そのまま体が消し飛ぶのではないかと錯覚するほどの衝撃。
961:名無しNIPPER[sage saga]
2017/03/25(土) 21:36:26.48 ID:ha7ZcpN9o
いたわしげに、ルビィは千歌の腹に手を当てている。
鞄から取り出した布切れで千歌の足をぐるぐると巻いてきつく締め、さっき撃たれた傷にも気休め程度の止血を。手先だけは昔からそこそこ器用だ。
そんな二人の隣、理亞は動揺も露わに膝と声を震わせている。
962:名無しNIPPER[sage saga]
2017/03/25(土) 21:36:54.35 ID:ha7ZcpN9o
メガガルーラと聖良、ウツロイドのラッシュ戦は一旦の決着を見る。
ガルーラの体がぐわりと浮かび、ずしりと背が地面へ。
吹き飛ばされた。打ち負けたのだ!メガシンカ体が!
963:名無しNIPPER[sage saga]
2017/03/25(土) 21:37:20.87 ID:ha7ZcpN9o
理亞「お願い、正気に戻って…私は…!」
聖良『理、亞…?』
理亞「姉さま!」
964:名無しNIPPER[sage saga]
2017/03/25(土) 21:37:48.96 ID:ha7ZcpN9o
ルビィに手を引かれるまま、理亞は呆然と後方へ歩いていく。
聖良の腕はしなり…千歌を横薙ぎに殴り付ける。
重打、再びメガガルーラが受けを!
千歌の足の出血は止まっていない。
965:名無しNIPPER[sage saga]
2017/03/25(土) 21:38:17.08 ID:ha7ZcpN9o
呟きは誰へと向けているわけでもない。
聖良からの攻撃が届くか届かないかの距離感に、聖良の耳へは届いているだろうか?
メガガルーラは親子、触腕の猛打を懸命に受け捌いている。
だが反撃へと移る隙はまるでない。鹿角聖良、ウツロイド完全体の力は壮にして烈。
966:名無しNIPPER[sage saga]
2017/03/25(土) 21:38:43.55 ID:ha7ZcpN9o
聖良『う、る、さい…!!!!』
『ガ、ルァ…!!?』
967:名無しNIPPER[sage saga]
2017/03/25(土) 21:39:28.94 ID:ha7ZcpN9o
リングを介して共有される闘志、千歌の思いにメガガルーラが立っている。
千歌は再び手を伸ばす。その瞳に燃える意思は黄金の輝き。
子ガルーラが咆哮、鋭い打撃に聖良の触手を横へと流している。
親ガルーラも猛る。両腕を広げ、千歌が求めるままにもう三本の触手を横へ、道を押しひらく。
968:名無しNIPPER[sage saga]
2017/03/25(土) 21:43:26.45 ID:ha7ZcpN9o
ウツロイドと聖良の一体化は既にほぼ完了している。
そんなところへの千歌の突入。腹の中へと異物が飛び込んできたような膨張感、未知の息苦しさを覚えている。
深層へと取り込まれていた意識が、強制的に表へと引き出され…
視界が自分のものへと戻って、目の前に揺れる、みかん色の短い前髪。
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