【オリジナル】イノセンス
1- 20
5: ◆swglAuXS56[sage saga]
2020/02/24(月) 22:56:10.91 ID:EqlApZsio
ヘルベルトが苦笑いを浮かべ、鼻先を掻きながら答える。

「いやぁ…、それが王女様がこの宿舎に参られまして、シルフ隊長に逢いたいと…」

「俺感動しました! こんな近くで王女様にお会いできるなんて!」
以下略 AAS



6: ◆swglAuXS56[sage saga]
2020/02/24(月) 22:59:03.16 ID:EqlApZsio
宿舎の食堂はちょっとした騒ぎになっていた。
朝の暇にカードゲームを楽しんでいた兵士などは大慌てで賭けに積み上げていた小銭を片付けていたし、食房で朝食の仕込み作業していた兵士も手を止めて配給を行うカウンターの前に整列している。
そんな周りの反応などお構いなしに、少女は満面の笑みで周囲の兵士にじゃれついていた。
ヘルト連合王国王女 ソフィア・プリスタイン、まだ五歳の幼子には自身の立場を理解するには早すぎるようだ。
その状況にどう対応していいのやら困り果てた付き人の侍女があたふたと王女の後ろついて回っては、兵士に頭を下げている。
以下略 AAS



7: ◆swglAuXS56[sage saga]
2020/02/24(月) 22:59:59.19 ID:EqlApZsio
長いプラチナブロンドの睫毛の大きな碧眼から大粒の涙が込み上げて頬を伝っていく。
しゃくりあげながら肩を震わせるソフィアも見て、シルフは彼女の肩を抱き寄せた。
”やれやれ”と軽くため息をつきながら、頭をなで、背中をさする。
こうなってしまっては、これ以上叱ることはできない。シルフもソフィアの涙には弱かった。
いよいよ本格的に泣き出してしまったソフィアを抱き上げて、周りの兵士達に軽く会釈する。
以下略 AAS



8: ◆swglAuXS56[sage saga]
2020/02/24(月) 23:01:10.88 ID:EqlApZsio
「滅相もございません、王女様」

「姫様、よくご自分から謝ることができましたね。
 シルフは誇りに思います」

以下略 AAS



9: ◆swglAuXS56[sage saga]
2020/02/24(月) 23:01:55.53 ID:EqlApZsio
「冗談です」とクツクツ笑いながら「それでは」とまた一言残して、ソフィアを抱きかかえたシルフは宿舎を出ていった。

「はっはっはっ、誂われちまったなぁ、マーディン?」

「いや、なんつーか、シルフ隊長ってすげー良い人なんスけど、掴みどころがないっていうか…。
以下略 AAS



10: ◆swglAuXS56[sage saga]
2020/02/24(月) 23:02:56.51 ID:EqlApZsio
ヘルト連合王国は大きく三つの地区に分かれている。
広大な湖の中心にある小島に、王城、貴族階級の住居・宿泊施設を備える最も狭い地域を「ムート区」。
職人、商人、教会関係者の住居の他、庁舎、各種ギルドホールなど、交易・都市機能の中心となる埋め立てられた地域を「クラフト区」。
クラフト区から東西南北に伸びる長い四つの橋から先、湖畔を造成した一般的な労働階級の人間が住む最も広い地域を「リーベ区」と呼ばれ、いずれの地区も砲撃に耐えられる厚い外壁で囲まれている。
王都の市民はクラフト区とリーベ区の行き来は自由であるが、ムート区への立ち入りは原則できず、往来する外部の人間は各地区に入る前に税を支払う必要がある。
以下略 AAS



11: ◆swglAuXS56[sage saga]
2020/02/24(月) 23:04:27.56 ID:EqlApZsio
「おお、シルフか」

「これは、アルド老師様、おはようございます」

紺色のローブを着たやや恰幅のいい初老の男が、たっぷりと蓄えた顎髭を撫で付けながらシルフ達に声を掛けてきた。
以下略 AAS



12: ◆swglAuXS56[sage saga]
2020/02/24(月) 23:05:40.65 ID:EqlApZsio
「やあ、シルフ君。朝から姫様のお守りかい?
 宿舎に寄った時に聞いたよ、君が姫様を泣かせたってね?」

エドゼルがニタリと笑いながら茶化すようにシルフに詰め寄った。

以下略 AAS



13: ◆swglAuXS56[sage saga]
2020/02/24(月) 23:06:12.10 ID:EqlApZsio
「などと言われまして、国王に進言したところ、問題なし…とのことで…」

「ふむ、フェンリル一族に騎士に魔闘士、それにお前の部下が四人、何も問題ないではないか! はっはっは!」

「良い部下を待ちましたね、シルフ様」
以下略 AAS



14: ◆swglAuXS56[sage saga]
2020/02/24(月) 23:06:54.24 ID:EqlApZsio
上司と部下のちょっとした諍い、というには上司の一方的な説教にルイーサは自分の夫の性格にため息がでたが、まぁ、仕事になると熱心になるところに惚れているという自覚があるので目をつむることにした。
それよりも、ルイーサはある提案をしてみることにした。


「シルフ様、もし宜しければ姫様と一緒に私達の家に来ませんか?
以下略 AAS



60Res/67.10 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 書[5] 板[3] 1-[1] l20




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice