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真・恋姫無双【凡将伝Re】4

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159 :赤ペン [sage saga]:2020/02/21(金) 11:02:44.53 ID:6R+CfStK0
乙でしたー
>>156
>>おーっほっほ、と高笑いする袁紹。内心曹操は苦笑するのだ。    間違いでは無く好みの問題ですが
○おーっほっほっほ、と高笑いする袁紹。内心曹操は苦笑するのだ。  なんとなく3回言うのが典型的なタカビーお嬢様っぽい気がする
>>いや、本人は全く素なのであるのであろうけれども。  ちょっとゴチャッと感が
いや、本人は全く素なのであろうけれども。       でどうでしょう
>>或いはかつてよりも有益な関係だったかもしれない。 【だった】だけなら問題ないんですが【かつてより】と重なると違和感が…過去形っぽさが出てしまうと言うか
○或いはかつてよりも有益な関係かもしれない。    【かつて】を思い返して懐かしむような物言いなら(かつての方が有益な関係だったかも)とかなら【だった】があった方がいいんですが(アレ…これってもしかして本来の世界線?)
>>今現在もその領域を増やすべく人夫が工事を進めるそれに、流石の曹操が絶句するのだ。  「人中の呂布だ!」「大徳の劉備だ!」「流石の曹操だ!」…太鼓持ちかな?
○今現在もその領域を増やすべく人夫が工事を進めるそれに、流石の曹操も絶句するのだ。  《流石のあいつでも失敗する》みたいな使い方なのでこうですね
>>猫科の猛獣の笑みを浮かべ、曹操はにこやかに笑いかける。 いや、普通そこは猫をかぶって【猛獣の笑みを隠して】…曹操なら分かった上でこうするわ
○猫科の猛獣の笑みを浮かべ、曹操はにこやかに声をかける。 二郎が「俺また何かやっちゃいました?」とか言いそうな笑顔で声は凄い綺麗な感じで来るわwあ、【笑みを浮かべ、笑いかける】だと重なるのでちょっと変更
>>157
>>なんとかなるものだなと赤楽はくつくつと、笑う。 【、】の位置に違和感が
○なんとかなるものだな、と赤楽はくつくつと笑う。 の方がいいと思います
>>今まで何進に遠慮して、進めていなかった洛陽への街道整備も進むし、だぶついてた食糧もはける。        やっぱり違和感が…何となく読みづらい
○今までは何進に遠慮して進めていなかったけど、これで洛陽への街道整備も進むし、だぶついてた食糧もはける。  でどうでしょう

沮授と双璧を為す二郎ちゃんの弱点ではあるからな>>張紘…梨園の誓いが知れ渡ってる以上捕えて人質にすれば名か実かどちらかに傷はつけられる(その後?言わせんな恐ろしい)
それにしてもなんとすさまじい兵糧攻め…なにが恐ろしいって交渉の材料がまだあるから董卓たちに内部不和を起こさせられるって事よ、しかも反董卓連合に内情を知れば尚の事…のんびりやってる盟主袁家とできるだけスピーディーに終わりたいその他の連合軍、まだ生きてるのび帝とおあつらえ向きな生贄の董卓…董卓の叛旗に駆け付けた忠臣達に報いるとか言えば中央の影響力を強化しつつ地方に鎖も掛けられるし(取らぬ狸感)
160 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2020/02/22(土) 19:57:18.95 ID:jjEionxJ0
>>159
赤ペン先生いつもありがとうございますー!

ほむ。
ほむ。

>沮授と双璧を為す二郎ちゃんの弱点ではあるからな>>張紘…
頼りになる存在であり、精神的なよりどころでもありますものね

>捕えて人質にすれば名か実かどちらかに傷はつけられる(その後?言わせんな恐ろしい)
少なくとも横にいる恋人兼秘書兼護衛が単独でなんとかするでしょうという安心感
ダイス次第ではそういうイベントもありでしたが、へいわ!

>それにしてもなんとすさまじい兵糧攻め…
ありがとうございますー!
割と二郎ちゃんは悠長な策を出すのですが、規模が、見据えたとこが違うんですよね
それを義兄弟たちは過不足無く理解してます
なお、はおー

>のんびりやってる盟主袁家とできるだけスピーディーに終わりたいその他の連合軍、まだ生きてるのび帝とおあつらえ向きな生贄の董卓
連合軍の思惑以上にどっしりとした作戦なのですよね
そして二郎ちゃんのその思いを十分以上に汲んだ沮授と張紘はマジで頑張ってます
やる気のない二郎ちゃんがやるとキメたので、とことんです。ガチです。もしかしたら、気負っている稟ちゃんさんより前のめりまでありますね。

それと、兵站関連で色々エピソード浮かんでましたが、書こうと思ってましたが没にしました。
まあ、個人商店の飛躍に繋がるなあくらいの感じですね。
ロレンス商会とか、目端の利く人は大儲けでしょう。

呂商会?そらもう。
161 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2020/02/27(木) 21:34:19.82 ID:mIa3hCl/0
「あらあら」

使者がもたらした報せに黄忠は軽く戸惑う。
張紘が、袁家の台所を担う男が自ら足を運ぶという。その意味に気づかぬほど黄忠は愚かではない。
しかも、物資を提供したとは言え、精々五百ほどの軍勢を率いる自分に、である。

「どうやら、劉姓に対しては表面上であっても重視する。ということかもしれないわね」

この、反董卓連合という戦は、いわば新たな権力者を決める戦いである。
そう、本来であれば洛陽の、雲の上での暗闘で決するべきものが大地にその災禍を降り注いだようなもの。
その是非、善悪なぞ黄忠は知ったことではないし、論ずるつもりもない。それは一介の武人には過ぎたことだ。
だが、自らが仕える劉表は皇族に連なる存在だ。なればその、劉家に対する立ち位置というものに対しては無関心ではいられない。
自分一人ならばなんとでもなる。が、娘がいる。ぜひあの子には安寧な世において生きてほしい。それが母としての黄忠の願いである。
なればこそ、漢朝の権威たる劉家に対する扱いに対しては黄忠とて無関心ではいられない。
それを、張紘という重要人物が自ら足を運んでくれるということに黄忠は安堵を覚える。
そう、たかが五百。たかが五百のみなのだ、率いる軍勢は。
いや、無論黄忠が鍛えた精兵であるという自負はあるが、果たして北方においてかの匈奴と渡り合った袁家の、或いは馬家の軍勢と比べたらばその実力はいかがなものか。
――せめて自分は兵を率いるのみに専念できれば、とも思う。
だが、文治を志す劉表のもとには有望な軍師は集まらずいた。皮肉なことに。
いや、候補はいたのだ、いたのだ。だって、荊州には水鏡女学院という教育機関があるのだから。
だから、いつかは軍略を預けられる英才が仕官してくれると思っていたものだが。
同期や、近しい先輩後輩は水害を契機に荊州を後にした。
そして英邁を世に謳われた天才たちは世を憂いて旅立った。その真意は分からない。
いなくなったという事実だけが残るのみ。

「……考えても、馬鹿馬鹿しいわね」

くす、と黄忠は艶然と笑う。生き方が違う。目指すところが違う。きっとそれで済まされるのであろう。
そんな、天から授かった才能(モノ)のない身は、地べたに張り付いてその日を過ごすしかないのだ。
そんなことを言ったらかつての同期から怒られそうだな、なぞと思いながら黄忠は娘の笑顔を思い出し、奮起する。
そう、腰の重い主君が自分を派遣したのも、貴重な物資――袁家にとっては取るに足らないかもしれない――を供出したのも世の安寧が第一ということなのだ。そのはずなのだ・

だから、黄忠は柔らかい、慈母のような笑みを浮かべつつも苛烈な覚悟を課している。
いや、母だからこそかもしれない。
身を捧げてでも、と思うのは守るものがあるからであろうか。
そんな、ある意味悲壮な覚悟で訪れた賓客を出迎える。艶然と、柔らかい笑みで可能な限りに好意を得られるように。

だからこそ訪れた人物に渾身の笑顔を、と思っていたのだが。
その人物はいい、だが、その後ろに控えるのは。

「じょ……た、単福!あ、貴女(あなた)、無事だったの?!」

赤毛の麗人に黄忠は取り乱す。喪った知己がいるから?いたから?
喪ったあの時が甦るから?

「はて、誰かなそれは。人違いだろうよ。それはともかく、張紘よ。
何を呆けている。失礼じゃないか。
 なに、そんなにこの麗人に興味津々ならば後で私が口を利いてやってもいいのだぞ」

何やら張紘が返し、女が笑う。
その、ちょっと皮肉気で、でも相手を気遣うやり取りはやはり知己のもので。

だから、一瞬。
酷薄と言えるほどに鋭く突き刺さる視線に黄忠は身を震わせたのである。
162 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2020/02/27(木) 21:34:45.83 ID:mIa3hCl/0
◆◆◆

「なあ」

応える声は低い。常のように笑みを含んだものではない。
だからこそ張紘は重ねて問おうとする。
それを赤楽は言わせない。

「できればこのまま君の口を塞いでしまいたいものだな。
いや、割と本気で。
 いい。いや、いいんだ。これは私の我儘だろうな。
 違うな、ちょっと混乱しているだけ。気の迷いみたいなものだろうよ」

赤楽は、苦笑する。その笑みはいつになく、苦く、暗い。
それを見て張紘は窘める。

「そんな風に言ったものじゃあないだろ。だって、これで身元が分かったじゃあないか。
 あんなにもお前は根無し草だったのを気にしていたじゃあないか」

その言葉に赤楽――徐庶――は苦笑する。

「分かったところで。ああ、私は結局のところ、人殺しなのさ。
思った通りで意外性の欠片もないのが申し訳ないがね。
 更には天涯孤独ときたものだ。
ああ、今までと変わりなく、今までではいられない。
苛立ちしかないね。厄介極まりない。
 それが自分の足跡と思えばこそ、さ!」

吐き捨てる彼女に張紘は笑みを浮かべて言葉を紡ぐ。

「そうかい?
おいらは嬉しいけどね。あんなにも自分を、自分の足跡に悩んでたじゃあないか。
 だから、おいらはお前の旅路が終わって、嬉しいよ」

「やめてくれよ」

ぐしゃ、と。
それまでの取り繕っていた表情を崩して嘆く、泣く。

「何がだ。何がだ!
人を殺し、狂人を演じる。
恩を返す父母は無く、だからこそ因果に囚われる!
 一体私は!あそこで死ぬべきじゃあなかったのか!救われて!
君に救われて!どうしろっていうんだ!
 人の死と絶望しかない私をどうするんだよ!
君と義兄弟はあんなにも光に包まれているじゃないか!
 だから君も、もっと光に!
そっちにいけよ!私なんてほっといてさあ!」

「そいつは聞けない相談だな」
163 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2020/02/27(木) 21:39:01.55 ID:mIa3hCl/0
やなこった、と重ねて耳元で囁く。
足掻こうとする女の身体を張紘は意外に力強い力で抱きしめる。絡め取る。

「おいらは、そんなにたいしたもんじゃないさ。
 あの時、行き倒れてたお前を拾ったのはきっと運命ってやつさ。
それに、いちいちそんなのに深く考えてられるもんか。
 何より、おいらはな」

渾身の力で、消えそうなその魂魄を抱きしめ、口づける。

「過去も未来も知ったことじゃない。
 おいらは、お前が大事で、大好きで、一緒にいたい。それだけが大事なんだよ。
 これじゃ、不足か?」

足りないなら、もっと囁こう。伝えよう。
だって、こんなにも大事なのだ。その気持ちが伝わらないなんて、いやだ。
離れるなんて、いやだ。
放さない。

「張紘。君は、君が。
 そんなにも、と思ってくれるのか」

私なんかを、と。

「お前じゃなきゃ、嫌だ」

常の、穏やかな彼からは思いも寄らない情熱。
それが女に燃え移る。

「ああ、張紘。いつも、いつでも傍にいる。だから、もっと抱きしめてくれ――」

精一杯の願いに張紘は全力で応える。

――そして徐庶。彼女はその名を名乗ることはなかった。
彼女はあくまで赤楽。
張紘の愛人として人生を歩むことを選んだのである。
彼女の功績は献策一つ
164 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2020/02/27(木) 21:40:11.77 ID:mIa3hCl/0
本日ここまですー感想とかくだしあー

題名募集しまくりんぐですよ本当に!
案は「朱色の過去」
はい、いまいちなのでよろしくお願いします。

週末は後輩の結婚式なのでまた来週になりそうです。
165 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/27(木) 22:22:20.05 ID:y4Ng4X+D0
乙〜
やっぱりこの夫婦は良い
166 :赤ペン [sage saga]:2020/02/28(金) 13:03:02.06 ID:dcSS2BEC0
乙でしたー
>>161
>>なればその、劉家に対する立ち位置というものに対しては無関心ではいられない。  間違いではないですが【対する】が2度続くとちょっと違和感が
○なればその、劉家に対する立ち位置というものについては無関心ではいられない。  もしくは【劉家への待遇に対しては】とか【立ち位置というものに関しては】とかどうでしょう
>>なればこそ、漢朝の権威たる劉家に対する扱いに対しては黄忠とて無関心ではいられない。  同上で
○なればこそ、漢朝の権威たる劉家への扱いに対しては黄忠とて無関心ではいられない。    もしくは【劉家への遇し方については】とかかな?
>>貴重な物資――袁家にとっては取るに足らないかもしれない――を供出したのも世の安寧が第一ということなのだ。そのはずなのだ・   最後のミスとついでにちょっと好みを
○貴重な物資――袁家にとっては取るに足らないかもしれないが――を供出したのも世の安寧が第一ということなのだ。そのはずなのだ。  自嘲気味というかそういう雰囲気を醸し出せそうな【が】を加えてみたり
>>162
>>おいらは嬉しいけどね。あんなにも自分を、自分の足跡に悩んでたじゃあないか。 【自分を】の後に例えば≪見失って≫とかあるならそれを入れるか
○おいらは嬉しいけどね。あんなにも自分に、自分の足跡に悩んでたじゃあないか。 【自分(の立脚点)に】みたいな感じに読めるのでこれでどうでしょう
>>ぐしゃ、と。  何か握りつぶしたみたい
○くしゃりと。  【顔をくしゃくしゃにして】と【顔をぐしゃぐしゃ、にして】だとなんかこう、受ける印象がね
>>163>
>>足掻こうとする女の身体を張紘は意外に力強い力で抱きしめる。絡め取る。  【足掻こうとする】って結局足掻いているのかいないのか…ここだと本気で難しいな
○常とは比べ物にならないほどに力無く、それでも足掻こうとする女の身体を張紘は意外に力強い腕で抱きしめる。絡め取る。  とりあえず素案…どうだろう?
>>そんなにも、と思ってくれるのか」  感極まってる感を出すなら…
○そんなにも……思ってくれるのか」  とかどうでしょう、それとも【想ってくれる】もありか?
>>彼女の功績は献策一つ        もう一声
○彼女の功績は献策一つのみである。  本来のネームヴァリューを知ってればこそ感じるその損失と同時にこの安堵感…(なお功績として表に出なかったもの

劉表さん立地条件もいいし本来なら人材の宝庫だったろうに…そして水害でボロボロになった故郷を見捨てて遊興する伏龍鳳雛ぇ
それはそれとして人殺し云々言ってる赤楽はどした?過去を思い出したのかも知らんが状況的に仕方なかったことが大半だろうに、「お前がどれだけ自分を嫌悪してても張紘はお前が好きなんだよ」とかどっかの誰かが心中で呟いてそう
167 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2020/02/29(土) 06:09:58.57 ID:nwzYpBoP0
>>165
どもです。
出すと勝手にイチャイチャしだすのですが、それがいいw
そんな二人でした。
設定しながらも、蛇足かなと思って半ばボツにしていたイベントというか伏線回収ですが、
達成条件が満たされてしまったので。

>>166
赤ペン先生いつもありがとうございますー!

>彼女の功績は献策一つ        もう一声
尻切れトンボになってしまった

彼女の功績は献策一つとして歴史に記されてはいない

にするつもりでした。
徐庶的に!
168 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2020/02/29(土) 07:12:52.89 ID:nwzYpBoP0
関係ないけど、蕪がもっと安くなってほしいと思いました
狙ってるのはオリックス(1500)とマクナル(3800)と野村(350)とサイゼ(1300)と業スー(3000)
今思えば民主党政権の時は買い時であったことだなあ
手元資金がなかったけど!
169 :赤ペン [sage saga]:2020/02/29(土) 09:05:36.56 ID:OmeV9Da30
ああ、適当な箔付けに功績を奪われ()る張勲はいなかったんだね
実際賤業とは言え紀霊の義兄弟って相当だし同じ商人目線なら血の結びつき欲しがるだろうから奥さんはこいつだ。って言うときに功績あるのは大きいし
170 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/29(土) 09:40:47.59 ID:zGLP++yQO
正室になる気はないのではないかな
まあ、他に目移りする可能性が皆無なのは置いておいて
171 :赤ペン [sage saga]:2020/02/29(土) 14:58:54.27 ID:OmeV9Da30
赤楽にその気がないとして…周囲がそれを認めるかは別問題よwww
きっと上司とか権力者のパワハラで無理やり盛大な結婚式が執り行われるぜ
派手好きな領主様とか旦那の義兄弟とか
172 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/03/02(月) 22:08:38.43 ID:Xft0IoOD0
そう言えば公孫賛は糧食どうしてるんだろう
すまん、ありがとう。とか言いつつ袁家に頼りまくってるのか
173 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2020/03/03(火) 20:12:15.81 ID:pTAU8yib0
>>172
ほむ

◆◆◆

「さて、兵を発するとは言ったが、糧食の準備は万全なのか?」

そういえば、と公孫賛は韓浩に問う。

「万全、という言葉は便利なもの。
 安心を担保できるから。
 だが、今回に限っては万全であると断言できる。
 なぜならば袁家に公孫の陣容は伝達済みだから」

淡々とした口調に公孫賛はなるほど、と頷きかけて。

「いやちょっと待て、私が聞いたのはそうじゃないぞ。そういう意味じゃないぞ。
 自分たちの食い扶持くらいは自分たちで準備しないと。
 そういう意味で言ったんだ」

少し慌てた風な公孫賛に韓浩はあくまで淡々と続ける。

「今回の出兵に関して、こちらには全体的な計画の詳細は知らされていない。
 また、その意思決定についても介入する機会は少ないだろう。
 なれば、どの程度の期間を想定するか、というのは無意味と言っていい」

「いや、そりゃそうなんだろうがさぁ……」

「なれば、最初から袁家の兵站。袁家の構想に組み込まれるのが最善。
 袁家にとっても、どの段階から援助を求めるか分からないよりは徹頭徹尾求められた方が算段が立つ。
 ああ、無論袁家と合流するまでくらいはこちらから持参する」

むむむ、と公孫賛は唸る。

「なに、気にすることはない。
 公孫については袁家の後ろ盾というのは知れ渡っている。
 それに、別に完全に頼るつもりもない。
 単に効率を重視しているだけのこと。
 消費した物資は後でまとめて請求してもらえばいいだけのこと。
 ……それくらいの余裕はある」

「なるほど、流石韓浩だ。
 確かに、ここから洛陽までの道程。物資をわざわざ運ぶのも手間だしな。
 まあ、何か言うやつばらは武勲で黙らせればいいだけのことさ」

よし、と決意も新たに気力十分な公孫賛。
その様子に韓浩も頷く。

まあ、おそらく袁家からの請求はないだろうな、などと思いながら。

その予想は結論から言えば、正しいものであったのである。
174 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2020/03/03(火) 20:13:35.04 ID:pTAU8yib0
こんなとこっすかね

韓浩も参軍するので、後方の手間は省けるならば省こう的な。

多分これはあっちには載せない幕間でござるの
175 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/03/03(火) 22:02:10.17 ID:Re9h7Jf9O
そいやちうごくではバッタの大群がきてるみたいだけど
次郎ちゃんのところには来ないのかな?
176 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2020/03/04(水) 21:37:13.16 ID:vSmvO24c0
>>175
ないです

災害で解決とか、ハードル高いっすわw
「渚にて」みたいな初手災害での舞台装置ならばともかく、
災害がすべてを解決するとかでやりきったのってあれば読みたいです

あ、サメか。
177 :青ペン [sage]:2020/03/05(木) 07:38:56.45 ID:nvqRTYFzo
ぼちぼちタイトル案出していきますわー
しばしお待っちー
178 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2020/03/05(木) 20:21:04.58 ID:xedpohjv0
>>177
よろしくお願いします。
179 :青ペン [sage]:2020/03/05(木) 23:35:48.61 ID:fd99+5qvo
>>122
一つずつ潰していこう。
連コメはご容赦。

戦士の休息〜幼馴染みとの一時
180 :青ペン [sage]:2020/03/05(木) 23:36:52.49 ID:fd99+5qvo
>>137
飛ばされた檄、其々の想い
181 :青ペン [sage]:2020/03/05(木) 23:37:51.70 ID:nvqRTYFzo
>>151
細工は粒々
182 :青ペン [sage]:2020/03/05(木) 23:39:21.85 ID:ynL3WypNo
>>158
嵐の前の静けさ〜集結
183 :青ペン [sage]:2020/03/05(木) 23:40:04.06 ID:ynL3WypNo
>>164
紅蓮の過去
184 :青ペン [sage]:2020/03/05(木) 23:40:33.44 ID:ynL3WypNo
いじょ!
185 :赤ペン [sage saga]:2020/03/06(金) 10:18:25.69 ID:aJz7Vrcd0
乙でしたー
>>173
>>なれば、どの程度の期間を想定するか、というのは無意味と言っていい」  間違いが見当たらないので無理くり
○なれば、どの程度の期間かを想定する、というのは無意味と言っていい」  前提条件をもとにするなら上ですが、そもそも前提が不明なので下の方…がいいかなあ?

原作恋姫知らないである程度三国志を知ってるなら袁家としては公孫瓚とか全力で取り込みたいからね…人となりを知ればそりゃ恩売りまくって情交わしまくって雁字搦めにするよ
そして韓浩もどこまで分かってるかは知らんけど袁家と公孫家が争わないように楔と鎹と柵作りまくってらwまあ彼女自身もその一部だし袁家も公孫家も大切だろうからなあ

蝗害ねえ…史実で考えればもうしばらく後に起こったものではあるしあれって確か牛とか馬よりも草が大量の時に起こるらしいから、起こらないなら起こらないで理由付けが必要か?そこまで考えなくてもいいっちゃいいけど
ところで>>181 【細工は粒々】って【細工は流々】じゃないのは何か意味があるのか誤字なのか
186 :青ペン [sage]:2020/03/06(金) 13:44:28.35 ID:e+xhGRpyo
>>185
誤字っ!(笑)
187 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2020/03/06(金) 20:47:55.81 ID:Ve3p230L0
>>184
あざます!
どれもよきよき。つぶつぶしててよきよきw

>>185
くださいよ……。たまには満点花丸くださいよw

>全力で取り込みたいからね…人となりを知ればそりゃ恩売りまくって情交わしまくって雁字搦めにするよ
そらそうです。二郎ちゃんだけでなく袁家も全力です。

>そして韓浩もどこまで分かってるかは知らんけど
ほぼ認識して、その上で更に肩入れしようとしておりますね

イナゴはね、バッタはね。
草木という資源を動物タンパクに変える機構だから各方面で捕食されることでエネルギー循環させてるんですよね
それが、たとえば砂漠に雨が降って捕食者のいないとこで発生することで群体となるのですよね
そうすると別の地域に旅する存在に変わってしまって現地ではそのイナゴを補食しきれなくなるのです

まあ、肉体の変質もすごくて、カラッカラな肉体になってしまうらしいですけどね
カマドウマもそうですが、本来バッタ系って貴重な資源なんですよねー
日本の山林においてはカマドウマはガチで川魚のための資源です
188 :赤ペン [sage saga]:2020/03/07(土) 10:09:46.52 ID:saPjmLa20
三国志は横山版を軽く見た程度の恋姫プレーヤー「地味さんとか行間で死んだ雑魚やんけ、おバカの袁紹にひねりつぶされてるし二軍安定やな」
満点花丸になりそうな場合には【私の好み】を使って減点が発生しますからね(笑)まあ100点を出すことがあっても満点を出すことはないんですが
私としては何進さんが金の使い方を言ったあたりとか150点くらい付けますよ
189 :俯瞰者 ◆e/6HR7WSTU [sage saga]:2020/03/08(日) 14:22:56.03 ID:Wr1dDZOd0
乙です。快調に進んでおりますな。

声を大にして言いたい。「張紘。よく言った!!!!」自分が惚れた女はちゃんと言葉にして手元に置いとかなあかんよ(実体験)
赤楽さん、オリキャラじゃなかったのね。中身は徐庶さんって、十分張紘さんと釣り合うやん。張紘、おっちゃんが許す、妊娠させてまえ(おいこら)

中国発のバイオテロでてんやわんやです。嫁に会いに行くのに普通のマスクが無いので開き直って「アスベスト粉塵専用」のマスクして行っております。
毎回、受付でびっくりされ嫁に爆笑されております。施設のほうはマスクの備蓄が超大量にあるので(インフル・ノロ・強毒性感染症対策)なんとかなってますが、多方面から集られているのが悩み。在庫は有限だし補充のあても直近はない。なのに備蓄しておかなければいけない他の近隣社会福祉法人からけろっと、
「マスクないですか?」
と電話受けたときは「ない」で即切り。

細工は流々って、流流ちゃんが細工してるの?(寒い小ボケ)料理だったらそう言われても頷けるけどね。民明書房ネタになるなこれ。
あ、姓名は違うか。真名だから二郎ちゃんあたりが駄洒落るかな?

三国志でも見せ場の一つです。敵も味方もどんな人間ドラマを描くか、wktk期待です。

190 :青ペン [sage]:2020/03/08(日) 22:32:12.41 ID:DiFOttPqo
俯瞰者さんもご健勝なようで何より。
でもご自愛ですぜ?
191 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2020/03/09(月) 20:35:52.07 ID:zzPyaJmH0
>>189
どもです。
いやあ、割と足踏みしております。一ノ瀬の時間的な意味でw
まあ、どんどこ話を進めてさっさと洛陽に向かいたいものでございまする。

>声を大にして言いたい。「張紘。よく言った!!!!」自分が惚れた女はちゃんと言葉にして手元に置いとかなあかんよ(実体験)
俯瞰者さんのあれこれのエピソードは大好きです。
いや、ご自身のもそうですが、政治家の秘書のやつが心に残っております。当時のエピソードとか覚えてらっしゃったらぜひ。

>赤楽さん、オリキャラじゃなかったのね。中身は徐庶さんって
名前ありの登場人物で当方の完全オリキャラはございません。赤楽さんについてはいつ見破られるだろうかなあと思っておりましたが意外となかったですね。

>十分張紘さんと釣り合うやん
贅沢な人材ですが、これでよかったのかなと。
凡将伝では本当に自己評価の低いキャラです。だから自分が張紘に釣り合うか、というのをものっそい気にされていました
んで、自分の備えている技能、教養からして、それなりの名家とか士大夫じゃねーかなー、だったらいいなあとか思ってたらというお話ですね。
がーん、だな。
まあ、張紘と一生ラブラブしといてくださいということで一つ。
婚姻とかは未定でございます。まずは世を平らかにせんとね。

>と電話受けたときは「ない」で即切り。
実に正しいですね。
議員が高く転売とか論外ですよ。

>細工は流々って、流流ちゃんが細工してるの?(寒い小ボケ)
流琉だから!

頑張るぞいっと。
192 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2020/03/10(火) 21:30:32.35 ID:AEwN0Gam0
「二郎!久しぶりだ!」

稟ちゃんと今後の方針を打ち合わせたり、さっき食べた飯は流琉の差し入れだからものっそい美味しかったねと語ったりやら、うだうだ話していた俺に声をかけてきたのは……。

「おお、華佗じゃん。お久しぶり、だ!」

がしがしと小突いて久闊を除する。

「にしても、来てくれたのか!」

遠方より、朋(とも)が来たのだ。そりゃ嬉しいよ。

「ああ、当然だろう!
 張魯様もいらっしゃるぞ!」

マジか。マジでか。

「まあ、戦力としては考えないでくれ。百名程度だし、自分も含めて戦いはできんだろうからな。
その分、腕利きを選りすぐってきた。生きているならばどんな負傷でも死なせはしないさ」

なるほど衛生兵というわけか。助かる。これは実に助かる。

「にしても、よくぞ、だ。はるばる漢中から来てくれたな。劉焉が不穏な動きをしているんだろ?」

本拠地を空けるなんて。組織の特性を考えたら百人もの医師――当然、五斗米道の幹部であろう――が来てくれたことにも違和感がががが。

「そこからは、僭越ながら私がお答えしましょうか」

どう答えたものか、という華佗を見かねたのか稟ちゃんが口を挟んでくる。

「張魯殿には私から書状を差し上げました。漢中は劉焉に狙われている、と。
 五斗米道単体でそれを防ぐのは不可能。なれば此度、旗色を鮮明にすべし。
 さすれば、袁家に与するのであれば。たとえ漢中を空けても劉焉は攻め入ることをしないであろう、と」

劉焉が漢中に攻め入るのを口実にして、後日誅滅するというのは貴方の趣味ではないでしょう?

そう述べる稟ちゃんに俺は馬鹿みたいに頷くことしかできない。
これは出来る女ですよ。

「まあ、これで漢中に食指を伸ばすような俗物ならば楽なのですが、そうもいきません。
 ――二郎殿にご相談せず、裁可もいただかなかったことについては如何様にも」

ツン、としたままで稟ちゃんは悪びれた風もなく此方を見る。

ちらり、華佗を見ると苦笑している。

「なに、どうせ漢中を守るにしても劉焉が本気になればどうにもならないさ。だからまあ、郭嘉殿の申し出は渡りに船ではあった。 
 このどさくさに紛れて劉焉が進駐してくるという可能性は大いにあったからな」

「最悪でも張魯殿の身柄あれば、です。漢中を劉焉に奪われたとしても再侵攻後の統治は容易です。
 それとも、漢中を直接統治する方がよろしかったか?」
193 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2020/03/10(火) 21:30:58.61 ID:AEwN0Gam0
文句あっかと言わんばかりの稟ちゃんに再度苦笑する。

「ないない。面倒なのは勘弁だ。漢中は交通の要所。攻めるに易く、守るに難い。まあ、そうだな。
 旨みはあるんだが、あれだ」

言わば鶏肋のようなものさ。

ケンタッキーでいったらキールみたいなものである。いや、好みにもよるんだろうけどね。

「鶏肋とは、上手いことを言いますね。旨みはあれど労多し。
まあ、それを華佗殿の目の前で言う二郎殿の神経に唖然としそうなのですが」

「なに、ぶっちゃけたとこを聞いといてもらわないとな。ほんと。
まあ、華佗よ。そんなわけで袁家は漢中の太守たる張魯殿を全面的に支援するぜ」

華佗はやれやれとばかりに苦笑する。大きく肩をすくめて、顔を上げ破顔する。

「なんともまだるっこしいことだな!
だが、ありがたく甘えさせてもらおう。そして、傷病人は任せてくれ!」

いつも通りの暑苦しい笑顔で華佗は全面的な協力を約束してくれる。ことによれば追加して漢中から衛生兵を派遣してくれるらしい。
これはありがたい。いや、工兵隊でどうせ事故があるだろうし、戦闘が始まったら死傷者続出だろうし。

俺は華佗としばし笑い合い、稟ちゃんの目線に促されてその場を後にする。

「稟、ありがとな」

「――漢朝全土を管理するのは袁家の役割でしょう。今はそうでなくとも必ずそうなります。
 ですから、当然のこと。
 いえ、差し出がましいことをしたかと思っていました」

いや、その気遣いは無用。

「好きなようにやってくれ。責任は俺が被るから、さ」

ビシ、と決めたつもりだけど、稟ちゃんさんからは「似合いませんよ。深刻ぶるのは」と散々な俺でした。
解せぬ。

◆◆◆
194 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2020/03/10(火) 21:31:24.73 ID:AEwN0Gam0

額を伝う汗を拭い、華雄は水差しから直接水をごくり、と喉に流し込む。
冷たい奔流が喉を伝っていく。湯気すら立つほどに上気したその身体を冷やしていく。

まあ、こんなものかと華雄は日課の鍛錬を終えて湯殿へ向かう。

何進が禁裏へ参内する途中で暗殺されるという非常事態からどれほどの時が経ったか。
その報せを受けてより彼女は何進の屋敷に軟禁されていた。
いや、屋敷内であれば特に動きも制限されず、愛用の斧――金剛瀑布――すら取り上げられないことに解せぬ思いはあるのだが。
内実を見れば単純なもので、何進の護衛である華雄の処遇まで一々検討する余裕なぞなく、適当に、或いは雑にただ拘束しているだけだったのだが。

――その報せを受けて華雄は混乱した。耳を疑った。あの男が討ち取られるなぞ、と。
同時に納得もしていた。敵の多い男だった。世の中を敵と味方に分ければ敵が九分に味方が一分。そんな男だった。
そして討ち取った者が呂布――かの万夫不当である――と聞いて、その対決を見てみたかったなあ、などと思う自分はきっと薄情なのであろう。
守るべき対象が。情を交わした男が、道半ばにして逝ったというのにそんなことを思う自分はきっときっと薄情なのだろう。
悔しいとすればこの身が、武が何進に及ぶ前に手の届かぬところに逝ってしまったということか。
そして、手の届かぬ何進を討ち取った呂布はどれだけの武なのだろうか。
聞く噂は錯綜している。不意を打ったとも、真正面から打倒したとも。どうせならば白黒はっきりしてほしいものだ。

思えば単純なものだった。何進が存命の頃は。
目指す武の象徴として何進に立ち向かうだけでよかった。
その何進が討ち取られたならば、自分は一体何を目指せばいいのか。

分かるはずもない。

だから、華雄はあくまで何進の背を負う。幾度も、幾千度も自分を屈服させたあの男を思い、挑む。
目を開けずとも身体は、心はあの男の動きを容易に再現する。
それに合わせ、ひたすらに対決する。未だ幻影の何進にすら及ばぬ自分はきっと呂布にはまだまだ及ばない。
まずは何進に勝ち、そして呂布に挑む。

ごく自然に華雄は自分に対する最適解と思われるそれを為す。為そうとする。
見果てぬ武の先。天下無双を思い、ひたすらに鍛錬をする。為すべきことのない、また、出来なかった今。食事も、睡眠も、全てを自らの鍛錬に充てて華雄はひたすらに牙を研ぐ。
その牙の主を喪ったままに、磨く。それが弔いであるかのごとく。

強く、強く。ただそれを思う。それだけをひたすらに。

◆◆◆
195 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2020/03/10(火) 21:31:56.74 ID:AEwN0Gam0

「さてさて、お呼びとのことですが〜」

午睡したくなるような陽だまりの口調で程立はふわり、と笑いかける。
それを迎える少女はこれもまた美少女。ただ、眉間に刻まれたものがなければいいのに、と。どこぞの凡人ならば間違いなく思ったであろう。そう程立は思う。
彼女が政務に励むその机上には幾多の書類が積み重なっており、彼女――言うまでもなく、賈駆である。現董卓政権を一身に支えている人物だ――は険のある表情で程立を睥睨する。

「言うまでもないでしょう。さっさと世を乱すような行いはやめなさい」

冷然と発せられた言葉に程立は苦笑する。いや、どうにも。
単刀直入とはこのことか。だが。

「いや〜。風にはなにをおっしゃっているかまるで分からないのですね〜。
 軟禁状態のこの身。何を為すことができるやら、ご教授願いたいのですよ〜」

心底困った風に、或いはけらけらと嘲笑するように程立は笑う。くすくすと笑う。
その笑みに賈駆は激昂する。

「いい加減にしてよね!あんたらが物資の流通を妨げているってのは分かってるのよ!
 あんたら、何進より性質(タチ)が悪い!」

――控え目に言って洛陽の物流は混乱している。いや、滞っていると言ってもいい。それはこれまでの供給網(ルート)が機能していないからだ。
これにはわけがある。
洛陽の物流はかの何進の勢力下の商会が権勢を極めていた。心ある士大夫からは、みっともなく、利を卑しく喰う。蛮喰(ばろっく)商会と呼称される存在。
だが彼らの差配により、複雑怪奇な物流は運用されていたのである。が、それは破壊された。自然、代替の商流ができそうなものだが、それを賈駆は許さない。
管理できない物流の危険性を知っているからこそそれは許せない。

相対する程立は、目の前で柳眉を逆立てる少女を哀れにすら思うのだ。
既に彼女は、董家は詰んでいる。いや、市中の物流を滞らせているのは自分ではあるのだが。そして、蛮喰商会を魯粛の支配下に治めさせたのも自分なのだが。
そう考えると、目の前の少女が先ほど放った言葉は実に正しいのであろうな、と思う。思うだけだが。

「いやいや、魯粛さんを見くびっていましたかねえ」

賈駆が退出するのを見て。くふふ、と程立は笑う。
どんな手妻を使ったのか、確かに洛陽をかつて支配していた商流は手元にある。それを為した魯粛には程立も背筋に冷たい物を感じる。なるほど、主が目をかけるほどのことはある。
まあ、それはともかく。

「いやあ、明日のお米も肉も手に入らない。これが暴政でなくてなんでしょね〜」

くふふ、と笑う。艶やかに、哂う。

紀霊の悪評の八割は彼女の献策であるとまでに後世揶揄される彼女の本領はこれからであった。
196 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2020/03/10(火) 21:32:25.73 ID:AEwN0Gam0
本日ここまですー感想とかくだしあー

題名は
「前進」
くらいかな

思いつかないので、格好いい奴、オナシャス
197 :青ペン [sage]:2020/03/11(水) 10:48:42.41 ID:U4z8JThJo
>>196
乙乙の乙

仁の義と術、龍蛮の流
198 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2020/03/11(水) 20:05:36.35 ID:3rhsVJxZ0
華雄、何遂高を失うもなお武の頂を臨み、程仲徳、洛陽を枯渇させ董仲穎を奸賊に貶める。

そういやこれもらってましたわ
これまでの題名と比べて違和感ありすぎw
199 :赤ペン [sage saga]:2020/03/12(木) 13:52:09.55 ID:ECqCjuqY0
乙でしたー
>>192
>>稟ちゃんと今後の方針を打ち合わせたり、さっき食べた飯は流琉の差し入れだからものっそい美味しかったねと語ったりやら、 【〜たり】と(〜やら)を一緒にすると違和感が
○稟ちゃんと今後の方針を打ち合わせたり、さっき食べた飯は流琉の差し入れだからものっそい美味しかったねと語ったり、   もしくは【今後の方針の打ち合わせやら、〜語ったりやら、】でどうでしょう
>> さすれば、袁家に与するのであれば。 ればれば〜が仮定を重ねてるっぽいので
○ そうして、袁家に与するのであれば。 上の【旗色を鮮明にすべし。】の補強をする感じならこの方がよさそうかな
>>194
>>道半ばにして逝ったというのにそんなことを思う自分はきっときっと薄情なのだろう。 【きっと】を二回言ってるのはそう信じたくない時とかに【きっと、多分】とか不確実な時に重ねたりはしますが
○道半ばにして逝ったというのにそんなことを思う自分はきっと薄情なのだろう。    ここはこれでいいと思います
>>為すべきことのない、また、出来なかった今。  【出来なかった】なら過去っぽいかな
○為すべきことのない、また、為せる力も無い今。 もしくは【為すべきことの無くなった、また、出来もしない今。】とかどうでしょう
>>195
>>賈駆が退出するのを見て。       執務室に呼んだのに程立をソコにおいて部屋を出るの?何されるか分かったもんじゃないかと
○退出し、扉越しに賈駆を見やりながら。 怒鳴りつけてか苦虫噛み潰した顔でか歯ぎしりしながらかはともかく追い出すんじゃないかな

バロックワークスか…多分13人の数字で呼び合う男性幹部とかいたな
五斗米道が参加してくれたのは大きいね、医療のスペシャリスト集団とか完全に取り込む算段付いてるならともかくそうでないなら攻撃はしたらあかんわ
それにしても華雄さんの扱い雑過ぎへん?せめて武器は取り上げとけよw迂闊に触ったら暴発の危険性はあるけどさあ
賈駆?あの子はほら…ガイアがもっと不幸になれって囁いてるから(確か公式で理不尽な不運キャラとかあったよね)
200 :青ペン [sage]:2020/03/13(金) 23:49:18.92 ID:Y4HBPR4/o
>>198
あったんかーい(ずこー)
201 :俯瞰者 ◆e/6HR7WSTU [sage saga]:2020/03/15(日) 19:26:02.54 ID:C/9fWUgH0
乙です。

風さん魯粛さんえげつない事すんなぁ……(絶句)暴政の風評を立てようって策だろうが正直嫌いです。
理由?自分で商売やってりゃこの手の嫌がらせが一番かなわん。つか洛陽の庶民は民じゃないのね、風さんからしたら。
正直、董卓陣営に肩入れしたくなりました。

ここの華雄さんは果たして猪武者やらかすのかねぇ、師匠が師匠だけに本人も正しい脳筋の道を歩いていると思うのですが……
202 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2020/03/16(月) 21:16:44.63 ID:WZVfEUoH0
>>199
赤ペン先生いつもありがとうございますー!

>五斗米道が参加してくれたのは大きいね、医療のスペシャリスト集団とか完全に取り込む算段付いてるならともかくそうでないなら攻撃はしたらあかんわ
二郎ちゃん、医療については応急処置以下、どちらかと言うと公衆衛生の方にしか知識がないのですよね

>それにしても華雄さんの扱い雑過ぎへん?せめて武器は取り上げとけよw迂闊に触ったら暴発の危険性はあるけどさあ
UTUWAを見せたいところなのでしょう
初手抵抗されなかったのも大きいです

>賈駆?あの子はほら…ガイアがもっと不幸になれって囁いてるから
ひどE

>(確か公式で理不尽な不運キャラとかあったよね)
まじすかそれは初見情報な気がするます。忘れているだけかもしれませんが。

>>200
いや、それをやるとは言ってないというか。
前段というか前身にてもらってたなというだけっす

>>201
どもです。

>風さん魯粛さんえげつない事すんなぁ……(絶句)
実際えげつないです。発想もそうですが、それを実現できる彼女らの能力もえげつない。

>この手の嫌がらせが一番かなわん。
やられた方はたまったもんじゃないですよね。

>つか洛陽の庶民は民じゃないのね、風さんからしたら。
さて。

>正直、董卓陣営に肩入れしたくなりました。
同情の余地は大いにございます。

>ここの華雄さんは果たして猪武者やらかすのかねぇ、師匠が師匠だけに本人も正しい脳筋の道を歩いていると思うのですが……
ご期待くださいませませ。
203 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2020/03/16(月) 21:19:13.99 ID:WZVfEUoH0
実際俯瞰者さんの良識には背筋がピンとなる感あります
こういう方がいるから世の中捨てたものじゃないって

赤楽さんが張紘くんを見るとこうなるのかなって感じで腑に落ちた感すらあります
204 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2020/03/16(月) 21:24:39.33 ID:v3ffqGkn0
>>自然、代替の商流ができそうなものだが、それを賈駆は許さない。
まあ賈駆も自分が権力握るために物流ぐちゃぐちゃにしてるし・・・賈駆が自分がうまくやるために他の商人の足引っ張てるのと、程立が董卓の治世を貶めるために商人の足引っ張てるのを一緒くたにしちゃいかんかもしれんけど
とはいえ多分ぎりぎりでコントロールしてるのかもしれない、死なない程度に・・・程立はともかく慮粛は飢えの苦しみ知ってるはずだし
205 :赤ペン [sage saga]:2020/03/17(火) 09:35:31.25 ID:kgiIPTtU0
ピクシブの人物紹介で>>一ヶ月に一度、超絶的に不幸な日があり、自分ではなく回りの住人を巻き込んで大騒動を起こす。なお、今までに死人は出ておらず、月には一切被害を与えてはいないらしい。  とあったものでw
ちなみにそれは【恋姫無双】と【萌将伝】の設定で【真・恋姫夢想】とアニメ版では無いっぽいですな
206 :青ペン [sage]:2020/03/17(火) 11:46:58.58 ID:YvwkCmtQo
>>202
あー、ね。
リライト/リトライ前に案としてもらったやつね
207 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2020/03/17(火) 21:21:20.47 ID:gHMLdQLZ0
>>204
>まあ賈駆も自分が権力握るために物流ぐちゃぐちゃにしてるし・・・賈駆が自分がうまくやるために他の商人の足引っ張てるのと、程立が董卓の治世を貶めるために商人の足引っ張てるのを一緒くたにしちゃいかんかもしれんけど
>とはいえ多分ぎりぎりでコントロールしてるのかもしれない、死なない程度に・・・程立はともかく慮粛は飢えの苦しみ知ってるはずだし
コメントしづれえw
何言ってもネタバレになりそうなので脱兎です

>>205
>ピクシブの人物紹介で>>一ヶ月に一度、超絶的に不幸な日があり、自分ではなく回りの住人を巻き込んで大騒動を起こす。
あ、それ見たことありますわ
当時不憫枠なのかネタ枠なのか混乱した覚えがありますねw

>>206
それっす
今回話の尺が合ってないのですが、すげーの考える人いるなーと思ったものです

文才が欲しい!
208 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2020/03/17(火) 21:42:53.80 ID:gHMLdQLZ0
「うわ、すごいね、すごいよ!ご主人様!すごい人!それになにあれ!すっごい建物!」

「おいおい、桃香、あんまりはしゃぐなよ」

窘めつつも北郷一刀も驚くほどの人の集まり。それにちり、と郷愁にかられる。ごく僅かに、だが。
それを意思の力でねじ伏せ、周囲を見るとあちこちで工事が進んでいる。その忙しげな槌音にどこか安心するものを感じる。

「ほらほら、そこ邪魔やで、邪魔してんでー。ちょーっと脇にどいてくれへんかなー」
「あ、その!ごめんなさい!」

何やら図面を手にした少女が喧しくあっちへいけ、こっちは邪魔だと指示をしてくる。
本来であればびしり、と動くはずである配下の兵の動きも鈍く、人知れず赤面する。
関羽、張飛の調練により子飼いの兵は精鋭たりえるのであるが、今率いるのはそのような精兵だけではない。

――義勇軍、である。
無論劉備一行自体もそれに当たる。言ってしまえば、勝ち馬に乗り、あわよくば恩賞を得ようとする半ば愚連隊が多いのが特徴か。
だが袁家とてそ、れらを無下にできぬ、できぬのだ。
世に大義を謳う以上はそういった存在を無下にはできぬ。むしろその、義勇軍の存在こそ世に正当性を主張する一助にもなるのだから。

――もっと言えば、追い返せば野盗になるであろうそういう存在を飼殺すくらいの財力はある、ということでもある。

そこまで読み切っているのは劉家軍――道々そういった義勇軍を吸収して今や五千弱の大軍である――の中でも諸葛亮と鳳統くらいであろうが。

「うし、こっからだ。こっから始まるんだ」

なんにせよ、北郷一刀は気合十分である。ここから劉備という英傑の栄光は始まるのだ。
関羽に張飛。それに伏竜、鳳雛。
そしてその価値を知る自分がいるのだ。

飛躍を内心誓って歩を進める。そしてかけがえのないパートナーに声をかける。

「行こうか、桃香。少し遅くなっちゃったな。
 そして見極めよう。反董卓連合がいかなるものかを、さ」
「うん、ご主人様!行こう!」

義勇軍とは言え、無視できないほどにその兵は多く、将は英傑。
であるから袁家からは会議への出席を許されていたのだ。
ただし参加の人員は二名のみ。諸侯と同じ条件であるから、破格と言っていいであろう。

諸葛亮は自分か鳳統を伴うように主張していたが、自分と劉備が足を運ぶことを決める。

だって、二人は一心同体。まさに、雌雄一対の剣であるのだから。
209 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2020/03/17(火) 21:48:23.04 ID:gHMLdQLZ0
◆◆◆

「ほな、道の整備を最優先ってことでええのん?」
「ああ。補給物資が遅滞したらそれだけで瓦解する。街道の整備により兵站の負担をちょっとでも軽くする。
 街道整備の見込みと進捗は張紘と共有化するように。あいつなら、それに合わせて計画を修正するだろうしね」
「はいな、了解や。まあ、確かにおまんまがなかったら人夫も動かんわ」

にこ、と無防備に笑う真桜はううん、と一つ伸びをする。

「あんまり根つめるなよ?倒れたら元も子もないんだからな」
「大丈夫やでー。二徹や三徹かて普通やからな。むしろいつもよりお休み頂いてるくらいやよ。
 まあ、でも二郎はんが心配してくれてるからお言葉に甘えてもええかなあ」

にひひ、と笑いながらすりすりと身を摺り寄せてくる。うん、役得役得。
いやあ、おにゃのこの身体ってどうしてこんなに柔らかくて、あったかくて、素敵なんだろうね。
などと思いながら真桜の身体の柔らかさを堪能する。本当に役得様々、というやつである。

「いや、でもほんま今回はどうなることかと思っとったけどなあ。五斗米道の衛生兵ってやつ?
 あらすごいわ。どうしたってうちらの作業中は事故が起こるからなあ。
それがどうや、軽傷やったら気の力?って奴であっちゅうまに完治や。
 正直うちみたいな技術屋からしたら解せんねんけどな。まあ、気のどうたらこうたらはよう分からんわ。凪がおらへんかったら今でも胡散臭いと思ってたやろうな。
 せやからな、あの衛生兵、引っこ抜いてえや」

つんつんと俺をつついての真桜のおねだりである。
まあ、いつの世も……現代だって労災というか、事故っていうのは発生するものだしなあ。
そっからの復帰が早いとなれば工兵の士気も高まるってものか。いや、工兵に限らんだろうけど。

「一応、技術指導の打診はしているし、色よい返事も貰ってる。流石に華佗とかみたいな達人は無理にしても、治療の技術はある程度譲渡してくれるだろうさ」
「ほんま?いやあ、持つべきものは頼れる上司やわあ。ほんま、惚れ直したで!」

おどけてすり寄ってくるが、その瞳には真剣な光が宿っていたのを見逃さない。僅かに潤んでいる瞳を喜色で隠そうとする。
きっと、色んな現場で起こった事故を目の当たりにしてきたのだろう。
些細なミスで起こる事故。かつては何があっても自分の身一つであったのに、今となっては真桜のミスは即ち部下にその被害が及ぶのだ。
いっそ自分が傷ついた方が気も楽なくらいだろう。わかりみ。

「幸い張魯殿と華佗なんていう超一流の達人が来てくれているんだ。関係だって悪くない。だからまあ、大船に乗った気で任せろって」
「うん。二郎はんに任せたわ。よろしゅうたのんます」

いつになくしおらしい真桜をぎゅ、と抱きしめてやると、きゅ、と応じてくる。

「二郎はん……」

潤んだ瞳で俺を見上げて、そ、と目を閉じる。
そして、唇を重ねようとしたとき。

「やほー、二郎様ー!たんぽぽだよー!」

これは気まずい。実に気まずい。
ぎぎぎ、と軋んだ音をたてながら声の主に視線をやると、あちゃーという顔をした蒲公英と、ギロリとこちらを睨む翠がいました。

解せぬ。

わたわた、と慌てて真桜は場を辞し、取り残された俺の気まずさといったら、もうね。やめて!俺のライフはもうゼロなのよ!である。
210 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2020/03/17(火) 21:49:29.04 ID:gHMLdQLZ0
だが、沈黙しててもしょうがないのでこの状況を変えようと口を開く。

「このたびは、馬騰さんは真(まこと)に残念なことに……」

言い募ろうとした俺に蒲公英が言葉をかぶせる。

「袁家家中においても同様。お悔やみ申し上げます。
 かの匈奴戦役よりの宿将、雷薄どのをはじめ有望な人材を喪ったというのは――」
「いや、ご当主を亡くされた馬家に比べれば。こちらこそお悔やみ申し上げる。
 本当に偉大な方だった。英傑、というのは馬騰さんのことを言うのだろうさ」

暫し、しんみりとした空気が流れる。うん、さっきまでのいたたまれない空気よりははるかにましだ。
いや、馬騰さんを悼んでいるのは本当だ。
本当に、益荒男というのは、武人というのは、馬騰さんのことなのであろう。そんな人だった。

「――にしても遠路はるばる感謝するよ。実際、馬家単独で函谷関に挑むかと思っていたからな」

実際、危惧していたのだ。馬家はその怒りのままに函谷関に押し寄せるのではないかと。
それに、袁家の呼びかけに易々と応じるかという懸念もあった。ある意味袁家の下風に立つに近しいからな。

「は、戦場が虎牢関と水関ならば、あの張遼と対する機会を失うかもしれないじゃないか。
 董家軍を討つのはいい。だが、張遼だけは私に討たせろ。父上の仇を、そのために私はここにいるんだ!」

その瞳には暗い炎が宿っており、思わず一歩後ずさってしまいそうになる。
はい、全力の翠の前ではクソ雑魚ナメクジだからね。仕方ないね。

「神速の張遼。いいだろう。そこについては馬家軍に任せるさ」
「ならばいい。陣構えとか、そんなのはどうでもいい。張遼を討つためならば馬家軍は最後の一兵まで火の玉となって燃え尽きることも厭わん!」

それだけ言って翠は踵を返す。
なーんかなあ。もっと明るく笑う女の子だったのになあ。などと思っていたら蒲公英が俺の耳元で囁く。こしょこしょと。

「ごめんね、二郎様。でも、お姉さまの手綱はたんぽぽに任せてね?
 今のお姉さまと遣り合えるとしたらそれこそ中華に三人といないと思うけど、なんか危ういんだよねー。
 それはそれとして、お姉さまが言った通り馬家は反董卓連合の主導権について袁家と争うつもりはないよ。
 だからまあ、色々大目に見てね?」

「こら、蒲公英!行くぞ!」

はーいと応えながら蒲公英は踵を返す。一度振り返り、にこやかに手を振ってくる。

反董卓連合。
漢朝でも有数の雄たる馬家が、主導権をあっさりと譲ってくれたことに俺は安堵する。
ここでごねられるとちょっとばかし面倒だったからな。

これでひとまず稟ちゃんさんに大きな顔ができそうだ。

いよいよ、反董卓連合の第一回の会議が開かれるのだ。
ああ、メイン軍師の不在が痛い!

風!カムバーック!
211 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2020/03/17(火) 21:52:19.31 ID:gHMLdQLZ0
本日ここまですー感想とかくだしあー

題名案

思惑

もらったの
紀霊、李曼成と親しく語らい、錦馬超、馬伯瞻を伴い連合に合流す。

ご参考ください。
特に一ノ瀬の題名のアレっぷりに!
212 :青ペン [sage]:2020/03/18(水) 09:11:08.78 ID:WHRFvlD2o
>>211
おーつー

反董卓連合〜怨霊の牙〜
213 :赤ペン [sage saga]:2020/03/18(水) 12:41:41.25 ID:9h447P+j0
乙でしたー
>>208
>>だが袁家とてそ、れらを無下にできぬ、できぬのだ。  これはケアレスミス
○だが袁家とて、それらを無下にできぬ、できぬのだ。  ですね
>>ただし参加の人員は二名のみ。諸侯と同じ条件であるから、破格と言っていいであろう。  【ただし】だと条件の付け方が厳しめな印象を受けますね
○それも参加の人員は二名まで。諸侯と同じ条件であるから、破格と言っていいであろう。  もしくは【ただし参加の人員は二名のみ。とはいえ諸侯と同じ〜 でどうでしょう】
>>209
>>にひひ、と笑いながらすりすりと身を摺り寄せてくる。 【すりすりと】とあるってことはこれはにじり寄ってくるのじゃなくて体をこすりつける…マーキングっぽいものかな?
○にひひ、と笑いながらじりじりと身をすり寄せてくる。 一応≪距離を詰めてくる≫感じならこれで
○にひひ、と笑いながら猫のようにじゃれついてくる。  頭を擦り付けたり腕を絡ませたり太ももの上に乗ったりならこんな感じ?【体を擦り付けてくる。】とかもありかな?
>>正直うちみたいな技術屋からしたら解せんねんけどな。 喋り言葉としては有りでしょうけど一応
○正直うちみたいな技術屋からしたら解せねんけどな。  【解せん≒解せない】で否定が入って【ねん≒無い】でもう一回なので≪解せなくもない≫になって肯定になるので、もしくは【解せんのやけどな。】とかどうでしょう
>>わたわた、と慌てて真桜は場を辞し、 実際に擬音っぽい感じ≪ガチャガチャ、とノブを回す≫とか≪スパスパ、と紙を切る≫ではなく≪サクサクと話が進む≫とか【ちらちらと見え隠れする】のような副詞なので
○慌てた真桜はあたふたと場を辞し、  の方がいいと思います、もしくは【そそくさと】とかどうでしょう
>>210
>>だが、張遼だけは私に討たせろ。父上の仇を、そのために私はここにいるんだ!」  文章としては【、】と【。】が逆の方がよさそう
○だが、張遼だけは私に討たせろ、父上の仇を。そのために私はここにいるんだ!」  倒置法で【父上の敵を討たせろ】になるので【、】の方が自然かな

地位で見ると馬騰の部下っぽいものなあ…董卓。どこの誰に殺されるだけならまだしも自分の部下に、となると名に傷がつくどころじゃ無い(反逆させるほどの人望で、反逆される程の腕前ってこと)…そりゃあ全力で汚名返上しますわ
そういや五斗米道的に気の扱いってある程度系統立ってるのね…特殊な才能は必要なんだろうけど
214 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2020/03/19(木) 05:54:59.16 ID:HfDTa1O10
>>212
どもです。
反董卓連合、はどっかで使いたいですね

>>213
赤ペン先生いつもありがとうございますー!

>地位で見ると馬騰の部下っぽいものなあ…董卓。
少なくとも派閥の構成員ではありますものねえ

>)…そりゃあ全力で汚名返上しますわ
翠ちゃんはそこまで考えてないような気もしますが、結果オーライ……っ!なのかな

>そういや五斗米道的に気の扱いってある程度系統立ってるのね…特殊な才能は必要なんだろうけど
凡将伝ではそういうことになっております
特殊技術みたいな。
215 :俯瞰者 ◆e/6HR7WSTU [sage saga]:2020/03/21(土) 13:39:08.61 ID:mWvmytl60
彼岸でしたので、極楽浄土と天界でそれぞれの道を歩んでいるであろう兄姉達に弟か妹が出来た事を報告し、お父さんとしてそっちに連れて行かないよう厳命しました。
で、乙です。

二郎さんや、だからね嫁はちゃんと一人にしなさいとあれほど忠告しているのに。
具体的には幼馴染とかさ(押せ押せ)
来たな。天のパシリ。とりあえず、0.02ミリくらいの厚さしかない発言を皆でフルボッコしてやって。

>赤楽さんが張紘くんを見るとこうなるのかなって感じで腑に落ちた感すらあります
赤楽(徐庶)さんはもうすこし深く見て、張紘さんの立場と策を練った人物の意図も理解して、それでも抑えらない部分だけ理路整然と張紘さんを傷つけないように指摘するでしょうね。
つうか張紘、いつになったら「これ、俺の嫁」って義兄弟二人に紹介すんの?何度も言うけど絶対捨てるな、絶対逃がすな、絶対愛想つかされるな。
対外的な既成事実を作りなさいよ。

二郎さん、真桜さんのほてり(意味深)は後でちゃんと静めてあげてねっとwww
216 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2020/03/23(月) 21:26:02.01 ID:HiHelYOB0
>>215
どもです。
諸外国のコロナの影響に戦慄しております。
やべえよ……。

>二郎さんや、だからね嫁はちゃんと一人にしなさいとあれほど忠告しているのに。
タグに、ハーレムって入れちゃったので……っ

>具体的には幼馴染とかさ(押せ押せ)
俯瞰者さんの推しについては、当初案では退場予定でしたので、えらく違いが出たなあとかなんとか

>来たな。天のパシリ。とりあえず、0.02ミリくらいの厚さしかない発言を皆でフルボッコしてやって。


>つうか張紘、いつになったら「これ、俺の嫁」って義兄弟二人に紹介すんの?
嫁さんの方が拒絶しているのを押し通す日が来るのか
さて

>何度も言うけど絶対捨てるな、絶対逃がすな、絶対愛想つかされるな。
どれもないかと思います。比翼連理とはこのこと。

>二郎さん、真桜さんのほてり(意味深)は後でちゃんと静めてあげてねっとw
ちょw
217 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2020/03/24(火) 21:45:35.10 ID:xaOINL0f0
「ふむ、水関には張遼、呂布、陳宮が詰める、か。さっすが張家。きっちり調べてきたな」

手元の書類を火にかけて処分し、暫し思索にふける。詠ちゃんが水関にいないということはまだ月の身柄を押さえていないということか。
ならばさっさと攻勢をかけるべきかもしれないな、とぼんやり思う俺に声がかけられる。

「あの、二郎様。お食事、お口に合いませんでしたか?」

不安げに流琉が問うてくる。そんなわけないじゃん。

「いや、ちょっと考え事してただけさ。美味しいよ」

ほっとしたように流琉が笑う。流琉謹製のご飯がまずいわけがないのである。
――本来は戦場に於いては兵たちと同じ物を食べるのだが、今回はそうもいかない。
なんとなれば諸侯軍が集結しており、毒を盛られることも大いにあり得る。
なので袁家幹部は信頼できる料理人――流琉や凪も含む――により特別に誂えられた料理を、これも厳選された人物が配膳することになっていた。
これは七乃が強硬に主張していたことであり、袁家においては当然のごとく容れられている。
まあ、ちゃっかりとその食事を要求してきた華琳も流石と言えば流石ではある。なにせ今回の乱はそもそも宦官の動きがあったからな。
自分はそことは無関係というのを一緒の食事を摂ることで示しているのであろう。いや、勘ぐり過ぎかもしらんがね。
まあ、華琳のことだ。美味い飯が食いたいだけってのもあるだろう。あの子相手にするときは考えすぎたら負けである。多分。

「まあ、流琉のことも頼りにしてるよ。ほんとに」

流琉は美羽様の護衛を主任務として動いてもらっている。単体の武力で言えば袁家内部でも五本の指に軽く入るのだから当然だ。
それを感じているのか、真剣なまなざしで応えてくれる。いや、流琉はいつも真面目なんだけどね。

「はい、一生懸命、頑張ります!
 ――雷薄さんには、とってもお世話になりましたから!
 本当に、お世話になってたんです!
 ……本当に、色々と気にかけてもらってたんです」

そ、と目を伏せる流琉のまだ小さな身体をすっぽりと抱え込む。

「え?じ、二郎様?」

ぎゅう、と抱きしめてから膝の上にだっこしてやる。

「そうだな、頑張ろうな。俺だって雷薄には色々世話になった」

がしがしと流琉の頭を乱暴に撫で繰り回す。
ああ、あいつは本当に世話焼きだった。本当に助けられた。
実際、あの偉丈夫の後押しがあったからこそ、若僧の俺が紀家軍を上手く運営できたというのは確定的に明らかなことである。

「目にもの見せてやろうな。見せてやるとも。
 だからさ、頼りにしてるからさ。あんまり気張るなよ?いざって時に備えて、な?」

「は、はい……」

そんなふうに流琉を愛でていた俺の耳に、たん、たん、と。元気のいい、踊るような足音が聞こえる。そして。

「じろー!ひっさしぶりー!」

どーんといった風に突撃してきたのはシャオだった。

「あ、流琉もいたんだ、久しぶりだねー」

そんなことを言いながらよっこらせとばかりに俺の膝に昇る。
流琉と仲よく分け合う形である。
なにこの両手に幼女状態。

◆◆◆
218 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2020/03/24(火) 21:46:29.91 ID:xaOINL0f0

女三人集まればなんとやら。
いや、幼女二人でも十分に賑やかである。その震源地が俺の膝の上であるからして、こう、なんだ。元気だねえとしか。

「ねえ、二郎。最近ご無沙汰でしょー?こう、身体が火照って、夜鳴きするのよねー」

不意にそんな言葉を投げかけてくるのだが……。
ちょっと待ってみようか。

「誰に仕込まれたそんな台詞。十年早いぞ」

「えー、祭に聞いたらこう言って迫ったら、よほどの甲斐性なしじゃなければ可愛がってくれるって言ってたよー。
 二郎は甲斐性なしじゃないからシャオを可愛がってくれるよね?」

「あのなあ……」

なに教えてんだあの熟女。つうかそんなノリなのか孫家ってば。
思わず天を仰ぐ俺を流琉が心配そうに見つめる。うん、お前は汚れずにいてくれ。
内心滂沱している俺はだから、更に接近する存在に気付かなかった。

「二郎、久しぶりね!
 ……ってシャオ!何してるの!二郎、貴方も!って。
ええと、二郎貴方疲れてるの?」

なんだこのカオス。
両手に幼女の俺を糾弾しつつ気遣うのは蓮華。そしてその後ろに控えるのはあくまでにこやかな笑顔の穏である。
……ぼすけてー。

しかし現実は非情、助けが入るわけもない。

「じゃあ、二郎、美羽のとこいくね!流琉もいこ?」

「え?え?」

どうしましょうと見上げる流琉に軽く頷く。
行っておいで、と。

たたた、と去る幼女二人を見送り、残された俺はどうしたらええっちゅうねん。
いや、シャオはあれで空気読んで出てったんだろうけどね。それともここまで全部ブック通りだったらすごい。フフ、怖い。

「……シャオが迷惑かけたかしら?」

気遣うような蓮華。その優しさがちょっと心に痛い!でもその好意に甘えちゃう!

「や、流琉も気を張ってたからな。ああして気分転換できるのはありがたいやね」

「あら、気分転換しないといけないのは二郎、貴方じゃなくって?
 いつもの余裕が感じられないわよ?」

いや、別にいつだって余裕綽々というつもりはないんだが……。

「そうかな?ま、とりあえずは参軍に感謝するよ、蓮華」

「ええ、他ならぬ二郎の呼びかけですもの。お呼びとあらば、即参上するわよ?」

いたずらっぽく笑う蓮華である。うはは。
そりゃあ、実にありがたいこって。

「にしても、まさかシャオまで連れてくるとは思ってなかったよ」

敵には神速の張遼、万夫不当の恋、そして神算鬼謀の詠がいるのだ。何があってもおかしくはない。

「あら、私は分のいい賭けは大好きよ?二郎はどうかしら?」

「賭け事をするならば胴元に限る」

くすくす、と蓮華が笑う。穏の笑みが深くなった気がする。

「そんな二郎だもの。大きく張るわよ。全力買いよ?
 そりゃあ、私とシャオが儚くなってしまったならば孫家は潰えてしまうわ。
 でもね、シャオは単に孫家の覚悟を表すだけじゃないのよ?」

純粋に戦力として動員しているのだと蓮華は笑う。

「正直、戦場に於いて既に私はシャオに及ばないわ。悔しいけどね。
 母様や、姉さまみたいにね。
重ねて言いましょう。戦場での煌きにおいてシャオは既に私を凌ぐわ。
 嘘だと思うなら前線に出してみたらいいわ。あの子、末恐ろしいわよ?」
219 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2020/03/24(火) 21:47:15.36 ID:xaOINL0f0
マジか。
如南でのアレはてっきり穏あたりのフォローがあってこそと思ってたんだが。
まあ、用兵なんてのは生まれ持ってのセンスによるところが大きいからなあ。

――世に名高い「孫氏の兵法」その英訳題は「The Art of War」である。
つまり、戦争とは芸術、なのである。それはきっと凡人の理解が及ぶところではないのだろう。
つまり俺には分からないということである。

だから俺は。凡人たる俺は風に、星に、稟ちゃんさんに下駄を預けるのだ。
それが勝つためには最善だと思うから。俺が見込んだ芸術家に全幅の信頼を寄せることしかできないから。

そして目の前には戦争芸術家一族の当主が微笑んでいる。フフ、本当に怖い。

「だからね、二郎」

にこやかに蓮華が微笑む。今後ともよろしくと。
だったら俺にできるのは馬鹿みたいに首を縦に振ることしかない。

「そうですよ、二郎様」

穏がにこにこと蕩ける笑顔で迫ってくる。
自分たちは姉を、師をも切り捨てて俺に賭けたのだと。

「孫家は袁家と一心同体。それは、わきまえてくださいね?」

無論。

「ああ、無駄に孫家とことを構えるほど阿呆じゃないさ」

「そこまでは言ってませんよ?それに、そんなに他人行儀だと、哀しくなっちゃいますー」

いやんいやんと身を振るうそのしぐさにも目が釘付けになってしまう。主に胸部装甲あたりに。シェイクシェイク。ぶるんぶるん。

「……色々、変わってないわねえ……」

そんな蓮華の呟きは聞こえないふりをするに限る。うむ。
うむ。ありがたや、ありがたや豊穣の象徴よ……。

そして彼女らの隙をついてこの場から立ち去ろうと決意する俺であった。
いや、やろうと思えばやることいっぱいあるしね!

◆◆◆
220 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2020/03/24(火) 21:47:46.10 ID:xaOINL0f0
「……ふう」

風が吹く。乾いた風が吹いている。黄色い大地を風が吹いている。

振り返ると、大軍。反董卓連合だ。そして眼前には水関。文字通り難関である。
いや、前も後ろもピリピリしてるね。当たり前だけんども。

しかし目にすると、あれだ。ため息が漏れるね。
ここからガチで恋とか張遼とか……詠ちゃんとかと命のやりとりをするんだから。
これまでの、野盗の類とか黄巾とかを相手していたのとは訳が違う。

そんな俺のおセンチな感傷をぶちこわしにする声が響く。

「七乃〜、喉がかわいたのじゃ〜。蜂蜜水を持ってたもれ〜」

「えー今日はもう駄目ですよー。おしっこもらしても知りませんよー?」

「うう、七乃はこっちに来てから意地悪なのじゃー」

がくり、と崩れ落ちそうになりながら、それでも口に笑みが浮かぶのを押さえられない。

「ってなんで美羽様がここにいるんですか!危ないでしょう!
 きちんと陣にいてくださいな」

「退屈なのじゃー。いい加減、飽きたのじゃ。のう、シャオ、流琉?」

「そうだよー、とりあえず一当てしようよー」

「わ、駄目ですよ。お二人とも、二郎様を困らせては……」

きゃいきゃいと騒ぐ幼女三人に腰が砕けてしまう。
まあ、何があっても美羽様はお守りするけどね。

いや、いい感じで力が抜けた。
改めて水関を見る。
でかい。

「うん、無理だな」

俺ごときが見てもそんな、攻略案が出るわけもないよね。
まあ、なんとかするさ、なんとかしてくれるさ。

いや、メイン軍師が横にいないのがものっそい不安だけどな!

「さ、陣に戻りましょう。次に来るときは――」

きっと激戦になるだろう。血で血を洗うんだろう。それでも俺は、俺たちは止まれない。
もはや賽は投げられたのだ。

反董卓連合か、なんとも心が沈む響きだね、と苦笑しながらそれでも俺は止まらない。
なんとなれば、賽は投げられたのだ。

踵を返し、陣に向かう。

待ち受ける、参戦した諸侯を集めての会議に思いを馳せる。
まあ、なんとかなるさと苦笑しながら歩いているとぴとり、と貼りついてきたのが。

「二郎?あまり難しい顔をするでない。笑う門には福来る、なのじゃ」

気遣わしげに見上げる美羽様である。
あまりに可愛らしいので、えいやと持ち上げて肩車してやる。

「わ、高い。高いのじゃ……」

「あー、美羽、ずるーい、二郎!シャオもー!ってほら、流琉もおいで!」

シャオと流琉をそれぞれ両脇に抱えて。
なんだかその感触が懐かしく、笑ってしまう。

「ああ、美羽様可愛いなあ。あんなに無邪気にはしゃいじゃって……。ああ、美羽様のあの表情が見れたのはいいけど肩車している二郎さんが妬ましいぞーこのこのー」

幼女に囲まれ、七乃にこづかれ、なんだかもう抱いていた煩悶はどこへやら、である。

いやまあ、一人じゃないって、素敵なことよね。

よし、と気を取り直した俺でございました。
221 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2020/03/24(火) 21:49:45.69 ID:xaOINL0f0
本日ここまですー感想とかくだしあー

題名募集しまくりんぐですよ本当に!

一ノ瀬案
「凡人と水関」

まあ、今回はこれで決まりでしょ。
1話と繋がりますしね(慢心)

頑張るぞいっと。
222 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/03/25(水) 02:17:02.83 ID:0UMsQdYTO
乙っしたー

凡人策を浮かばず、作者題名を浮かばず

1話に戻って8回ループするのですねww

タイトル案
凡人、悩みを幼女にて解決する
戦場の三美姫
嵐の前の幼女
223 :青ペン [sage]:2020/03/25(水) 05:03:36.49 ID:aO4/jWXwo
>>221
おっつおつー

見下ろすは水関、蠢くは連合軍
224 :赤ペン [sage saga]:2020/03/28(土) 13:03:24.58 ID:hTUhQ/+i0
乙でしたー
>>218
>>内心滂沱している俺はだから、更に接近する存在に気付かなかった。  ちょっと違和感が
○内心滂沱している俺は、だから更に接近する存在に気付かなかった。  ≪裸≫と空目したことは関係ない
>>219
>>「孫家は袁家と一心同体。それは、わきまえてくださいね?」  【わきまえて】だと上から目線な感じがしますね二郎ちゃんが自分から言うならともかく
○「孫家は袁家と一心同体。それは、忘れないでくださいね?」  もしくは【覚えていてくださいね?】自覚を促す感じならこれ?【弁えていますからね?】自分たちは裏切らないよ、と釘を刺す感じならこうもありかな?
>>220
>>もはや賽は投げられたのだ。          この後でもう一回言ってるのが冗長くさいので言いかえを
○もはや止まることは、後戻りはできないのだ。 でどうでしょう

公園の花見が規制されるだって!?前日に花見しなきゃ…とか言ってるのをテレビで見てどういう顔をすればいいかわからなかったよ
コロナのせいで私の中で中国へヘイトが向いてます…これは凡将伝に対しても理不尽な難癖がつくフラグですよ

さて、胴元大好き二郎ちゃんと分の悪い賭けは嫌いな蓮華ちゃん。一皮剥けて好相性になったな
ところで流琉ちゃんはすでに男を知っているんだから体が火照って夜泣きするのなんざ十分理解してるのでは?(迷推理
華琳はいろいろと考えて一つの行動にいくつも意味を持たせてそうだけど多分そのうちの一つは二郎ちゃんの好感度稼ぎな気がする…多分まだ部下にするの諦めてないよ
225 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2020/03/30(月) 21:24:39.43 ID:vHsx831u0
>>222
どもです。

>」凡人策を浮かばず、作者題名を浮かばず
はっはは!喧嘩売ってんのかてめえ!
となる案件なので、秀逸な奴をオナシャス。頼んだよ。

って思ったらええ感じの奴を頂いてたー!
幼女だー

>>223

>見下ろすは水関、蠢くは連合軍
水、見上げてるんだよなあ……
いや、分かってるんでうよ

>>224
赤ペン先生いつもありがとうございますー!
赤ペン先生いつもありがとうございますー!
大事なことなので二回言った。

>公園の花見が規制されるだって!?前日に花見しなきゃ…とか言ってるのをテレビで見てどういう顔をすればいいかわからなかったよ
割と数日で事象が動いておりますね

>コロナのせいで私の中で中国へヘイトが向いてます…これは凡将伝に対しても理不尽な難癖がつくフラグですよ
やっべとうとう凡将伝も国際化かあ
恩恵とかあるんじゃろか

>さて、胴元大好き二郎ちゃんと分の悪い賭けは嫌いな蓮華ちゃん。一皮剥けて好相性になったな
これ、一方的に二郎ちゃんが胴元発想っす

>ところで流琉ちゃんはすでに男を知っているんだから体が火照って夜泣きするのなんざ十分理解してるのでは?(迷推理
<(_ _)>

華琳ちゃんはね、本当に恋愛弱者じゃ^
226 :青ペン [sage]:2020/03/30(月) 23:37:28.91 ID:egiJg4OCo
>>225
山の上から布陣を見下ろしてるように
脳内変換してくんろぃ
227 :赤ペン [sage saga]:2020/04/01(水) 10:13:53.86 ID:C+QfAVzW0
(連合軍を)見下ろすは水関、(水関を突破するべく)蠢くは連合軍  って意味かと思ってたもしくは
(戦場を)見下ろすは水関、(戦場に)蠢くは連合軍  とか
228 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2020/04/06(月) 21:36:17.20 ID:TCMDsT8z0
じろり、と俺は会議室に集った面子を見やる。
空席はもう上座の数席のみ。まあ、ぶっちゃけ麗羽様と猪々子、斗詩なんだがね。
美羽様は七乃の膝の上でうとうとと、おねむなご様子してるがまあ、七乃がいりゃあ問題はないね。十分以上だね。
曹家からは華琳と荀ケ(ネコミミ)。華琳は悠然と瞑目し、ネコミミは何かぶつぶつ呟きながらも油断なく周囲を窺っている。その挙動は実に小動物であり、可愛さしかないね。
馬家からは翠と蒲公英(たんぽぽ)。翠も瞑目し、微動だにしない。蒲公英は……目が合うと手を振ってくる。ウインクは余計だと思います。だって応えちゃうもの。
苦笑して視線を移すと白蓮と……ありゃ韓浩か。久しぶりすぎるな。相変わらず表情筋仕事してねえなあ。あれで愉快な言動なの、白蓮は分かってるのかなあ。いあ、目配せ一つ。多分あれは通じてますわ。

そしてにこりと、蓮華と穏が笑いかけてくれる。うん、にへらと笑顔で返そう。返すしかないよ。
ちなみに劉焉殿の配下の厳顔については列席を許していない。劉璋ちゃんが人質だから観戦武官でよろしくとか言われても困るっつうの。
そっからこっちの情報を手札に何をするか分かったもんじゃないしね。

コホン、と咳払い一つ。横の稟ちゃんさんが鋭い目を向けてくる。いいじゃんかよこれくらいー、と思いながらもきりりと表情を引き締める。
まあ、傍目には変わらんだろうけどね。

目の端で末席の劉備と北郷一刀を見やる。あちこちきょろきょろしたり、キャッキャウフフと……って孔明がおらんのかいな。
いや、その方が都合がいいんだけどいいのかそれで。と思うが、二人までの出席となるとこの場に孔明は出せないな。
だって諸侯が連なるこの場でどちらが欠席するのも容認できんだろう。いびつな二頭体制だからなあ。
まあ、どうでもいいけどね。

と、扉が開き、そこから光輝が溢れる。
斗詩と猪々子を従えて麗羽様がいよいよいらっしゃったのだ。ステンバーイ、ステンバーイ。
豪奢だったその髪は短く揃えられたままだが、その高貴さを損なうことは全くない。
悠然と歩を進め、上座に位置し、口を開かれる。

「皆さん。この、わたくしの呼びかけに応じてくださって感謝しておりますわ」

満足気に笑い、麗羽様は言葉を続ける。

「今更自己紹介も必要ありませんわね。では、二郎さん、お任せいたしますわ」

はい、任されましたとも。

「議事進行する紀霊だ。議事録はここな郭嘉が記録し、結果をお知らせするとも」

稟ちゃんさんがぺこり、と僅かに頭を下げる。ちょっとその仕草が可愛いなあと思ったのは多分華琳あたりには見透かされてるだろうなあ。
まあ、日ごろからねえちゃんだの田豊師匠だのに圧迫面接24時だった俺が諸侯どもの視線にびびるわけもなく、ごく自然に話を進める。

「では最初の議題だ。
 反董卓連合。その総大将について、だが。
存念がある方は発言してほしい」

まあ、様式美ではあるが必要な手続きでもある。
揃った諸侯もやはりか、とばかりに表情を改める。そして互いに様子を窺う。
そりゃまあ、ここですんなりと麗羽様が総大将になったら袁家総取りってのが見えるもんな。
消極的ではあるが袁家の足を引っ張りたいというのが透けて見える。
この期に及んで、だが。

ニヤリ、と口が歪むのを自覚して俺は口を開こうとする。
そこに涼やかな声が響く。

「いいかしら?」
229 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2020/04/06(月) 21:36:43.59 ID:TCMDsT8z0
◆◆◆

反董卓連合。この集まった大軍の総大将が誰かという議題。
曹操は苦笑する。そしてなるほどと納得もする。あくまで袁家は諸侯の合意のもとに洛陽に寄せるのかと。
それならば今上帝に叛するも、袁紹を推したという一事で諸侯は袁紹を認めざるを得ない。
なかなかに考えているではないか。
だが、袁家の独走を望む者なぞいないのだ。それを分かっていながらどうするつもりやら。

内心冷笑すらしながら曹操は傍観を決め込む。この状況で自ら総大将を名乗るか?そんな無様を晒すなら興醒めである。
お手並み拝見とばかりににんまりと笑い、深く座する。
そんな曹操の思惑を破ったのはしっとりとした、それでいて活力に満ちた声だ。

「いいかしら?」

目を向けると、褐色の肌の少女が艶然と微笑む。南国の太陽の輝きを宿したその熱量に流石の曹操が目を奪われる。
紀霊が発言を促すとその笑みを深く、輝かせて高らかに謳う。その言は場に響き渡る。

「我らは袁紹殿の檄文によって馳せ参じた。なれば袁紹殿が盟主となるのが必定と思う。
 家格としてもそれが妥当。格と言えば馬家を差し置いての発言、ご寛恕願いたい。
 馬超殿、如何(いかが)?」

やられた、と曹操は内心歯噛みする。いや。ぎり、という音が自らの内部から発せられたことに気づく。
出遅れた!
曹操はその内心が劫火に侵されるのを自覚する。

「馬家に異存はない。一切を袁家に任せるに異存はないとも」

うっそりと馬超は応える。黒い炎が立ち上るのを常の曹操ならば感じ取ったであろうが、今はそれどころではない。
とんだ道化になってしまう。腹心と打ち合わせる暇すらなく状況は動いていく。

「公孫も異存はないぞ。これまで私心なく袁家が北方の護り手としていたのは周知のことだろう。
 その一翼を私も担ってきた。袁家の差配ならば安心して全力を尽くせるというもの、さ」

いっそ穏やかな口調の公孫賛の言葉が決定的に、流れは袁家のものとなる。
そしてこの場での動きこそが肝要であると知っていたのに、と曹操は自身のうかつさを悔やむ。
既に勝ったも同然のこの戦。
なれば論功行賞は戦働きのみで決まりはしない。むしろこういう戦略的見地での働きこそ貴重と思うはずなのだ。
孫権の言は計算づく。そして馬超と公孫賛の言は何も考えていない本音。実力者であるからこその重みを弁えているものといないもの。
それらが絡み合って袁家を押し上げる。
ならば、と曹操は腹を括る。

「そうね、麗羽が総大将で問題はないでしょうとも。
 だって麗羽は太尉の地位にあるものね。漢朝の軍権を司るのだから、麗羽の号令で我ら諸侯は動く。何もおかしくはないわ」

ざわり、と無言のままに場の空気がどよめく。
それは単なる袁家への追従ではない。

元来、諸侯が蓄える武力、兵力に関しては認められていなかった。それが黄巾の乱が起こり、領内安堵の為に黙認されていたのである。
それは灰色の利権構造(グレーゾーン)から諸侯の既得権益となりつつあったのだ。
曹操の言はその、手にした武力の指揮権を返上したに等しい。
更には軍閥として兵を蓄える諸侯に対する掣肘ともなる。きっとこの場にその既得権益の代表たる厳顔がいれば大いに異を唱えたであろう。

だが、実際には異論は表立っては出ず。
袁紹の、反董卓連合の総大将たること。更にはその指揮権についてが認証されたのである。
230 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2020/04/06(月) 21:37:10.47 ID:TCMDsT8z0
◆◆◆

ふむ、と郭嘉は満足げに頷く。
これまでのやり取りで掴んだのだ。把握したのだ。
脅威たる勢力はどこかというのが理解できたのだ。つまり、この段階において戦後を睨んでいるのは曹家と孫家。
袁家が政権を担う漢朝。其れを支えるであろうは馬家と公孫。

さて、と思う間もなく仕える主君は盟主として承認を得る。
曹操が提示した、諸侯の兵力に対する支配については一先ず棚上げされることになるであろう。
まあ、それもこの戦に勝ってからのことではあるのだが。

「ちょっといいかな」

発言したのは末席の義勇軍を率いる男。不思議な言動で支持者も意外にいると聞く。
警戒しつつ、出鼻をくじくべく口を開く前に男は言葉を紡ぐ。

「袁紹さんが総指揮を摂るのはいい。でも、どうやって難攻不落の水関、そして虎牢関を落とそうと思ってるんだ?
 その腹案を伺いたい」

「はあ?そんなこと、このわたくしが考えることではありませんわね」

ざわり、と空気が動く。
それに気をよくしたのか北郷一刀は更に切り込む。

「精強なる董卓軍。それに頑強なる水関、虎牢関。いったい盟主殿はどのような絵図を描いているのかな?」

いっそ穏やかな問いかけに袁紹は艶然とした笑みを浮かべる。
そして袁紹の覇気、光輝は場を多い、席巻する。

「そんなの決まってるでしょう?
 華麗に。優雅に。雄々しく!」

名門袁家の勝利にはそれこそが相応しいと袁紹は高く笑う。

はあ?と声を発する者、無言で頷く者、どう判断していいか分からずに左右を見渡す者、ニヤリ、と口を歪ませる者、無関心で心の炎を燃やす者。
それらすべてを無表情に郭嘉は拾い上げる。いや、このように各人の心底を揺るがし、反応を引き出す主君に内心舌を巻く思いではある。
そして満面の笑みの青年の器についても評価を上方修正せねばいけないであろうと。

「おーっほっほ!
 二郎さん、些事はお任せしましたわ。
 いいですこと、みなさん。二郎さんの言はわたくしの言。二郎さんの決定はわたくしの決定。
 わきまえてくださいましね。さあ、行きますわよ、猪々子さん、斗詩さん」

悠然とその場を去る袁紹を留める者はいない。
ある者は格の違いに打ちひしがれ、ある者はここで争うのは得策ではないと思い定め、ある者はいずれボロが出るであろうと見極め、ある者はこれでこそ我が主君と意気軒昂。

そして、場を任された凡人はその重責に気を引き締める。
だが、その口元は僅かに緩んでいるのであった。
231 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2020/04/06(月) 21:40:22.58 ID:TCMDsT8z0
本日ここまですー感想とかくだしあー

題名案は、なんだろうなあ
「華麗に、優雅に、雄々しく」
もしくは
「覇王、出遅れる」
珍しいですからね

ぼすけてー
232 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/04/06(月) 22:35:38.04 ID:IUvfzDShO
乙っしたー

トップは方針決めるだけでいいのよ
その方針を実現するために配下がいるんだからね

タイトル案
大将の器(又は大将の度量)
凡人、君主の器に改めて感心する

うちのアホ社長に麗羽様の爪の垢煎じて飲ませたい
233 :俯瞰者 ◆e/6HR7WSTU [sage saga]:2020/04/06(月) 23:17:33.42 ID:tOBzwzn/0
前から素朴な疑問なのですが、爪の垢煎じた奴って効くのかしらん?
ならアホ社長の私も麗羽さんの爪の垢貰って煎じてみましょう。ひょっとしたら効くかもしれんしwww
いやうちは経営方針はちゃんと私が示して、それに沿って役員は動いていますよ。

やっぱこいつ発言がペラいなー、天のパシリ。おま働いたことねぇだろ(設定設定)

で、乙でした。
234 :青ペン [sage]:2020/04/07(火) 01:26:50.75 ID:PV5SkRtno
>>231
乙の乙乙。
上意下達と横槍と
かな
235 :赤ペン [sage saga]:2020/04/07(火) 14:53:31.53 ID:LglS3Dii0
乙でしたー
>>229
>>南国の太陽の輝きを宿したその熱量に流石の曹操が目を奪われる。 この書き方はもう一ノ瀬さんの癖みたいなものかな
○南国の太陽の輝きを宿したその熱量に流石の曹操も目を奪われる。 だったらあまり何回も指摘してもアレかしら
>>230
>>「袁紹さんが総指揮を摂るのはいい。 様を付けろよデコスケ野郎! 1領主の孫策が殿付けてたのにそれ以下のお前が何でさん付けしてんだこら
○「袁紹さんが総指揮を取るのはいい。≪執行≫なら【執る】なので細分化するならこれですね
>>そして袁紹の覇気、光輝は場を多い、席巻する。  多量で溢れてるよね
○そして袁紹の覇気、光輝は場を覆い、席巻する。  【覆いつくす】の意味ならこれですね
>>反応を引き出す主君に内心舌を巻く思いではある。  【内心】と【思い】が重複してますね
○反応を引き出す主君に内心舌を巻いた。       もしくは【主君に舌を巻く思いではある】ですかね

>>「華麗に、優雅に、雄々しく」  【華麗に】ってことは汚い事をしない≒降伏の受け入れやら途中の村への徴収()やらへの釘差しかな
【優雅に】ってことは食事や装備や寝床をしっかりさせる宣言かな
【雄々しく】は上だけじゃなく兵卒の士気を下げないことも重視してる、と
まあぶっちゃけここで袁紹様にあそこに囮を置いてここに伏兵させてとか言われても困るしね
それをなすだけの補給線がある以上この器の大きさは恐れるしかないわw>>ボロが出るであろうと見極め…(袁毛家臣団を見て)ウン、ソウダネ
236 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2020/04/07(火) 21:23:31.62 ID:YJpsidP70
>>232
どもです。

>トップは方針決めるだけでいいのよ。その方針を実現するために配下がいるんだからね
実際そうなのですよね。これは組織運営したことある人の金言や!

>うちのアホ社長に麗羽様の爪の垢煎じて飲ませたい
やだなあ、麗羽様に爪の垢なんてあるわけないじゃないですかー!

>>233
どもです。

>前から素朴な疑問なのですが、爪の垢煎じた奴って効くのかしらん?
漢方かな?別名じゃないっすかねw

>麗羽さんの爪の垢貰って
だから麗羽様に爪の垢なんて存在しません。ここ重要っす

>やっぱこいつ発言がペラいなー、天のパシリ。おま働いたことねぇだろ(設定設定)
そらそうよw
まあ、原作通りの描写で全然違う風景というのが凡将伝ですので

>>234
どもです。

>上意下達と横槍と
三次元の空間的題、ありがとうございます。これいいな。

>>235
赤ペン先生いつもありがとうございますー!
うへへ。

> この書き方はもう一ノ瀬さんの癖みたいなものかな
実は十二国記で見て痺れた表現なのですね。
小野主上がやるなら乗っかってやろうかというか、響きが好きなんです。
いえ、これまでの奴は不備として修正してますが、アリならこのままいきたい。
好きなんです、この表現。

> 【華麗に】ってことは汚い事をしない≒降伏の受け入れやら途中の村への徴収()やらへの釘差しかな
そんな細かいこと麗羽様が考えているわけない
配下が忖度するんですよ、まさに赤ペン先生みたいにね!
やったぜ
237 :赤ペン [sage saga]:2020/04/08(水) 13:49:15.35 ID:cFhNCHLj0
まあ今回の一刀君の発言は言い方はともかく内容はそこまでハチャメチャではないのでセーフ、ということで
周囲が袁紹の返答にざわつく様子からしてもどうやって攻略するつもりなのかの絵図面とは言わないまでも枠組みくらいは知りたいと思うのが人情だし
ただ根底に(多分横山版)三国志の知識があるから袁紹を見くびってるのがね…ぶっちゃけここにいる諸侯はこの一幕で一刀に対する認識がだいぶ固まりそう
238 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2020/04/08(水) 21:02:10.55 ID:Q2N+J7260
>>237
原作再現イベントですよ!
趙雲スカウトもそうですけど、再現してますよね!
してますよね?
239 :赤ペン [sage saga]:2020/04/09(木) 11:40:10.07 ID:9cPdXJy50
原作再現の難しさというかバタフライエフェクトは置いておくとしても
人の関わり方って難しいからね、原作の方では袁紹が盟主になるのに不毛なグダグダがあったからほぼほぼ全員が白けてたし、その状況から華麗とか優雅とか言っても、ねえ
そこを行くと今回の袁紹様はすごいスムーズにトップになったし頼まれれば糧食の手配もすると言ってるし(多分どこぞの義勇軍はこれ受け取ってるよね)光輝溢れまくってるし…
例えるなら襤褸切れ纏った老人がお金の無心に来るのと立派な袈裟を着た先祖の墓を建てた寺の坊さんが寄付を求めてくるのを同じ対応するのか?ってことよ
昔話に追い返された後立派な袈裟で歓待されたら袈裟だけ置いて帰った人がいたけどお前自分がどれだけ顔売れてると思ってんの?傲慢な自分を恥じれよ、と思ったね
原作では確かここまでほとんど関わりないけどここだと袁紹様(二郎?)の口利きで領地貰ったのよね?一刀(というか劉備)
240 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2020/04/11(土) 21:32:06.84 ID:EaF+7PMk0
麗羽様が斗詩と猪々子を伴って室を辞されてからも室内のざわめきは絶えない。
いや、俺もちょっと驚いている。まさかこの俺が丸投げされるとは……。それは俺の専売特許のはずだったのだと思うのだが、よく考えたら全然そんなことなかったね!
てか、無言の俺に少しずつ視線が集まる。まあ、ああまで言われた以上俺がこの場でもっとも発言権があるということなのだろう。
ちら、と横の稟ちゃんさんと視線を合わせると、こくりと頷いてくれる。
よし、なんかとちってもフォローは任せた。まあ、麗羽様の名代となればあまり無様は見せられないけどな!

よいしょとばかりに立ち上がり、す、と手を挙げる。
無言でそうしているうちに場が静まっていく。はーい、みんなが静かになるまで三分かかりましたー。

「それでは難攻不落の水関、それを落とす算段をしようじゃあないか。
 で、栄えある一番槍を望む勇者はいるのかな?」

ざわ、と声なく場がどよめく。
そりゃそうだ。誰だって手持ちの兵力、そのの損耗は避けたいとこだろうさ。
攻城兵器なんて持ち込んでるの袁家くらいだしな。ただの歩兵が万全の用意をしている要害に挑むとかどこの203高地だっつの。

「ふむ、では申し訳ないが先陣の誉は袁家が頂くとしよう」

稟ちゃんさんに目をやると微かに頷いてくれる。ヨシ!
そうさ。もとより。
もとより袁家単独での攻略が既定路線。そのための袁家総力戦。だから張紘だって前線に出ばる事態だし、虎の子の工兵隊も全力で投入なのだ。

「ちょっと、いいかな」

発言を求めてきたのは……天の御使い(仮)こと北郷一刀君である。

「俺たちは袁紹殿の檄文によって集まり、洛陽を目指す。
 でも、本当にそれは正しいんだろうか?」

まあ、正確には君のとこに檄文は間違っても届いていないはずなんだけどね。

「黄巾の乱のときに月……董卓殿とは知己を得た。彼女はけして暴政を布くような子じゃないんだ。
 彼女がそんなことをするはずがない。だとしたら……」

言い募る言葉に、俺は手を挙げて遮る。なんだかなあ。

「月とは俺も知己がある。ああ、腹心の詠ちゃん含めて親しくしていたよ。だから俺もこうなって残念で仕方ない。
 だが、洛陽が荒れているのは事実。目と耳で確かめた。
 今更。今更そこに疑念を呈すならば、洛陽が荒れていないという確証でも持ってくるのだな。話にならん」

残念ながら洛陽は暴政によって蹂躙されているのだよ。風がそう言っているんだからな。つまりはそういうことだ。

「先陣は袁家が受け持つ。後詰には馬家、曹家、孫家、そして公孫。
 他の方々には色々とご尽力願うことと思う」

露骨にほっとした空気が流れる。漲る闘志がひりひりと熱い。
前者は有象無象。後者は後詰を受けた信頼する勢力だ。
ふむ、と満足げに場をお開きにしようかと思ったが、また茶々が入る。

「待ってくれ!俺たち劉家……義勇軍も後詰に加えてくれ!
 そして作戦について腹案がある!」

えー。

北郷一刀君が示した案は、とりあえず昼夜構わずに攻めまくろうというものだった。
どうせ狭隘な関にはある程度の戦力しか展開できないから、絶え間なく攻めて消耗を誘おうというもの。

「却下」

稟ちゃんさんに目を向けるまでもなく言う。
だってそうじゃん。連携なんてどうせほとんど取れないぜ?夜にそんなスムーズに攻め手の交代とかできるとは思わんね。
しかも、そのどさくさにあの恋が出たらそれだけで潰走だ。
一軍の潰走で全軍が崩れるとかありえるからなあ。そんなリスクはご免である。
何か言い募ろうとする一刀君に畳み掛ける。

「意気はいい、少年。だが、そういうのはだな。せめて自軍の食い扶持の面倒を見てから言うんだな。
 つまりだ。十年はええよ」
241 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2020/04/11(土) 21:32:33.44 ID:EaF+7PMk0
純朴なんだな。かあ、と赤面し、着席する。よおし、いい子だ。
残念だったな。そりゃ劉備はこの反董卓連合で一躍有名を馳せるというのが筋書きだろうがね。
やらせはせんのだよ。
いや、そりゃあ関羽に張飛、伏竜鳳雛と手駒にできればえらいことになりそうなレアユニットがゴロゴロしてるけどさ。
その先を鑑みると、大人しくしていてほしいのよ。マジで。

「では、ひとまずこの場はこれでお開きということにする。じっくり英気を養ってくれ」

ちら、と横目で見ると稟ちゃんさんも頷く。うし、そこまでボロは出さずに済んだみたいだな。

まあ、手勢だけで恋とかと渡り合うことになると同意義ではあるがまあ、しゃあない。
いや、董家は精兵だし張遼とか泣く子も黙るけどね!
だからさ。

「稟ちゃんさん、黙ってくれててありがとうな。色々言いたいこともあったとは思うんだが」

毛ほども表情を変えずに応じる美少女。

「いえ。想定内です。もっと荒れることを想定しておりましたから。
 あっさりと場を治めた二郎さんには賞賛を惜しみませんよ。
 それと、北郷一刀、でしたか。ある意味彼のお蔭というのもありますね」

へ?

「彼の言う通り、董卓殿の人品は卑しからず。彼女が暴政を、というのはいかにも不自然です。
 それを、義勇兵上がりの成り上がりである彼が口にしたことにより、他の諸侯は与することもできず、結果封殺されることとなりました。
 いや、色々綱渡りではありましたが今はただ、ほっとしています」

な、なんだってー。

「……。
なるほど、狙っていたわけではないというのを確認できただけでもよかったです。
 なるほどなるほど。風が気に入るわけですね。まったく、手のかかることこの上ないですが……」

なるほど、わからん!

「ま、まあとりあえず真桜んとこ行こうぜ。攻城兵器がないと話にならんだろ?」

「ええ、そうですね。というか、正直攻城兵器が既に質、量ともに揃っているのでしょう。そういうところにしても、私からしたら色々と言いたいことはあるんですけどね」

浴びせられる稟ちゃんさんのお小言とか色々を背に、袁家技術部(出張中)に向かう。
どうせなら真桜にもこのガトリングお説教をお裾分けしてやるぜフーハハー!
242 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2020/04/11(土) 21:33:00.04 ID:EaF+7PMk0
◆◆◆

「さて、前線に張り付くことになってしまったのだけれども、穏はどう思う?」

ここは孫家に割り当てられた部屋。そこには孫家の中枢たる孫権と陸遜がおり、退屈そうに孫尚香が雑誌――阿蘇阿蘇――に目を通している。

「控えめに言って、ですが。
これこそ、もっけの幸い、というものですねえ」

くすくす、と陸遜は心底楽しげに笑う。ああ、あの紀霊の絵図に久方ぶりに現在進行形で触れたのだ。なんという悦楽かと。

「さてさて、現在反董卓連合の兵站は袁家が担っております。無論、これに返済の必要はありません。
 いやあ、十数万の軍勢を養って余りあるというのは分かっていても笑っちゃいますねえ」

そう言う陸遜の肌は桃色に染まろうとしている。
これは相当本気だなと孫権は気を引き締める。このさま――いっそ痴態とも言える――を主と言えども見せようとはせず、後日その結論のみで語るのが常の陸遜である。
それが、この場でその言を続けるというのはそれほどに一刻を争うこと、もしくは自分に生の感情をぶつけようという信頼の証であろう。

「実際、袁家の勝利は更に確かなものとなりました。
 それは戦場の勝利のみならず、戦後においてもそうです。
 蓮華様にはお分かりでしょう?」

こくり、と孫権は首肯する。

「ええ、そうね。あの北郷一刀はいい線を突いてたわ。彼がもし董卓と個人的な友誼を結んでいなければもっと面倒なことになっていたでしょうよ。
 そうね、そうよ。
 結局、袁家は一度たりとも屠られた家臣たちについて一言も発していないわ。あくまで兵を挙げたは民の為。暴政見過ごせず、君側の奸を除く。 
 まったくもって文句のつけようもない。
いえ、たとえ討たれた家臣の無念を、というのでも諸侯は付き従ったはずよ。
 なにせ、馬家なんて先代の復讐に燃えているのは見ても分かるしね。
 でも、これまた分かり易いその復讐をついに理由にはしなかったわ。
 そこは微妙だものね、兵を挙げる正当としては」

陸遜はにこにこと、満足げに頷く。

「そうです。袁紹殿の太尉、という地位はつまり軍権にあります。それを今回は諸侯の軍にも及ばせようという思惑でした。曹操さんがこれを幇助しましたね。
 ですが、宮中にて行われた非道、非合法なことに対する治安出動という面においては執金吾にその権はあります。これは現在董家にその地位がありますね。
 ですから、そこの、治安という面においては微妙なままに兵を進めるわけですね。
 これを機に既得権益として抱え込もうとしているのでしょうね。ああ、二郎さま、素敵です……。死線を潜り、腹心を喪い、それでも冷然と理路整然。
 ああ、私はこんなにも乱れちゃうのにぃ……。こんなにも貴方の憤りを理解し、それを鎮めるその心根に、めろめろですぅ」

言い募る陸遜に孫権は苦笑しつつもその言、確かなりと認める。
この腹心は、陶然となればなるほどその言は論理を飛躍しても尚、真実にたどり着くのだ。桃源郷にて未来を紡ぐ巫女のようなものである。
だから、確認する。

「では、前線で、行くわよ。孫家の武威を示すわよ?」

「ええ、それでいいですぅ。
 ――兵站も遠慮なくお世話になりましょう。
 二郎様は、怖いお方ですよ?
面子に拘る方には母流龍九商会を通じて貸し付けてらっしゃいますね。
 ええ、武具も含めて、ですね。孫家は虞翻さんのお蔭でそこまでじゃないですが、槍一つとってもその品質の違いは笑っちゃいますよ。
 そして、兵糧ですねえ」

くすくすと笑いながらも陸遜ははあ、と大きく息を。

「穏?」

「ええ、蓮華様。正直申し上げましょう。
 二郎様には逆らってはいけません。あの方は基本的に優しい方です。でも、ある一線を越えたら容赦しない方です。
 そこの取捨選択を、もう二度と誤りません。いえ、むしろ、もうあの方は一度でも期待を、思いを裏切られたら許すことはないでしょう。 
 それはとても哀しいことですが。あの方の闊達さ、鷹揚さはもうかつてのそれとはならないでしょう」

……それらの会話を孫尚香は全て耳に入れている。
そしてこの場に自分がいるということの意味を完全に理解している。
孫権と陸遜はこの場で何があっても退くつもりはないのだ。そして自分は退かねばならない。
そして、歴代孫家においても卓越した彼女らの定めた方向性、戦略。それを孫尚香は学んでいるのだ。
きっと例えばこの場に呂布が降臨したならば、孫権も陸遜もここで尽きるであろう。そして自分は彼女らの死を捧げて自分の命を購うのだ。

「そんなのは、やだなあ……」

常に闊達な彼女は思う。そして、その脳裏に浮かぶのは、いざという刻には頼りになる、最愛の青年である。

「二郎……、大丈夫、だよ、ね……」

聞く者とていなく、孫尚香の呟き、或いは祈りは虚空に飲み込まれていくのであった。
243 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2020/04/11(土) 21:33:55.40 ID:EaF+7PMk0
本日ここまですー感想とかくだしあー
題名募集しまくりんぐですよ本当に!

攻勢!くらいの感覚なので、かっこいいやつオナシャス
長くてもむしろ大歓迎す

にゃーん
244 :俯瞰者 ◆e/6HR7WSTU [sage saga]:2020/04/12(日) 09:20:25.97 ID:4OTPkEZB0
乙です。
久しぶりに題名応募に参加。
「実務者協議」「御前会議の後」「天を僭称せし少年、地を固める凡人に論破される」
なんか違う、なんか違うな。

「十年はええよ」
よく言ってくだされた。なんか二郎さんの凄みを見た気がする。

で、一読者の祈りでしかないのですが。死ぬなよ孫権、陸遜。無駄に死んでも意味がない戦いだぞ。生きて生きて生き抜いて、二郎さんの癒しになっとくれ。
そのためだったらハーレムも受け入れましょう(何様だコラ)
つうか、「放火魔」といじりたいから陸遜さんには生きていてほしいし、孫権さんの人柄は失うには惜しい。

わんっ!
245 :青ペン [sage]:2020/04/12(日) 18:27:09.21 ID:ZdCoBSiLo
>>243

わー、俯瞰者さんまで参戦しとーる。
【当然と、陶然と】でいこっかな。
246 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2020/04/13(月) 21:08:09.06 ID:O6E1HGod0
充電するにゃん

感想返しはもちっとまっってほしいワン

わん。
247 :赤ペン [sage saga]:2020/04/16(木) 13:03:22.60 ID:m30I56KT0
乙でしたー
>>240
>>それは俺の専売特許のはずだったのだと思うのだが、 例えば【あいつは死んだはずだったのだと思うのだが】だと違和感が出やすいですかね
○それは俺の専売特許のはずだと思うのだが、     もしくは【専売特許のはずだったのだが、】、【専売特許だったと思うのだが、】とかどうでしょう
>>誰だって手持ちの兵力、そのの損耗は避けたいとこだろうさ。  ケアレスミスですね
○誰だって手持ちの兵力、その損耗は避けたいとこだろうさ。   向こうに張遼が確認されれば…喜んで飛び出しそうなのがいるけどね
>>241
>>そりゃ劉備はこの反董卓連合で一躍有名を馳せるというのが筋書きだろうがね。  これを捕らぬ狸の皮算用といいます
○そりゃ劉備はこの反董卓連合で一躍勇名を馳せるというのが筋書きだろうがね。  もしくは【有名になる】、【名を馳せる】ですかね
>>242
>>聞く者とていなく、孫尚香の呟き、 そこの二人が聞いてそうだけどね
○聞く者とてない、孫尚香の呟き、  【聞くものとていない】だと一人で呟いてる感じがするからこうかな?

>>今更。今更そこに疑念を呈すならば、 本当【今更】だよね。それをするなら袁紹にどうやって砦落とすの?とか聞く前にしないと…そもそも袁紹の檄文の正当性をその部下に糾弾するとか筋違いだし、せめて袁紹が来る前か出ていく前に言えよ(そもそもこの場で言うことか、のレベルだけど)
ところで尊敬する親を殺された馬家の姫様としてはその下手人を庇う男をどう見てらっしゃいますかね?
この戦争で孫家の二人が死んだら…袁家による庇護はより完璧になるからなあ…まあそのまま組み込まれる可能性も大だけどうまくいけば袁術との義姉妹の誓いとかできそうだし
家族が立て続けに死んでいきなり頭首にならざるを得なくなった幼い姫様の弱みに付け込むベッドやくざの愛人ルートもあるし
248 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2020/04/17(金) 21:03:36.13 ID:DbASIUge0
>>244
どもです。

>「実務者協議」「御前会議の後」「天を僭称せし少年、地を固める凡人に論破される」
この視点はなかった
参考させていただきます!

>よく言ってくだされた。なんか二郎さんの凄みを見た気がする。
割と、実務もやってるのですよ、これでもね
その上で、薄っぺらい意見とかは、やはり思うところはありますよね

>で、一読者の祈りでしかないのですが。
かしこまりー

>そのためだったらハーレムも受け入れましょう(何様だコラ)
やったぜ

>>245
>【当然と、陶然と】
これね、読み同じで変えてくるの、琴線なんだすよねえ
好きなの、こういうの

>>247
赤ペン先生いつもありがとうございますー!
にゃん

>ところで尊敬する親を殺された馬家の姫様としてはその下手人を庇う男をどう見てらっしゃいますかね?
大丈夫!耳に入ってないよ!
ただでさえ不慣れな大人数の会議だもの!集中力なんて存在しないYO!

>家族が立て続けに死んでいきなり頭首にならざるを得なくなった幼い姫様の弱みに付け込むベッドやくざの愛人ルートもあるし
いったいだれのことなんだ……。
未登場キャラならどこでもいけますね!
オススメはやはり劉璋じゃなっく荊州方面かにゃ
249 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2020/04/17(金) 21:29:13.94 ID:DbASIUge0
「まあ、蛮喰商会についてはなんとかなったよ」

誉めれ、とばかりに魯粛は薄い胸を張る。それに応えて、おー、と感嘆するのは程立である。
ぱちぱち、と薄い音響。えっへんと反らされる薄い胸部装甲。
ほむ。とりあえず美辞麗句を注ぎ込んでいこうか。
てややー。

◆◆◆

「いやいや、鮮やかなお手並み、恐れ入るのですよ〜」

くふふ、と軽く笑う程立であるのだが、魯粛の功績には舌を巻く思いである。
なんとなれば、何進亡き後の蛮喰商会をその影響下に収めたのであるからして。

……魯粛はその卓越した弁舌により、かつては一枚岩であった組織を切り崩していった。

曰く、何進はその権勢故に排除された。その旗下ににあった者はどうなるであろうか。
曰く、名門馬家当主。それに禁軍の指揮官たる朱儁すら問答無用である。賤業と言われる――無論魯粛はその重要さを認識しているしそれを相手に伝える――商人なぞ風前の灯である。
曰く、袁家は大幹部たる紀霊を始め商業に対する理解が深い。

ここで重要なのは嘘を混ぜないこと。そして誠心誠意語ることである。
魯粛は誠心誠意、芽生えていた危惧に疑念という肥料を与えていったのだ。
いや、自身のみならず係累にも手が及ぶなぞ、あり得る事柄である。
で、あるから。
なればこそ、有為の人材は一時身を隠すべし。
なに、その生活は母流龍九商会が保証するとも。そしてほとぼりが冷めればその地位は保障するとも。

魯粛にとっては実にやりがいがあり、手ごたえのない簡単なお仕事である。
なにせ、実際に危機感を覚えて身を隠す彼等が帰ってこようがこまいがどうということはないのだ。
別に母流龍九商会は洛陽の市場をこれから押さえようとは思っていないのだし。
まあ、それはいい。結果として洛陽最大の商業組織は魯粛の手に握られることとなったのである。
そしてその生業は開店休業。それは無理もない。何進の手がけた商組織だ。時の権力者には目を付けられて当然。
わざわざ賈駆に営業自粛の申請をするという念の入り様である。

結果、洛陽の物流は混乱する。
これまで、何進という圧倒的な権力者――それも商売のいろはを知り尽くしていた傑物――がいなくなればどうなるか。自由競争と言えば耳障りがいい。
その実態は、混沌の一言。何せ、まっとうな商売なぞしてもいつ取り潰されるか分かったものではない。で、あれば一儲けしてとんずらするのが効率がいい。
かくして物価は順調にに跳ね上がり、前線――虎牢関と水関である――への補給物資すら滞り、品質は劣化する。
それを問題視した中央からの掣肘が加わるという負のスパイラルである。

魯粛は思う。恐るべきは目の前の程立だと。
自分は確かに洛陽の商流を手にした。だが、それがなんのためであるかという視点に於いては。

「敵わないなあ」

確かに自分は洛陽の商流の最大手を手に収めた。だが、それがどのような意味を持ち、どう影響するかまでは範疇外。
まさか、それが反董卓連合の論拠たる董卓の暴政に繋がるとは。
かつて郭図率いる義勇軍を堕落させた魯粛であるが、規模が違う。いや、敵わない。

「さてさて。細工は流々。後は……二郎さんに期待ですねえ」

悪い顔だなーと魯粛は思う。いや、自分が善良かといわれるとけしてそうではないのだが。
ともかく……と、思いに没頭しようとする思考を妨げられる。

「来客、みたいだね」

そ、と魯粛は室を辞する。
自分との繋がりは余り知られない方がいいであろうからに。

日陰の存在?

とんでもないと人知れず魯粛は笑みを深くする。
こんなに美味しいポジションなんてないさ、と。
魯粛はこれで結構今の立ち位置を気に入っているのだ。」
250 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2020/04/17(金) 21:29:41.84 ID:DbASIUge0
◆◆◆

「ふむ、少女よ。久しいな」

纏う空気にどことなく血と闇を漂わせる物騒な男。
張?が口を開く。本来であればそのような空気を纏うなぞ未熟の極みなのであろう。きっといかに血を浴び、幾つもの闇を抱えても、いや、それだからこそ闊達に明るく笑うべきなのであろう。

「おやおや、心ここにあらずといった感じですねえ」

そうとも、自分は姉に及ばないと自覚している。努めて無表情を気取っても、心の揺れを看破されてしまうのだ。
なるほど。自分はあらゆる意味で姉に及ばないと痛感する。

「否定はせんよ。どうにもいかん。自分では、な。
もっと無感動な人間だと思っていたのだよ」

張?は自嘲する。このように心が乱れるとは、と。

「おおう、これは思いもかけぬお言葉ですねえ。いやいや、世の中一寸先は闇とはこのことですねえ」

くすくすと笑う程立に流石の張?がなんとも言えない顔をし、苦笑する。
やれやれ、敵わないな、とばかりに。

「まあ、些事だ。忘れてくれ」

仕事の話をしよう。
251 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2020/04/17(金) 21:30:08.72 ID:DbASIUge0
そして張?は反董卓連合の様子を語って聞かせる。
その間程立は瞑目し、傍目には眠っているかのように身じろぎ一つしない。

「把握したのですよ。では二郎さんにお伝えください。
 『董相国、亡き者と思うべし』
 ……いえ、実際には軟禁されてるのでしょうが、ねえ」

変に希望を残せば紀霊は情に流されるやもしれぬ。
眠たげな顔に刹那苦渋。

「まあ、二郎さんの懸念は大体合ってるようですし、ね。
 少なくとも賈駆さんですら接触できないようですよ?」

無論賈駆はそのようなことを漏らしはしない。だが程立は言葉の節々、表情の一つ一つを積み上げて一つの結論を導き出していた。
即ち、董卓は何者かに拉致されている、ということ。
であれば董家軍が突如として叛乱を起こしたことも納得がいく。
いや、その結論に至った時は何とも悲惨なことよと程立は心から同情したものである。
そう、同情はしたのだ。

「二郎さんには重ねてお伝えくださいな。
 『洛陽は董卓の暴政に荒廃の一途』と」

「承知した。ではそろそろ失礼しよう」

見送ろうとした程立を留めて張?は聞く。

「そう言えば、ここの周りの狗は始末した方がいいのかね?」

「いえいえ、たまに遠吠えするくらいで実害はありませんので放置の方向でお願いします〜」

軽く頷き、音もなくその身を消す。

「やれやれ、ほんとうにご苦労様なことなのですよ。なにせ」

函谷関を越えて大回りで動いているのだからと程立は苦笑する。
だからこそ馬家軍が函谷関に詰めては不都合であったのだ、などとは冗談にしても言えないことではあるが。
洛陽という一大消費都市への物流の流れをあえて閉ざさなかったのにはわけがあるのだ。そして。

「進むも稟ちゃん、退くも稟ちゃん。いよいよ稟ちゃんの本領発揮なのですよ」

その声は誰に届くこともなく。だが程立はくふ、と笑う。
傍に在らずともできることがあるのだ。あるのである。それでも。

「おうおう、そんなにあの青二才が恋しいかい。
 それじゃあまるで恋する乙女みたいじゃねえか」

「おお、宝ャ。中々鋭いですねえ。どうやら、風は――」

本気でのめりこんでいるようだと、頭上の人形に語る。或いは自分に語りかける。

「困ったものですよ」

やれやれとばかりに頬を綻ばせて。

「処置なしじゃねえか」

「――全くなのですよ。
 これは責任とってもらわないといけませんねえ」

そしていつもどおり程cはくふ、と笑うのであった。
252 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2020/04/17(金) 21:30:59.59 ID:DbASIUge0
本日ここまですー感想とかくだしあー

題名、なんだろうなあ
連関の理とか?

かっこいいやつオナシャス
253 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/04/18(土) 06:49:35.52 ID:Ndt5smF8o
乙です。

このシーン、話してる内容は悪辣なのにイメージ映像が風とこなただと思うと、途端にほのぼのしますよねww
無論、そのギャップも楽しいものですが


題案はシンプルに『わるだくみ』
少しこねくり回すなら、『悪巧みは蜜毒に似て』
とかいかがでしょう
254 :青ペン [sage]:2020/04/18(土) 15:12:14.18 ID:Dj2yul7Qo
>>252
乙ーん

【暗躍〜情報戦と商流戦】
255 :赤ペン [sage saga]:2020/04/18(土) 16:05:37.68 ID:C+n70+En0
乙でしたー
>>248
>>いったいだれのことなんだ……。  えっ?もし反董卓連合で孫権と陸遜がお亡くなりになったら病で孫堅、地元の敵対勢力()で孫策、今回の戦争で孫権と立て続けで残された幼い姫様が継ぐしかないでしょ?
そうなったら圧倒的強者のベッドやくざな我らが二郎ちゃんに美味しく頂かれる薄い本が厚くなるのは必然じゃないですか(濁った眼
>>249
>>自由競争と言えば耳障りがいい。  【肌触りの良い】とか【舌触りの良い】とは言うけどね
○自由競争と言えば聞こえがいい。  耳に障る以上良くはならないので
>>かくして物価は順調にに跳ね上がり、 順調なのか(gkbr
○かくして物価は順調に跳ね上がり、  あれだね、商業を賤業とする思想とその中で大将軍まで上り詰めた何進という≪商人の英雄≫の存在、地方の大貴族といってもいい袁家と手を結んでこれから…ってところでこんなんされたらそりゃ商人はやってられませんわ
>>それを問題視した中央からの掣肘が加わるという負のスパイラルである。 二郎がいないので英語を言い換え
○それを問題視した中央からの掣肘が加わるという悪循環である。     一言加えるなら【掣肘により商人が減り、さらに物流が滞る、という悪循環である。】でどうでしょう
>>魯粛は思う。恐るべきは目の前の程立だと。
自分は確かに洛陽の商流を手にした。だが、それがなんのためであるかという視点に於いては。

「敵わないなあ」

確かに自分は洛陽の商流の最大手を手に収めた。だが、それがどのような意味を持ち、どう影響するかまでは範疇外。  ここ2行目と4行目で言ってることほぼ同じなので
○「敵わないなあ」

魯粛は思う。恐るべきは目の前の程立だと。
確かに自分は洛陽の商流の最大手を手に収めた。だが、それがどのような意味を持ち、どう影響するかまでは範疇外。  ちょっと順番入れ替えてこんな感じでどうでしょう
>>魯粛はこれで結構今の立ち位置を気に入っているのだ。」  心の声が外に漏れちゃった感?
○魯粛はこれで結構今の立ち位置を気に入っているのだ。   たまにそういう描写するのもあるよね

いわゆる黒こなモード?商流を握って台頭したらいちゃもんすら無しでバッサリされるからね、仕方ないね。文句があるなら自分でこの地獄のような洛陽で商売すればいい(買駆が制御できないと判断したら潰されるけど)
張郃さんは…やっぱりあの人がお亡くなりになったことに悲しんだのかしら
物価は際限なく上がる…逆に言えば金の価値が下がる…インフレスパイラルか
256 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2020/04/20(月) 21:26:06.94 ID:61KtQILc0
>>253
感想ありがとうございますー

>このシーン、話してる内容は悪辣なのにイメージ映像が風とこなただと思うと、途端にほのぼのしますよねw
どもです。そこが狙いなので、本当に嬉しい。

>『わるだくみ』少しこねくり回すなら、『悪巧みは蜜毒に似て』
どちらも素敵。シンプル故に味のある前者、色気の漂う後者。
これは迷うやつです。参考させていただきます!

>>254
どもです。

>【暗躍〜情報戦と商流戦】
ピリ、と作品を引き締めるスパイスになりそうな奴ですね。
これはよい。
映画みたい!

>>255
赤ペン先生いつもありがとうございますー!

中々満点とはいかないなあw
さて

>いわゆる黒こなモード?商流を握って台頭したらいちゃもんすら無しでバッサリされるからね、仕方ないね。
覚悟完了されてるだけですね。鶏ガラのような体格だから無事であったということで一つ。

>張郃さんは…やっぱりあの人がお亡くなりになったことに悲しんだのかしら
思うところはあったのですね。
無感動と思い込んでいた彼が、雷薄の死に何かを感じたか、感じないか。
どちらにしても無念だと思います。前者ならば特に。

>物価は際限なく上がる…逆に言えば金の価値が下がる…インフレスパイラルか
これは間違いなく暴政ですね
257 :赤ペン [sage saga]:2020/04/23(木) 09:31:17.73 ID:N2GocomF0
そういえば古代中国の一般的思想では良き王が治めれば自然と天が味方して治まるんだっけか(公害が起こるのは王のせい、とかいうよね)
258 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2020/04/27(月) 22:13:17.93 ID:4JeK3DJP0
>>257
全然関係ないけど、現状の疫病はどうなんでしょうね。
イナゴはヒマラヤ山脈を越えられないと聞きましたが。
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