87:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(京都府)[sage saga]
2011/03/22(火) 05:25:53.84 ID:A0O8EXjso
梓「ダメです!」
紬「梓ちゃん?」
梓「ダメです……ムギ先輩、とっても優しいじゃないですか。だからいろんな気を使って、遠慮して、そうやって傷ついていくんです。でも、そんなの、ダメです……」
88:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(京都府)[sage saga]
2011/03/22(火) 05:26:20.73 ID:A0O8EXjso
日本 琴吹邸
紬「――私は!!」
89:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(京都府)[sage saga]
2011/03/22(火) 05:26:51.75 ID:A0O8EXjso
日本 桜が丘 週刊さくら編集部
澪「どうしてですか! 誘拐をこの目で見たんですよ!」
90:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(京都府)[sage saga]
2011/03/22(火) 05:27:28.68 ID:A0O8EXjso
日本 琴吹邸
憂「私はもう帰ります。お姉ちゃんがお仕事休んで、家にこもりっきりだから」
91:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(京都府)[sage saga]
2011/03/22(火) 05:28:00.25 ID:A0O8EXjso
和「ええ。どこから話そうかしら。そうね、まずは、何故私が変異種研究をしているのか」
紬「そうよ、和ちゃん、国立のK大学の、確か社会学部に行ったはずじゃ」
和「実は、戯れにとって遺伝子工学の授業が楽しくてね。気付いたら教授に気に入られて、いつのまにか教授の――変異種研究家の助手になっていたの」
92:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(京都府)[sage saga]
2011/03/22(火) 05:28:51.75 ID:A0O8EXjso
和「変異種というものは、言ってしまえば人間が別の生物に進化するその途中の段階よ。人間という種は最初から変異種の『因子』を持っていて、その因子がこの時代になって一気に人間の変化を促進したというわけ。だから変異種というものは人間以外の何者ではなく、むしろ時代が生み出した、人間のもう一つの姿ということもできる」
紬「もう一つの、姿……?」
和「ええ、この時代――人は社会に埋没し、意思を失った時代。数多くの社会問題に突き当たり、無限の発展を夢見ていた人間達もついに気付いたのよ、人間の限界にね。宇宙を知り、人が万能ではないことを知り。そして、自らの心にすら押しつぶされる、そんな弱い存在であることを自覚した。だから変わろうとした。もっと別の、もっと強い存在に。自らを取り巻く世界を変えられる力をもった存在に」
93:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(京都府)[sage saga]
2011/03/22(火) 05:29:19.66 ID:A0O8EXjso
日本 桜が丘 平沢家
唯「律っちゃん、ムギちゃん……」
94:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(京都府)[sage saga]
2011/03/22(火) 05:29:46.85 ID:A0O8EXjso
日本 琴吹邸
斉藤「お嬢様、お体の調子はいかがでしょうか」
95:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(京都府)[sage saga]
2011/03/22(火) 05:30:14.67 ID:A0O8EXjso
日本 琴吹邸 書斎
扉を開けた先は、埃の舞う薄暗い部屋だった。斉藤もメイド達も一度も入ったことが無いらしい。
96:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(京都府)[sage saga]
2011/03/22(火) 05:31:04.75 ID:A0O8EXjso
紬「お父様……!」
涙が、とまらない。初めてだった。完璧だと思っていた父の苦悩を知ったのは。
同じだったんだ。紬と同じ、悩み、苦しみ、人の心を傷つけ……。
父も、弱い人間だった。その弱さを、ずっと隠し続けただけだったんだ。
97:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(京都府)[sage]
2011/03/22(火) 05:31:32.96 ID:A0O8EXjso
日本 桜が丘 繁華街
憂「あ、澪さん」
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