過去ログ - マインドスイーパー
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20:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2011/10/22(土) 00:11:02.15 ID:CGXDMCHp0
「何を……」

「二度同じことを言わさないでください。貴女が邪魔だと言っているんです」

ネクタイを直し、彼はメガネを中指でクイッと上げた。
以下略



21:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2011/10/22(土) 00:11:43.95 ID:CGXDMCHp0
 *
 
「やれるか、汀?」

そう聞かれ、汀は小さく震えながら圭介を見上げた。
以下略



22:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2011/10/22(土) 00:12:33.34 ID:CGXDMCHp0
「そう言うな。特A級スイーパーの名前が泣くぞ」

「だって駄目なものは駄目だもん」

頬を膨らませた汀を無視して、圭介は計器類の中から、ヘルメットのようなものを取り出した。黒いネットで作られていて、顔面全体を覆うようになっている。
以下略



23:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2011/10/22(土) 00:13:06.33 ID:CGXDMCHp0
 *
 
汀は目を開いた。
彼女は、先ほどまでと同じ病院服にヘッドセットの姿で、自分の足で立っていた。
動かないはずの、下半身不随の体で、足を踏み出す。
以下略



24:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2011/10/22(土) 00:13:54.48 ID:CGXDMCHp0
黒い服を着た修道女のような女の子が二人、ギシ、ギシ、と階段をきしませながら、昇って来るところだった。
何かを話しているが、聞こえない。
顔も確認は出来ないが、マネキンではないようだ。

「トラウマだ」
以下略



25:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2011/10/22(土) 00:14:48.52 ID:CGXDMCHp0
「でね、国語の小山田、美紀ともヤッたらしいよ」

「えぇ? 本当? 何で美紀なの?」

同じ会話だったが、違う声だった。
以下略



26:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2011/10/22(土) 00:15:23.51 ID:CGXDMCHp0
「ゆぶユブユブユブゆぶユブユブゆぶ」

上を見た汀が、一瞬停止した。
今まで昇った女の子達が、全員一塊になって汀のことを見下ろしていたのだ。
そして「ユブユブ」と全員が呟いている。
以下略



27:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2011/10/22(土) 00:16:02.23 ID:CGXDMCHp0
 *

彼女は、映画館に立っていた。
薄暗い劇場は狭く、百人も入れないほどの小さな映画館だ。
そこに、全員同じ髪型をしたマネキン人形が、同じ姿勢で背筋を伸ばし座っていた。
以下略



28:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2011/10/22(土) 00:16:36.19 ID:CGXDMCHp0
『汀、今回は危険だ。遊ぶんじゃない!』

「あは、あはは!」

汀は笑った。
以下略



29:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2011/10/22(土) 00:17:15.57 ID:CGXDMCHp0


気づいた時、汀はマネキン人形が所狭しと、果てしなく投棄された、その山のような場所にうつぶせに倒れていた。
映画館のマネキン人形と同じように、全て同じ髪型をしている。
それらは腕をもがれたり、顔面を破壊されたり、全てがどこかしらを欠損していた。
以下略



30:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2011/10/22(土) 00:18:12.64 ID:CGXDMCHp0
「全てを嘘にして、全てを否定して、一番下で這い蹲ってたほうが、幸せかもしれないよ」

女の子の存在しない眼窟から、涙が一筋垂れた。

「私がそれを許してあげる」
以下略



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