161:以下、あけまして[saga sage]
2012/01/04(水) 02:05:18.46 ID:AiUnSeA3o
(あそこに立っているのは……私? そっか……私、やっと一人で上条さんを護る事が……)
朦朧とした意識の中で、彼女は勘違いをしていた。
目の前に立つのは五和という人間、つまりは自分だ。倒れている上条を護り立ち向かっているのだ。
162:以下、あけまして[saga sage]
2012/01/04(水) 02:06:51.03 ID:AiUnSeA3o
「……っ!? 五和!?」
とてつもない力で手を引っ張られた上条は、そのまま後ろへと倒れていった。
その刹那、入れ替わるように立ち上がり、すれ違っていく自分の顔を上条は見た。
163:以下、あけまして[saga sage]
2012/01/04(水) 02:07:25.81 ID:AiUnSeA3o
「五和あああああ!!」
上条はあらん限りの声で叫んだ。しかしもう間に合わない、このまま見届けるしかない。
五和は最後まで女から目を逸らさなかった。最後まで上条を護ろうと立ち続けた。
164:以下、あけまして[saga sage]
2012/01/04(水) 02:08:40.14 ID:AiUnSeA3o
(……声? これは、この声は……)
その声に五和は聴き覚えがあった。誰よりも近くで、そしていつまでも聞いていたい声。
だからこそ、疑いも無く五和はその声を受け入れた。ただ、少し違和感があった。
165:以下、あけまして[saga sage]
2012/01/04(水) 02:10:51.87 ID:AiUnSeA3o
「……消えた?」
女は目の前で起きた事をただその一言でしか表現出来なかった。
自らの能力で生み出した光線が消えた、それは間違いない。
166:以下、あけまして[saga sage]
2012/01/04(水) 02:11:37.10 ID:AiUnSeA3o
その光景を見ていた者が二人、土御門と神裂は廃工場の中に居た。
上条を後ろから引っ張り、そのまま立ち向かう五和の姿を二人は見ていた。
二人が建物の中で最初に見たのがその場面であり、間に入って助ける事は出来なかった。
結局、護りきる事は出来ず、目の前で大切な存在が消えるのかと一瞬絶望もした。
167:以下、あけまして[saga sage]
2012/01/04(水) 02:13:21.12 ID:AiUnSeA3o
「チッ、何をしたかは分かんねえけど面倒な事になりそうだな……だったら」
すべてを言い終える前に女は上条に向かって光線を撃ち出した。
しかし、それを上条は右手で受け止め、いとも容易く消し去ってしまう。
168:以下、あけまして[saga sage]
2012/01/04(水) 02:19:06.93 ID:AiUnSeA3o
「土御門……それに、神裂か」
「よう、ずいぶんやられたみてえだなカミやん。後は黙って見てるだけで良いぜ」
169:以下、あけまして[saga sage]
2012/01/04(水) 02:21:23.09 ID:AiUnSeA3o
「一つ確認させてもらう。お前は誰かに依頼されてこんな事をしたんだろう?」
「ハッ、その口ぶりだとこっちの事情も知ってて聞いてるって所ね。だったら隠す必要も無いか。
自分の意志でこんな汚ねえ所に来たんじゃない、その男を消せって頼まれただけ」
170:以下、あけまして[saga sage]
2012/01/04(水) 02:22:32.94 ID:AiUnSeA3o
土御門はこの場を収めたつもりだったが、まだ現状を把握できていない者が居る。
上条と神裂は何があったのか、何故女は去ったのか、これが決着なのかと頭の中が疑問だらけである。
「土御門、どうなってんだ……? 俺達は狙われてたんじゃないのか?」
171:以下、あけまして[saga sage]
2012/01/04(水) 02:23:42.33 ID:AiUnSeA3o
病院
215Res/205.83 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。