15:JK[saga]
2011/12/15(木) 19:26:17.37 ID:fJUeZbYv0
言った昴は屋上の柵に寄り掛かるようにして、月を見上げた。
月は蒼白く灯っている。
不意に昴は思った。
己は蒼白く光る月に叫ぶ哀れな犬なのだと。
16:JK[saga]
2011/12/15(木) 19:27:11.64 ID:fJUeZbYv0
自分の答えに満足して、昴は頷く。
そうだ。昴は浄化を望んでいる。
死によって、全ての罪悪を消失させてしまいたいのだ。
されど、月夜叉は昴の予想もしていなかった言葉を返した。
17:JK[saga]
2011/12/15(木) 19:27:43.98 ID:fJUeZbYv0
『呼称が何であろうと何も変わらない。
単に耳に良いか、悪いか、それのみだ。
とどのつまり、昴のしている行為は手首切りに違いないだろう』
月夜叉の淡々とした言葉。
18:JK[saga]
2011/12/15(木) 19:31:21.50 ID:fJUeZbYv0
「私は何度も手首を切ってきた!
世界を終わらせるために!
世界の罪の浄化のために! 罪深き人類の浄化のために!
こんな事が月夜叉! 君に出来るか、出来るのか!
月夜叉ッ!」
19:JK[saga]
2011/12/15(木) 19:31:43.34 ID:fJUeZbYv0
『ならば死ねばよいだろう』
月夜叉は昴が初めて見る表情で、冷徹に呟いた。
否、実際には月夜叉の表情は微塵も変わっていない。
昴の心情が月夜叉を冷徹な存在に見せているだけだ。
20:JK[saga]
2011/12/15(木) 19:32:18.30 ID:fJUeZbYv0
されど、同時に死にたくもなかったのだ。
低俗な愚鈍共が生きているのに、どうして自分だけが死ななければならないのか。
逆なんじゃないか?
本当に死ぬべきなのは死を望む自分じゃなく、
こんな可哀想な自分に死を望ませる世界の愚鈍共の方であるべきだ。
21:JK[saga]
2011/12/15(木) 19:33:44.52 ID:fJUeZbYv0
この話は終わりです。
が、まだ物語は続きます。
またお願いします。
22:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)[sage]
2011/12/15(木) 20:08:47.11 ID:WTK+AQq/o
>>21
乙乙!
23:JK[saga]
2011/12/17(土) 18:35:53.80 ID:JjKvBwFx0
・
24:JK[saga]
2011/12/17(土) 18:36:24.00 ID:JjKvBwFx0
・
25:JK[saga]
2011/12/17(土) 18:37:00.94 ID:JjKvBwFx0
「ねえ、月夜叉……。
あんたは誰かを好きになった事ってあるか?」
少年は常時斯様な事を思考し続けているものだ。
決まり切った約束事だ。
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