636:にゃんこ[saga]
2012/06/30(土) 17:55:54.56 ID:zmR1v/Ro0
「ごめんね、皆……。
私のせいでこんなに大変な事になっちゃって……。
でも……、でもね……、私、もう逃げないよ?
自分が死んだら皆が助かるなんて、そんな事も考えない。
元の世界で皆で居られる方法を頑張って探すから……、
637:にゃんこ[saga]
2012/06/30(土) 17:56:21.04 ID:zmR1v/Ro0
「立って下さい、唯先輩。
私も立ちます。自分の足で立ってみせます。
まだ不安ですけど……、
さっきも吹いた風の事を考えると怖くなりますけど……、
それでも、私は立つです!
638:にゃんこ[saga]
2012/06/30(土) 17:56:49.57 ID:zmR1v/Ro0
「さっきまた風が吹いたよな?
すぐってわけじゃないと思うけど、また近い内に吹くんじゃないかなって思う。
多分、それは唯の無意識の責任とかじゃなくて、唯の目覚めが近いからじゃないかって思うんだ。
私だけかもしれないけど、目が覚める直前の夢は場面転換が多い気がするんだよな。
いや、これは個人的な意見だから、どうでもいいんだけどな。
639:にゃんこ[saga]
2012/06/30(土) 17:57:19.75 ID:zmR1v/Ro0
「梓、よく聞いてくれ。
私達は五人なんだ。奇数である以上、誰かが余らなきゃいけないんだよ。
だったら、部長の私が余らなきゃな。
これが部長の辛い所ってやつだ。
おっと、現部長の私が……、とか言い出すなよ、梓。
640:にゃんこ[saga]
2012/06/30(土) 17:57:50.95 ID:zmR1v/Ro0
「一番考えちゃうのは、やっぱり元の世界の時間経過だよな。
もし今、元の世界に戻れたとして、元の世界はどれくらいの時間が経ってると思う?」
澪がそういう風に言うという事は、
641:にゃんこ[saga]
2012/06/30(土) 17:58:28.35 ID:zmR1v/Ro0
「忘れないよ、梓」
「律先輩……?」
642:にゃんこ[saga]
2012/06/30(土) 17:59:02.47 ID:zmR1v/Ro0
私は苦笑しながら、頬を膨らませる唯に弁明してやる。
「私だって京都好きだぞ?
でも、ちょっと困ったなーって思ってさ。
643:にゃんこ[saga]
2012/06/30(土) 17:59:40.49 ID:zmR1v/Ro0
「おい、澪、ひょっとしてこれ……」
「ああ、そうだ。
今から律達も一緒に演奏してくれないか?」
644:にゃんこ[saga]
2012/06/30(土) 18:00:27.76 ID:zmR1v/Ro0
澪達が私に頭を下げるのを見届けた後、
梓は苦笑してから、譜面台に楽譜を乗せた。
梓も私と同じ気持ちだったみたいで、もう弱音は吐かなかった。
でも、最後に一つだけ首を傾げて、楽器の場所に戻る澪達に訊ねた。
645:にゃんこ[saga]
2012/06/30(土) 18:01:14.75 ID:zmR1v/Ro0
◎
646:にゃんこ[saga]
2012/06/30(土) 18:01:41.38 ID:zmR1v/Ro0
梓……。
梓が四苦八苦しながらも初めての曲に対応していく。
基本がしっかり出来てる証拠だ。
基本を大事にして、それでいて目立ち過ぎず、フォローも怠らない。
梓を部長としている現軽音部の皆は幸せだろうなって思う。
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