1:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]
2013/02/06(水) 22:24:58.06 ID:lqWbdXMg0
とある魔術の禁書目録の二次創作で番外個体SSです。
カップリングとしては一方通行×番外個体と上条当麻×禁書目録です。
苦手な方はご注意ください。
週一投下予定です。
よろしくお願いします。
―――
朝は苦手だ――。番外個体と呼ばれる女性が目覚めて直ぐに思うことは常にソレだった。
労働をしたあとの人間の身体は疲労がたっぷりと溜まっている。
ひとは適度に食事を、運動し、そして快適な睡眠をとることで疲労を回復させ明日への糧を経る。
けれど、彼女は個体特性上、特に睡眠による恩恵を受けにくい為、
朝方に感じる気だるさは人並み以上であり、それに伴う苛立ちはきっと他人には想像し難いだろう。
番外個体。正式名称をミサカ20002号と名付けられた彼女は、俗にいうクローン人間であった。
物語のなかのSF的存在ではない。
思考する脳みそがあり全身に血液を送る心臓がある。
現実世界に地に足をつけて生きている。人間と大差ない。
捻くれまくった考えが大好きな当人は自分のことを「呼吸をする人形だね」と自虐交じりに評す。
では、人間との間にある差とは何か。
いまだ未発達な感情、定期的な延命治療が必要な身体もクローン特有の特徴だろうが、特出している「差」は
多数の同タイプクローン達の脳波よって形成される人間電子ネットワークである。
通称、ミサカネットワークと言う。
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2:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]
2013/02/06(水) 22:32:50.53 ID:lqWbdXMg0
東京都西部には、230万人ものひとが居住している巨大超能力養成機関・学園都市が広がっている。
同都市の人口の約八割が「学生」で、彼らは大なり小なり「超能力」を有していた。
能力の強弱による区分によって行われる学生のランク付け。
最弱のレベル0から、たった一人で軍隊と戦闘する事すら可能とされる最強のレベル5までの6段階。
3:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]
2013/02/06(水) 22:41:36.72 ID:lqWbdXMg0
「おはよう。もう8時半だ、ねぼすけ。寝坊は良くないじゃんよ」
洗顔をしよう、と洗面台のある脱衣所のドアを開けると、タイミングよく居候先の家主と鉢合わせ。
意外に手入れのされているキレイな黒髪をビシッと後頭部の低い位置で束ね、愛用の緑色のジャージに身を包んだ黄泉川愛穂は、
呆れた顔で寝坊常習犯に声をかけた。
4:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]
2013/02/06(水) 22:59:41.66 ID:lqWbdXMg0
なんとなく「自分が守られる存在なのだ」と言われているようで、つい頬が弛みそうになる。
寝起きの気だるさや苛立ちは何所へやら。
すっと、心の底から消えうせていく。
5:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]
2013/02/06(水) 23:14:11.57 ID:lqWbdXMg0
ミサカネットワークは深夜でも動きっぱなしだ。睡眠時、妹達たちの理性はほぼ完全に消え失せる。
感情だけが渦巻く情報網の海に身を投げ出すのは、今になってもしんどい作業だ。
悪性の感情を優先して拾い上げる性能付でも、一度に処理できる量には限界がある。
感情の芽がようやく顔を出したばかりの妹達だ。
6:投下終了。[saga sage]
2013/02/06(水) 23:32:25.68 ID:lqWbdXMg0
くだらない。たった五文字で吐き捨てることは実に容易い。
所詮は息をする人形の身。非現実的な夢を胸に抱く個体が愚かなだけと見切りをつけ、
まあ「残念だったね☆」と一声かけてみてもいいか、と暇つぶしも兼ねて様子見をする。
それが、今まであれば、『らしい』と言われる行動だったように思える。
7:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/02/07(木) 01:36:17.08 ID:C30LFSPDO
期待
8:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/02/07(木) 02:08:44.28 ID:6bQd/3KSO
乙期待
9:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/02/07(木) 04:31:33.89 ID:NpLAMoHy0
乙期待乙
10:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/02/08(金) 12:17:58.56 ID:Ehc93PMXo
乙
久しぶりの番外通行スレだな
11:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/02/11(月) 01:19:17.35 ID:Dx2jkJ800
乙 俺得きたwww
12:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/02/21(木) 00:43:37.61 ID:tQF0wtHNo
まだかな
13:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/02/23(土) 11:36:44.25 ID:30a2LDNio
もう2週間か・・・
14:1.5[saga sage]
2013/03/04(月) 20:17:53.23 ID:z17TTo9R0
1.5
15:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]
2013/03/04(月) 21:07:36.86 ID:z17TTo9R0
実在年齢詐欺少年とは失礼な。
「僕はただ、他人より少しだけ背が伸びるが早かっただけです」
ジュニアハイスクールの高学年までの間に背を伸ばしそのまま成長が止まる人だってまま居るではないか、と続けると、
16:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]
2013/03/04(月) 21:32:51.27 ID:z17TTo9R0
「ああ、もう。別にお前と実年齢やら見た目年齢について応酬を交わすつもりはなかったというのに」
話題をそらされたのを、今更ながらご立腹してきたようだ。
僕があえて別の話題を提供したことを知った上で、軌道修正をしてくるあたり人が悪い。
17:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]
2013/03/04(月) 21:46:50.52 ID:z17TTo9R0
終わりよければ全てよしなんて、誰が言い始めた殺し文句だろうか。
まるで、結果さえよければ途中の苦難は全部を亡きものにしても許されるような、魔法の言葉だ。
彼、もしくは彼女が流した涙は幸福の陰に隠れてもよいのだろうかと、思わなくはないけれど。
18:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]
2013/03/04(月) 22:06:12.65 ID:z17TTo9R0
「私ははな、知らせを聞き、悪くない落とし所にたどり着いたと思うたのよ?」
学園都市に居る少年の周囲は常に人の流れがあった。群衆は老若男女問わないが、少年は接した年頃の乙女の大部分の心を掻っ攫った。
野次馬どもは最終レースの勝者が誰なのか気になったものだった。
19:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]
2013/03/04(月) 22:23:35.47 ID:z17TTo9R0
「―――育て子は、私にだって可愛い子に変わりない」
僕と彼女とでは善悪の基準が違うように、愛憎の基準もまた異なるのだろう。
一年おきに禁書目録(インデックス)の記憶を消し、僕と神裂を年単位で騙し続け、常に損得を考える人物だ。
20:投下終了[saga sage]
2013/03/04(月) 22:42:03.92 ID:z17TTo9R0
「……それこそ、余計なご心配かと」
「の、ようだったみたいだ。魔法名を後悔せなんだ。
この現状において名を誇りその志が折れぬならば、すでにFortis931の魔法名はステイル自身のモノであろう」
21:投下終了[saga sage]
2013/03/04(月) 22:50:39.20 ID:z17TTo9R0
1・5
ステイルや禁書目録が幼い頃から必要悪の教会に居たらな、という妄想です。
たくさんの乙コメントありがとうございます。
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