11: ◆auvPFY1.jw[saga sage]
2013/04/26(金) 14:57:19.01 ID:apyY2YgH0
そして、ようやく待ちに待った日曜日がきた。
女性と私的な用事で肩を並べ歩くことなど、ぼくは殆ど経験がない。
ぼくは早朝に起床し、インターネットで情報を集めた。
12: ◆auvPFY1.jw[saga sage]
2013/04/26(金) 14:57:48.69 ID:apyY2YgH0
「ちひろさん、お待たせしてすみません」
『…プロデューサーさん?メガネはしていないんですか』
13: ◆auvPFY1.jw[saga sage]
2013/04/26(金) 14:58:15.06 ID:apyY2YgH0
『本当におもしろかったです。あのシーンには、涙が出そうでした』
謝るのは、ぼくの方だろう。
映画の内容など覚えていないのだから。
14: ◆auvPFY1.jw[saga sage]
2013/04/26(金) 14:58:49.64 ID:apyY2YgH0
今度は、ぼくの提案した店に行くことになった。
言うなれば、隠れ家的雰囲気、というのだろうか。
入るのははじめてだったが、その内装には目を奪われた。
15: ◆auvPFY1.jw[saga sage]
2013/04/26(金) 14:59:23.63 ID:apyY2YgH0
ひと通り今日のデートへの意気込みを伝えていた。
そうだったんですか。と彼女は目をまるくした。
そして、ちひろさんに酒のせいではない頬の紅潮が見て取れた。
16: ◆auvPFY1.jw[saga sage]
2013/04/26(金) 14:59:49.79 ID:apyY2YgH0
それから3日経った水曜日のことだ。
あのデートの後から、ぼくはちひろさんと話していない。
互いに忙しく、時間がとれなかったのだ。
17: ◆auvPFY1.jw[saga sage]
2013/04/26(金) 15:00:33.52 ID:apyY2YgH0
以前より、ちひろさんの態度はさらに軟化していた。
交流を深めた結果もあったのだろう。
けれど、どこかその両肩は落ち着いていない。
18: ◆auvPFY1.jw[saga sage]
2013/04/26(金) 15:00:59.68 ID:apyY2YgH0
そこから土曜日までもちひろさんと話さなかったが、満足していた。
ぼくは、前述の仕事の企画のため、朝の11時には営業に向かった。
担当アイドルの名を伝え、企画の再確認などを行った。
19: ◆auvPFY1.jw[saga sage]
2013/04/26(金) 15:01:28.28 ID:apyY2YgH0
『それでは、すみません。失礼します、社長』
ちひろさんはそう挨拶をし、ぼくと共に事務所を出た。
これからのことで頭がいっぱいだ。
20: ◆auvPFY1.jw[saga sage]
2013/04/26(金) 15:02:05.56 ID:apyY2YgH0
小さなネックレスだった。
1万円くらいのネックレスで、ハート型をしていた。
彼女は愛でるようにそれを見て、ぼくに気がついた。
21: ◆auvPFY1.jw[saga sage]
2013/04/26(金) 15:02:31.81 ID:apyY2YgH0
『今日は私が出します。これだけは、譲りませんから』
彼女はちょっと困ったような表情で、ぼくにそう告げた。
ネックレスのことなら、気にしなくてもいいのに。
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