過去ログ - 咏「健夜さん、一度だけでいいから私と――」
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1: ◆kEnR9bcEp.
2013/06/24(月) 02:00:05.73 ID:R0GIOnqD0
 彼女は私を真っ直ぐに見つめていた。

 少女という形容が相応しい幼い外見。袖の丈が余った和服がその印象を増長させる。

 だがその表情は、その可憐な容姿とは裏腹に憂いを帯びたものだった。

 どこまでも真摯で、切実で、救いを求めているかのような、そんな視線。

 私はその視線から目を逸らすことはできなかった。


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2: ◆kEnR9bcEp.
2013/06/24(月) 02:01:59.00 ID:R0GIOnqD0
 彼女の名前は三尋木咏。

 迫り来る怒涛の火力の異名を持つトッププロ。

 そして、現在の日本のエース――かつて、私が居た位置に据えられた存在。
以下略



3: ◆kEnR9bcEp.
2013/06/24(月) 02:02:46.69 ID:R0GIOnqD0
 実のところ、私は全てを理解していた。

 今、彼女が何を考えていて、そして何を言い出そうとしているのか。

 何故なら、彼女のことを一番理解しているのはおそらく私だから。
以下略



4: ◆kEnR9bcEp.
2013/06/24(月) 02:03:43.29 ID:R0GIOnqD0
 だけど、彼女はそれを許してはくれないだろうことも分かっていた。

 だって、私が彼女を一番理解しているように、私のことを一番理解しているのも彼女だろうから。

 逃げ道を塞ぐように、私が聞きたくなかったその言葉を、彼女は口にした。
以下略



5:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/06/24(月) 02:05:09.76 ID:R0GIOnqD0
どうもはじめまして。
本日は冒頭だけの投下とさせていただきます。短くてすみません。
非安価で、だいたい週に一度ぐらいのペースで投稿していきたいと考えてます。

私の妄想にほんの少しの間お付き合いいただければ幸いです。
以下略



6:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/06/24(月) 02:06:50.93 ID:tGfIwj4wo
乙期待

> 「健夜さん、一度だけでいいから私と――」
この後「貴女と合体したい」とかそんなことしか浮かびませんでしたすみません


7:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/06/24(月) 09:36:49.96 ID:wEkvELYwo
俺もだ


8:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/06/24(月) 13:44:44.09 ID:skhZnbwKo
乙ー!
期待してます


9: ◆kEnR9bcEp.[saga]
2013/07/01(月) 01:59:06.58 ID:qQ6JEELU0
*  *  *  *  *  *  *  *  *  *  *  *

 小鍛治健夜は、夏になると東京での仕事が増える。
 この季節は東京で麻雀のインターハイが開催されるからだ。

以下略



10: ◆kEnR9bcEp.[saga]
2013/07/01(月) 02:01:30.61 ID:qQ6JEELU0

 その日もインハイ関連の仕事を終え、健夜は放送室を立ち去ろうとしていた。

健夜「……」

以下略



11: ◆kEnR9bcEp.[saga]
2013/07/01(月) 02:03:08.28 ID:qQ6JEELU0

健夜「もう、こーこちゃん。いきなり何するの」

 奇襲をかけてきた相手の名前は福与恒子。職業アナウンサー。
 健夜とは仕事上パートナーを組まされることが多い相手であり、個人的な友人でもある相手だ。
以下略



12: ◆kEnR9bcEp.[saga]
2013/07/01(月) 02:04:47.96 ID:qQ6JEELU0


健夜「まったくこーこちゃんは……急に後ろから抱きつくのは驚くからやめてよ。心臓が止まるかと思ったよ」
恒子「ん? 急じゃなければいいのかな?」
健夜「いや、そういう意味じゃないからね!?」
以下略



13: ◆kEnR9bcEp.[saga]
2013/07/01(月) 02:05:55.32 ID:qQ6JEELU0

 普段とは違う、心配そうな声音。
 恒子の言葉が何を指しているのか察しはついていたものの、

健夜「最近どうしたって、何が? インハイ関連でちょっと忙しいぐらいだけど」
以下略



14: ◆kEnR9bcEp.[saga]
2013/07/01(月) 02:08:02.52 ID:qQ6JEELU0

健夜「うん、ごめん。ちゃんと話すね。そんな心配してもらうようなことじゃないんだけど……」

 口にしながら、健夜は廊下の前後を確認する。
 人はほとんど居ないものの、皆無というわけではない。
以下略



15:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/07/01(月) 02:15:13.97 ID:qQ6JEELU0
今回の投下はここまでです。
短い上に話もほとんど進んでおらず、すみません。
次回以降は会話中心になってくれると思うので、もうちょっとテンポはマシになるのではないかと……


以下略



16:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/07/01(月) 03:29:03.14 ID:LZePWrXZo
乙ー


17:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/07/06(土) 00:46:45.20 ID:ybcqBbSP0
面白い。楽しみが増えそうだ


18:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/07/06(土) 22:31:48.77 ID:ybcqBbSP0
今日来るかな?


19:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/07/06(土) 23:16:21.24 ID:zetLR1Keo
まだかなまだかな


20: ◆kEnR9bcEp.[saga]
2013/07/07(日) 01:06:02.48 ID:jk2UzQEY0
*  *  *  *  *  *  *  *  *  *  *  *

 恒子が連れてきたのは、都内にある小さな居酒屋だった。
 個室と彼女が言っていたが、座敷席を仕切りでいくつかに分けたような作り。席をカーテンで区切っただけで個室と名乗る店があることを考えると上等といえるだろう。
 仕切りは薄く防音は完全とはいえないが、うるさいというほどでもなく。むしろ適度なざわつきは飲み屋特有のBGMといえるかもしれない。
以下略



21: ◆kEnR9bcEp.[saga]
2013/07/07(日) 01:08:50.58 ID:jk2UzQEY0

 そして乾杯。ぐいっと豪快にジョッキを傾ける恒子。一方、健夜は両手でジョッキを持ってちびちびと口につける。

恒子「ぷはーっ。この一杯のために生きてるーっ」
健夜「こーこちゃん、ちょっと親父くさいよ……」
以下略



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