5: ◆tSiWM5GIyDZg[saga]
2013/07/14(日) 18:16:19.18 ID:EnRHzSex0
  
 あなたは 幸せ ですか? 
  
  ○はい ○いいえ 
  
6: ◆tSiWM5GIyDZg[saga]
2013/07/14(日) 18:16:54.29 ID:EnRHzSex0
  
 送信先のメールアドレスは文字化けしていて、とても判別できない。 
  
 冷静であったなら「スパムメールか」と、すぐに削除していただろう。 
 しかし、僕は冷静ではなかった。「冷静を装っていただけ」であった。 
7: ◆tSiWM5GIyDZg[saga]
2013/07/14(日) 18:17:20.62 ID:EnRHzSex0
  
 そこには、僕の幼なじみの名前が表示されていた。 
  
 「幼なじみ」と彼女を形容するには、あまりふさわしくないかもしれない。 
 何故なら、彼女とは小学校低学年のときに、彼女の引越しで疎遠になった。 
8: ◆tSiWM5GIyDZg[saga]
2013/07/14(日) 18:17:52.71 ID:EnRHzSex0
  
 「ああ。これ。演劇用のビデオ。音声字幕付き。おかげで吐きそうなのよ」 
  
 「窓を開けるから待って」という彼女の言葉の後には、溜息がこぼれていた。 
 疲れているのだろうか。そういえば、彼女は、何か用があったのではないか? 
9: ◆tSiWM5GIyDZg[saga]
2013/07/14(日) 18:18:26.84 ID:EnRHzSex0
  
 「それって、幸せを運ぶ不幸のメールじゃない。わたしのところにも来た」 
  
 一瞬でも、僕は耳を疑った。何なのだろう、その矛盾に満ちたネーミングは。 
 どうにも、彼女は何かしらの詳細を知っていたようなので、僕は尋ねていた。 
10: ◆tSiWM5GIyDZg[saga]
2013/07/14(日) 18:18:53.08 ID:EnRHzSex0
  
 「『いいえを選ぶ。どうせ、噂なんだからな』そう言って、彼は選んだ」 
  
 「その日から、彼は一変していた。どこに行っても、彼はおかしかった」 
  
11: ◆tSiWM5GIyDZg[saga]
2013/07/14(日) 18:19:24.04 ID:EnRHzSex0
  
 僕が帰り道で抱いていた淡い期待は、母の厳しい声によって砕かれた。 
  
 帰ってくるなり、僕の言葉を待つ事もなく、激しく批難されていた。 
 玄関で立ち尽くしている僕に同情したのか、父が母を止めに入った。 
12: ◆tSiWM5GIyDZg[saga]
2013/07/14(日) 18:19:54.64 ID:EnRHzSex0
  
 すると、すぐにメールの着信音が鳴り響いた。 
  
 僕は、その音を聞いて、すぐに表情が青ざめていくのを感じていた。 
 まさか。僕は自殺する事になるというのか?いたずらじゃないのか。 
13: ◆tSiWM5GIyDZg[saga]
2013/07/14(日) 18:20:20.95 ID:EnRHzSex0
  
 気がついて携帯で時刻を確認したら、二十四時を迎えようとしていた。 
  
 身体が痛いと上体を起こし、ゆっくりと辺りを見回してみた。 
 どこだ、ここは。僕は、先ほどまで、自室にいたはずなのに。 
14: ◆tSiWM5GIyDZg[saga]
2013/07/14(日) 18:21:14.77 ID:EnRHzSex0
  
 「では、仮にその話を信じるとしましょう。願いを叶えてくれるのですか」 
  
 「はい。とは申しましても、叶えるのは、わたくしではないのですけれど」 
  
15: ◆tSiWM5GIyDZg[saga]
2013/07/14(日) 18:21:51.12 ID:EnRHzSex0
  
 「一生ですから、一生を賭けるに値する神様へのお願いです。つまり信仰」 
  
 「神様を信じるからこそ、願うのです。これは、神様にとって有益なので」 
  
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