過去ログ - 真姫「私とことりが××になるまでの話」
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1:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/07/14(日) 23:26:39.88 ID:wyFxlgg90
真姫「マッタクー、なんでこのマッキー様がこんな重いものを運ばなきゃならない訳?」

私は教師に頼まれてアンプを運んでいた。かなり重く、数歩進むたびに休憩をしながら校門まで運んでいた。階段に差し掛かる。降りるときに足元が見えなくてちょっと危ない。何とか壁に寄り添いながら階段を降りていく。途中、同じクラスの女の子とすれ違って、「あっ・・・」とか言われたけど結局何も無かった。あの子と友達だったら手伝ってくれたのかな、頼んだら手伝ってくれたのかなと思いながら階段を降りる。ちょっと悲しくなったなんていえない。

それにしても重いわねー。腕が限界になって来た。でももしここで落としでもして下に人がいたら大変なことになる。最善の注意を払って階段を降りていく。

最後の階段に差し掛かったところでつらくなってきた。踊り場でちょっと休憩してもう一頑張りと自分を励まし、重いアンプを持ち、階段を降りる。

でも、このとき、私は一生後悔するような不覚を起こしてしまった。

ガンッ!

真姫「いたっ!」

アンプを持った勢いで一気に階段を降りようとしたところ、出っ張っている手すりに手をぶつけてしまった。その衝撃で手がすべり、アンプを落としてしまった。

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2:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/07/14(日) 23:32:12.13 ID:wyFxlgg90
真姫「し、しまっ!」

耳を塞ぎたくなるようなものすごい音を立てながら階段を落ちていくアンプ。私には止めることはできない。私は祈るしかなかった。どうか下に人がいないことを。でも、事態は最悪だった。

ことり「え・・・えっ・・・?」
以下略



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2013/07/14(日) 23:33:44.23 ID:wyFxlgg90
真姫「ことりぃぃーーー!!」

私はすぐにことりの元に駆け寄った。階段を二段も飛ばすのは初めて。いや、それどころじゃない。

ことり「うっ・・・いっ・・・・・・いたっ・・・ぅぅぅぅぅ・・・・・・」
以下略



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2013/07/14(日) 23:35:46.92 ID:wyFxlgg90
私が叫んでいると生徒が駆け寄ってきた。その子は口を抑えて目を見開いていた。私はその子に言った。

真姫「助けて!!お願い助けて!!」

無理だろう。多分あの子より私のほうが治療の知識はある。でも助けを呼ぶことしかできなかった。
以下略



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2013/07/14(日) 23:37:15.76 ID:wyFxlgg90
目撃者・・・加害者として事の成り行きを詳しく説明した。お医者さんの話によるとアンプがぶつかった衝撃で両足を骨折。階段から落ちたことで右の手のひらを骨折。おでこは傷が深く、大量出血し、放っておくと危険な状態だという。階段から落ちたときに強打した後頭部は病院に着いて詳しく調べないとわからないらしい。

病院に着いた救急車はすぐにことりを手術室に運んだ。私は手術室の前で止められた。「手術中」の文字が光り、長い手術が始まった。

私は手術室の前で必死に祈った。ことりが無事であることを。自分はどうなってもいいからことりを助けてと神に祈った。ことりと過ごした日々が蘇る。私とことりは別に特別仲が良いわけでもなかったけど、でも、私の数少ない友達としてとにかく助かることを祈った。


6:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/07/14(日) 23:39:41.43 ID:wyFxlgg90
・・・

何分、いや何時間経っただろう。手術中の文字が消えるまで私はずっと心臓がバクバクし、常に手足が震えていた。そのころにはμ'sのメンバーはみんな集まっていて、私を必死に励ましてくれていた。理事長・・・ことりのお母さんやお父さんも集まっていた。私はこの人たちに死ぬほど責められると思っていたが、自分の娘が心配でそれどころではなかったようだ。ことりのお母さんは泣きながら無事を祈り、お父さんはそれをなだめながらもかなり混乱していた。

手術中の文字が消え、中から私のお父さんが出てきた。お父さんは無事手術は成功した、しばらく入院する必要があるが、命に別状は無いと言った。それを聞き、その場にいる全ての人が安心した様子。お父さんはことりの両親を呼び、何処かに話しに行った。
以下略



7:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/07/14(日) 23:41:28.31 ID:wyFxlgg90
改めて怪我について詳しく説明された。後頭部の強打は偶然にもたんこぶだけで済んだらしい。骨折に関してもそこまで複雑ではなく、ちゃんと安静にしていればいつもどおりの生活に戻れるらしい。

私は怒られると思っていた。家から追い出される覚悟もしていた。でも両親はそういう話はしなかった。ただ、とにかくことりの両親や友達、そしてことりにしっかり謝りなさいと言われた。

その日、寝る前、私は考えた。自分の不注意のせいでことりにものすごく辛い思いをさせてしまった。非は完全に自分にある。あの元気だったことりの自由を奪ってしまった。とにかく後悔した。そして決めた。
以下略



8:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/07/14(日) 23:43:07.71 ID:wyFxlgg90
翌日の土曜日、今日は学校は休み。特に予定は無いので今日一日中自分の自由な時間だった。私は起きてすぐことりの家に向かい、ことりの両親に謝った。事情を詳しく説明し、自分の不注意が原因だった、全ての責任は私が持つと言った。殴られる覚悟だったが、ことりの両親は許してくれた。ことりのことをお願いねと言われた。その後、病院に向かい、ことりの病室に向かった。ベッドの隣の椅子に座り、私はずっとそこで一日を過ごした。μ'sのメンバーやことりの両親、友達がお見舞いに来たりしたが、私はそこを離れることなく食事も売店のパンで済ませた。結局ことりは今日一日、目を覚ますことは無かった。

夜になり家に帰る。ずっと座っていたのでお尻が痛い。ベッドで横になるのが気持ちよかった。明日は柔らかい座布団でも持っていこうなんて考えながら眠りについた。


9:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/07/14(日) 23:45:13.39 ID:wyFxlgg90
翌日、とうとうことりが目を覚ました。偶然居合わせた穂乃果と海未はことりを抱きしめながら泣いていた。私も泣いた。μ'sの他のメンバー、ことりの両親、友達に連絡し、みんな集まった。ことりは記憶がないらしく、「あれ?私音楽室行かなきゃいけないのに・・・」とか言っていた。案外ことりは大丈夫そうで、みんなと楽しそうにおしゃべりをしていた。ちょっと痛いけど我慢できるらしい。私はとても安心した。

夕方になり、みんな帰っていった。私だけ残った。ことりは不思議そうに「真姫ちゃんは帰らないの?」と聞いてきた。帰らない、帰れない理由があるとことりに説明すると、ことりはぽかんとしていた。

私は謝った。ひたすら謝った。自分のせいでことりをこんな目に遭わせてしまった。ことりの言うことは何でも聞く。入院代も払う。だから、お願いだから許して欲しいと頼んだ。


10:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/07/14(日) 23:46:19.76 ID:wyFxlgg90
ことり「何でも?」

真姫「ええ。何でも聞くわ。どんな些細なことでもいい。ことりがしたい、して欲しいと思ったことがあったらなんでも言って」

ことり「ほんとに何でもいいの?じゃあ今からケーキ買ってきてっていっても買ってきてくれる?」
以下略



11:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/07/14(日) 23:47:24.57 ID:wyFxlgg90
真姫「ことりの自由を奪い、辛い思いをさせてしまったのは私。私にはことりに全てを捧げる義務がある」

真姫「それに・・・ことりにそこまでしないとね・・・私が許せないの。私が私自身を許せないの」

なんていうか・・・ものすごい発言をしたと思う。遠まわしに私はあなたの奴隷になりますって言っているようなものね。でもそれが当然だと思っていた。
以下略



12:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/07/14(日) 23:50:07.91 ID:wyFxlgg90
翌日、学校にいつも通り登校した。放課後はμ'sの練習に参加し、練習後メンバーみんなでことりのお見舞いに行った。メンバーは30分ほどで帰るが、私だけは違った。

ことり「真姫ちゃん?真姫ちゃんは帰らないの?」

真姫「何?帰って欲しいの?」
以下略



13:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/07/14(日) 23:51:34.94 ID:wyFxlgg90
ベッドの台に置かれたこの食事。ことりは普段利き腕ではない左手で食べているという。看護婦さんにも迷惑を掛けまいと思っているのか。不慣れな感じで食事を始めた。

μ'sのみんなで食事を食べたことがある。その時のことりはすごく笑顔で本当に楽しそうにうまそうに食事を取っていた。でも今は・・・あまり食が進んでいない様子。若干変な顔をしている。

真姫「食べずらそうね」
以下略



14:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/07/14(日) 23:52:39.48 ID:wyFxlgg90
真姫「はい、あーん」

ことり「え、は、恥ずかしいよ・・・///」

真姫「あーん!」
以下略



15:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/07/14(日) 23:53:41.45 ID:wyFxlgg90
ことり「ま、真姫ちゃん?」

真姫「ことり、あなたの一番好きな食べ物は何?」

ことり「えっ、好きな食べ物?それがどうかしたの?」
以下略



16:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/07/14(日) 23:54:53.22 ID:wyFxlgg90
真姫「ほら、食べなさい」

ことり「こ、これ・・・チーズケーキ?」

真姫「そうよ、好きなんでしょ?ほら、食べさせてあげるから」
以下略



17:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/07/15(月) 00:04:19.78 ID:wTB+1NBA0
次の日、昨日と同じように学校に行き、μ'sの練習をしてみんなで病院に向かった。ことりは変わらずの笑顔でみんなを迎えた。そしてみんなが帰り、私だけが残った。

ことり「ま・・・真姫ちゃん・・・?」

真姫「何?」
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18:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/07/15(月) 00:07:15.71 ID:wTB+1NBA0
私はまたダッシュで駅前のあの店に向かった。ことりは安いのでいいと言っていたけどことりを喜ばせるためにちょっとお高いショートケーキを買った。そしてダッシュで病院に戻った。

別にダッシュをする必要は無い。ことりに急げと言われているわけでもない。でも、少しでも早く戻ってことりを喜ばせてあげたかった。

病院に着きことりにケーキをあげるとまた嬉しそうな顔をして、私の脳がとろけるようなあま〜い声を出しながら美味しそうにケーキを食べた。でも、ケーキを半分食べたところでことりがケーキを拒否した。
以下略



19:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/07/15(月) 00:09:13.91 ID:wTB+1NBA0
夜遅くなり、私がいつも帰る時間になった。帰ろうとしたところ、ことりが私のことを呼んだ。

ことり「真姫ちゃん!」

真姫「何?」
以下略



20:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/07/15(月) 00:11:40.56 ID:wTB+1NBA0
翌朝はことりの声で目が覚めた。学校まで時間は余裕だったが、着替えもしていなかったのでことりとちょっと話し、家に戻った。両親には昨日メールで知らせていたので特に心配されなかった。っていうかいなかった。私はシャワーを浴び、今日の学校の準備を済ませて、すぐ学校に向かった。

学校ではいつもどおりだった。でも、私の頭の中ではことりの言葉が何度も思い出されていた。

放課後、いつもならμ'sの活動をしているところだが、今日は学校が終わってすぐ病院に向かうことにした。
以下略



21:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/07/15(月) 00:14:24.78 ID:wTB+1NBA0
真姫「ことり、来たわよ」

ことり「えっ、真姫ちゃん?今日は早くない?」

真姫「ええ、部活サボってきたからね」
以下略



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