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2013/08/25(日) 14:09:08.85 ID:H5xsxe7ro
白状するのはとんでもなく嫌だけど、僕は女の子に触れたことがない。
いや、あるにはあるか。幼稚園だか小学校だかの催し物で手をつないだことぐらいなら。
それ以外はない。自信を持って皆無と言える。
とても悲しい自信だけれど、それが事実だ。
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2013/08/25(日) 14:10:48.36 ID:H5xsxe7ro
良心が咎めた。
いや嘘だ。僕は純粋に恐れていた。
女の子が怖い。犯罪も怖い。なによりこれから行うであろう行為が怖い。
美人局ということだって考えられそうだ。
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2013/08/25(日) 14:11:29.42 ID:H5xsxe7ro
「なんで立ってるの。座ったら?」
呆けていた僕はそれを聞いて我に返った。
「いや、でも……」
もごもごと言葉を探す。
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2013/08/25(日) 14:12:06.81 ID:H5xsxe7ro
「あの」
結局根負けして僕は彼女に顔を向ける。
「僕は金もないし、こういったいかがわしいことは」
「したくない?」
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2013/08/25(日) 14:12:58.01 ID:H5xsxe7ro
二千円?
こういったことの相場なんて知るはずもないが、
そんな僕だってその額がおかしいことぐらいは分かる。
「お得でしょ」
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2013/08/25(日) 14:13:50.85 ID:H5xsxe7ro
と。
何かが軽く背中にぶつかった。
驚いて見下ろすと、身体に細い腕が回されている。
少女に抱きしめられていた。
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2013/08/25(日) 14:14:27.46 ID:H5xsxe7ro
くらくらして、ほとんど気を失ったような状態になった。
彼女に導かれてベッドに倒れ込んだことだけは分かった。
僕の下半身に顔をうずめる彼女に、はっきりとしない意識の中で訊ねた。
「君は、一体なんなんだよ……」
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2013/08/25(日) 14:14:55.99 ID:H5xsxe7ro
続きます
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2013/08/25(日) 17:01:50.40 ID:ZzH7WTYi0
これは期待
22:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/08/25(日) 19:51:48.77 ID:H5xsxe7ro
……
目を覚まして最初に見えたのは、ホテルのそれなりに広い天井……ではなかった。
安アパートのひどく狭苦しい、薄汚れたそれだ。
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2013/08/25(日) 19:52:28.07 ID:H5xsxe7ro
枕元に放っていた安物の腕時計に目をやる。
出勤時間まではまだ余裕があるが、そろそろ起きなければ支度が間に合わない。
こわばった身体をおもむろに布団から引きはがした。
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