過去ログ - まほ「みほが公式試合で私が好きだと言ったらしいのだが・・・」
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2013/10/10(木) 15:52:48.41 ID:qdXsAWWu0
色々知識足りないのでご容赦を。みほまほ。百合。たぶん18禁
戦車は人の手によって動く機械だ。動かされるものだ。
重厚で高火力な装備をいくら兼ね備えた所で、そこに生命無き以上、轍一つ作れはしない。
戦車は、人間の魂を注いでやる必要がある。
同じように西住流には、西住まほを捧げる必要がある。
私の歩むすべての道が、西住流と言われ続ける。
過去延々と受け継がれてきたこの血によって。
真っ直ぐに、勝利のみを掴みとる。
人間の魂を削り取るように。
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2013/10/10(木) 15:58:53.67 ID:qdXsAWWu0
灰色の雲から逃げるようにして、私は家路をたどっていた。
履帯と車輪の織りなす音も、湿気のせいかいつもより大人しい。
それでも、枝に止まる鳥達が我先に逃げていくには十分過ぎる。木々が一際大きく揺れた。
一雨来るのだろう。
以下略
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2013/10/10(木) 16:01:47.17 ID:qdXsAWWu0
時折、みほの話を学校でも耳にするようになった。
人の噂には興味などなかったが、それが妹ならば少しは真剣に耳を傾ける。
人生の中で、戦車以外に興味を持ったことなど片手で数えるほどしかない。
知識として吸収し、感情としては捨てていた。あの高校の誰々が、彼氏を作ったとか、誰々の両親が離婚したとか。
以下略
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2013/10/10(木) 16:03:57.12 ID:qdXsAWWu0
門下生を見送ってから、家の門をくぐる頃には7時を回っていた。
「お姉ちゃん」
壁際に寄り添うように立っていた影が揺り動く。
以下略
5
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2013/10/10(木) 16:05:13.97 ID:qdXsAWWu0
生家に戻ってきて、改めてゆっくりするのもおかしな話かもしれない。
ただ、私達姉妹が、きちんと腰を落ち着けて話をする、それを母が嫌うため仕方ないのだ。
西住流に穢れをいれたくないのだと言うのだ。気持ちが分かる、そう言えてしまう私も同罪なのだろう。
母がいない今だからこそ、みほはここに戻ってこれた。それを、あえてみほに言う必要はなかった。
以下略
6
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2013/10/10(木) 16:07:39.38 ID:qdXsAWWu0
とりあえずここまでです
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2013/10/10(木) 16:09:30.14 ID:PPmMEd0AO
乙ん
期待
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2013/10/10(木) 16:53:59.28 ID:2Tq4iAMKo
乙
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2013/10/10(木) 19:21:36.15 ID:qdXsAWWu0
「どうした? 眠れないのか?」
「うん……たくさんお話したせいかな。目が冴えちゃった」
まだ何か話したいのだろう。みほの口調からうかがえたが、私は早く寝るように促した。
以下略
10
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2013/10/10(木) 19:51:59.14 ID:qdXsAWWu0
「そうか……」
妹に母のことをどう思っているのか聞いたことはなかった。
聞いたところで、妹ははっきりと感情を出す子ではない。
何か思う所があったとしても、きっとその小さな胸に仕舞い込んでしまうのだろう。
以下略
11
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2013/10/10(木) 20:17:09.33 ID:qdXsAWWu0
「みほ……」
「お母さんのことね……やっぱり今でもよく分からないんだ……分かりたいのにね」
みほの声は震えている。
以下略
12
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2013/10/10(木) 20:35:45.79 ID:qdXsAWWu0
「でも、いつまでも私にとらわれないで欲しい。みほはもう母に抑えつけられ、私の後ろを追いかけていた、小さな女の子じゃなくなったんだ」
「うん、そのつもりだよ」
みほの声は、先ほどとは打って変わってきっぱりとしたものだった。
以下略
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2013/10/10(木) 20:51:46.14 ID:qdXsAWWu0
「ゥッ……ッ」
「え? お、お姉ちゃん? 泣いてるの? え、え?」
みほがむくりと起き上がった。さすが、耳がいい。
以下略
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2013/10/10(木) 21:09:29.55 ID:qdXsAWWu0
「ッつ……すまない、みほ。怪我はない?」
みほの顔が正面にあった。どうやら完全にみほを下敷きにしてしまったらしい。
「下、お布団だし大丈夫だよ……」
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2013/10/10(木) 21:30:50.36 ID:qdXsAWWu0
仲間の話していた噂を今さらながらに思い出していた―――。
『公式試合で、お姉さんのことが好きだって公言したって』
あれを鵜呑みにはしていない。ただ、だんだんみほが私を見る目が変ってきたのは分かっていた。
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2013/10/10(木) 21:48:24.37 ID:qdXsAWWu0
「うん……」
返事をしつつも、動く気配はない。こちらを艶っぽく見下ろしている。気が付けば、今の取っ組み合いで
私の寝巻のボタンが外れて胸が半分露わになっていた。
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17
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2013/10/10(木) 21:49:31.88 ID:qdXsAWWu0
訂正 みほの指の腹
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2013/10/10(木) 21:58:51.48 ID:qdXsAWWu0
一瞬息が止まるような痛み、追いかけるように下腹部をしめつけるような快感が押し寄せる。
「お姉ちゃんの良いとこスイッチ一つ発見……えへへ」
「ッふ……ッみほ、これ以上は」
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2013/10/10(木) 22:10:03.01 ID:qdXsAWWu0
「冗談じゃ……ないんだな」
みほがこんな大きな冗談を言えるわけがない。みほはいつだって本気だった。
それを私がしっかりと受け止めてあげたことはあっただろうか。
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2013/10/10(木) 22:19:20.00 ID:qdXsAWWu0
みほがこうやって、まだ西住に未練を残してくれているのは、思い上がりかもしれないが私がいるからなのだろう。
最後の最後、かけに出た。自分が西住に必要なのかなのではなく、自分は西住を必要なのか。
「ああ、みほ……お前の本当に欲しい答えが分かった」
以下略
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2013/10/10(木) 22:29:06.28 ID:qdXsAWWu0
―――その後、何ヵ月か経って、西住みほは、その性を改めた。
彼女は彼女自身にその身を捧げることを決意したのだ。
私は自分の半身を手放すことになった。
痛みと後悔が残った。
以下略
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