過去ログ - 佐久間まゆ「いつもあの子がそばにいる」
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2:aho ◆Ye3lmuJlrA[sage]
2013/12/16(月) 21:35:09.39 ID:pFDECU7w0
 ◆

「最近、心霊現象が続いて夜眠れないんです……」
「心霊現象……」
「ですか……」
以下略



3:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/12/16(月) 21:35:44.09 ID:cBChZQeN0
あの子かと思ったらあの子だった
支援


4:aho ◆Ye3lmuJlrA[sage]
2013/12/16(月) 21:35:54.74 ID:pFDECU7w0
「ただいま帰りましたぁ」

 いつも通りにそう呟きながら玄関のドアを開けると、リビングに続く廊下の壁と天井一面に隙間なく貼られたプロデューサーの写真と自作ポスターの数々が出迎えてくれた。
 残念ながら目線がこちらを向いている写真は極少数だが、まゆとしてはそれでも十分満足である。写真越しにプロデューサーの存在を感じて陶然とした気分に浸りながら、ゆっくりとリビングに向かう。
 いちいち説明するまでもないことだが、リビングの壁と天井もプロデューサーの写真とポスターで一杯だ。常に想い人の存在を意識しながら生活出来る最高の部屋なのだ。
以下略



5:aho ◆Ye3lmuJlrA[sage]
2013/12/16(月) 21:36:28.07 ID:pFDECU7w0
 それはこっそり録音したプロデューサーの音声の中から、特にお気に入りのものをお気に入りの順番で編集した特製の音声ファイルだった。これを聞きながらだと学校の勉強も趣味の裁縫や料理も驚くほど捗るのだ。
 愛の力以外の何物でもない。

『元気か、まゆ』
「うふふ……♪」
以下略



6:aho ◆Ye3lmuJlrA[sage]
2013/12/16(月) 21:37:24.67 ID:pFDECU7w0
「……という、とっても怖い出来事が……あら、お二人ともそんなにコーヒーが苦かったんですか?」
「いえね……」
「コーヒーのせいじゃなくて……」

 何かげんなりしたような顔の二人にまゆが首を傾げると、歌鈴が躊躇いがちに手を挙げた。
以下略



7:aho ◆Ye3lmuJlrA[sage]
2013/12/16(月) 21:38:02.88 ID:pFDECU7w0
「ともかく、それですっかり怖くなっちゃったわけね」
「はい……だから、是非とも歌鈴ちゃんに対処をお願いしたくて」
「え……た、対処ってなんですか?」

 歌鈴がぎょっとしたように言う。
以下略



8:aho ◆Ye3lmuJlrA[sage]
2013/12/16(月) 21:38:46.48 ID:pFDECU7w0
「あ、あの!」

 ちょっと強い口調で割って入り、

「いえ、別にそこまでしてほしいわけではなくて……ただ、遠ざけてくれるだけで……」
以下略



9:aho ◆Ye3lmuJlrA[sage]
2013/12/16(月) 21:39:41.51 ID:pFDECU7w0
「……かわいそうだとは思ったんですけど……」
「まあ、何が起きてるのかもよく分からない状況だと、不用意なことは言えないわよね……呪われないとも限らないし」

 礼子は慰めるように言った後、「それで」と訊いてくる。

以下略



10:aho ◆Ye3lmuJlrA[sage]
2013/12/16(月) 21:40:39.93 ID:pFDECU7w0
「やっぱり、私自身がちゃんと……やめてほしいって、小梅ちゃんに伝えなければいけないんですよね」
「それなんですけど、あの」

 歌鈴が気遣うように、遠慮がちに提案する。

以下略



11:aho ◆Ye3lmuJlrA[sage]
2013/12/16(月) 21:41:29.68 ID:pFDECU7w0
「でも、私は……」
「どうしても幽霊が怖い。だったわね?」
「……はい」
「そう……ところで、歌鈴ちゃん」
「はひっ!? な、なんでつか!?」
以下略



12:aho ◆Ye3lmuJlrA[sage]
2013/12/16(月) 21:42:23.85 ID:pFDECU7w0
「……実際怖い目に遭っていて、元々怖い話の類が苦手なら、幽霊っていう記号やネガティブなイメージに引っ張られて思考が止まっちゃうのも分かるわ。仕方のないことよ」

 でもね、と礼子は言う。

「もしもそうなったら……恐怖や不安で思考が止まりそうになったら、一度深呼吸して、思い出してあげて。まゆちゃんがそこまで悩んで気遣って、どうしても守ってあげたかった白坂小梅ちゃんが、どんな女の子なのかを。そして、その子のお友達のことを」
以下略



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