過去ログ - 星の声が聞こえている
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21:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/06/08(日) 21:09:48.90 ID:IECLU4W9o

 つまりはこういうことだ。
 自分をよりよく変える上で自分ではなくなってしまった場合それは本当によりよくなったといえるのだろうか、と。

 変化するとはどうしても自分ではなくなるということと背中合わせになる。
以下略



22:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/06/08(日) 21:10:33.74 ID:IECLU4W9o

 考えれば考えるほど深みにはまる。
 別のことを考えようと思い、ケイは目をつむった。
 どうせこれ以外にもいくらでも悩み事はあるのだ。
 せっかく考えるなら楽しいことを考えられればいいのだが、これもきっと性質なのだろう。
以下略



23:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/06/08(日) 21:11:03.64 ID:IECLU4W9o

 音の出どころは近くではないが遠くでもないようだ。
 いまいちわからないが聞こえてくる方向にいたってはもっとわからない。
 顔をあちこちに向けてみるが音は一様に聞こえてきた。

以下略



24:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/06/15(日) 21:32:37.50 ID:5+LUo+t4o

……

「大丈夫? 痛かっただろ?」
「はあ……まあ」
以下略



25:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/06/15(日) 21:33:06.68 ID:5+LUo+t4o

 年はよくわからないが若くはない。
 かといってそう老けているようにも見えない。
 三十代ほどなのだろうが雰囲気や声の印象はもっと若かった。
 見ない顔だなと思った。
以下略



26:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/06/15(日) 21:33:34.47 ID:5+LUo+t4o

 ムロイは次に「君の名前は?」と訊ねてきた。
 よく知りもしない人に明かすのはためらわれたが、上手く拒否することもできず結局は教えることになった。
「なるほど、ケイね。いい名前だ」
 彼はそう言ってもう一度うなずいた。
以下略



27:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/06/15(日) 21:34:03.92 ID:5+LUo+t4o

「その……あまり気にしないでください。自分のせいって部分も大きいですし」
 早く切り上げて帰ろう。そう思った。
 事務的なこと以外で人と話すのはなんだか久しぶりで、居心地の悪さが胸のあたりに溜まっていくのを感じる。
 ちくちくと不快で、できることならすぐにでも逃げ出したい気分だった。
以下略



28:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/06/15(日) 21:34:47.38 ID:5+LUo+t4o

 その携帯ラジオらしきものからはノイズのような高い音が聞こえる。
 まさにラジオのチューナーがうまく会ってない時に出るあの耳障りな音。
 昼間も聞いたあの異音だ。

以下略



29:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/06/22(日) 18:39:19.56 ID:kSjeRAO4o

……

 星の声を聞くための装置、と彼は言った。
 それは今、ケイの手の中にある。
以下略



30:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/06/22(日) 18:39:46.40 ID:kSjeRAO4o

(本当になんなんだろう)
 手の上のそれを見下ろす。
 携帯ラジオ。
 見た目はそれ以外の何物でもないが、星の声を聞くための装置と言われると何やら重量がある気がしてくる。
以下略



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