47:オータ ◆aTPuZgTcsQ[saga]
2014/08/26(火) 00:10:54.71 ID:57lCD6A/O
彼女はタバコを踏み潰して、俺をちらりと見た。
「それにしても、センスのない服ね」
48:オータ ◆aTPuZgTcsQ[saga]
2014/08/26(火) 00:13:38.48 ID:57lCD6A/O
木の葉に忍び込まなければいけないなんて、なんとも情けないが、見慣れた門の近くまで到着してしまった。
結界は暗部の暗号を使って突破すれば、なんとかなるだろう。
俺は暗部の姿に変化して、里に侵入した。
49:オータ ◆aTPuZgTcsQ[saga]
2014/08/26(火) 00:15:35.14 ID:57lCD6A/O
「俺を捕まえたことですか?」
俺はなんでもないことのように言った。
50:オータ ◆aTPuZgTcsQ[saga]
2014/08/26(火) 00:18:09.63 ID:57lCD6A/O
俺は分身から封筒を受け取り、公園で資料を確認することにした。
公園には子供が多く走り回り、はしゃぐ声は楽しげだ。
片隅のベンチを陣取り、書類を一枚取り出した。
51:オータ ◆aTPuZgTcsQ[saga]
2014/08/26(火) 00:20:15.20 ID:57lCD6A/O
やがて母親も早くに亡くし、はやがねリンはのはら夫妻の養子になり、息子のドウタクは行方が分からないままだ。
封筒には、さらにもう一枚だけ書類が入っていた。
52:オータ ◆aTPuZgTcsQ[saga]
2014/08/26(火) 00:21:40.59 ID:57lCD6A/O
それから何時間か走ったが、やっと三分の二に到達したところで日が暮れた。
適当な宿屋が見つからなかったので、野宿することになってしまった。
鬱蒼としげる草むらに一人横たわる。
53:オータ ◆aTPuZgTcsQ[saga]
2014/08/26(火) 00:23:03.65 ID:57lCD6A/O
数時間後、目を覚ました俺は少しだけマスクをとった。
深呼吸をして新しいマスクをつける。
コンビニで買った使い捨てのマスクは、あと三枚に減っていた。
54:オータ ◆aTPuZgTcsQ[saga]
2014/08/26(火) 00:25:54.41 ID:57lCD6A/O
手っ取り早く調べるには、里の中枢に入り込むのが一番だろう。
しかし、そこまでのリスクを犯す必要はない。
俺は、ちょうど道を歩いていた男に声をかけた。
55:オータ ◆aTPuZgTcsQ[saga]
2014/08/26(火) 00:27:37.33 ID:57lCD6A/O
しばらく歩いていると、葵荘と書かれた表札が塀にかけられているのを発見した。
「こんにちは」
56:オータ ◆aTPuZgTcsQ[saga]
2014/08/26(火) 00:29:22.65 ID:57lCD6A/O
正真正銘、俺の声でサイウに話しかけた。
「申し訳ありません。
本当のことをお話ししますので、ドアを開けていただけませんか」
57:オータ ◆aTPuZgTcsQ[saga]
2014/08/26(火) 00:31:21.66 ID:57lCD6A/O
俺は逢魔ヶ隠れから出来るだけ距離をとりながら、メモ帳を開いて彼女の話を思い出した。
サイウという名のあの女性は、ネイチ、すなわちドウタクと、今月にも結婚する予定だったらしい。
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