1:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/10/11(土) 15:50:50.34 ID:7o9yewipo
「じぃっ」
「…………」
「じぃーっ」
「……あの、楓さん。それ実際口にする類の言葉じゃなかったと思うんですが」
何だかよく分からないが、楓さんが俺の事をかれこれ10分は見続けている。
終いにはこうして擬態語を口に出す始末と来た。
特におかしな行動は取っていないと思うんだが……
「プロデューサー、退屈です」
「ああ……別に何か言いたい事があるわけじゃなかったんですね……」
そりゃレッスン予定の3時間も前に来てしまえば退屈だろう。
だからと言ってすぐ隣の席から見張られ続けるのも困るが。
「なんでまたこんなに早く来たんですか」
「肇ちゃんとか蘭子ちゃんを撫でて癒やされようと思って……」
「3時間は張り切り過ぎですよ」
撫で続けるのか。猫か何かじゃないんだから。
いや確かにウチにはそういうアイドルも居るけども。
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2014/10/11(土) 15:51:30.88 ID:7o9yewipo
「来ないかなー……あ、そういえば聞きたい事ならあったような」
「何です」
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2014/10/11(土) 15:52:16.83 ID:7o9yewipo
――貴女が好きなんですよ。
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2014/10/11(土) 15:52:47.01 ID:7o9yewipo
女神こと高垣楓さんのSSです
前作
速水奏「凶暴な純愛」 ( ex14.vip2ch.com )
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2014/10/11(土) 16:01:19.55 ID:7o9yewipo
「それで、ええと。好みの女性、でしたか」
零した茶とマグカップを片付けて、改めて椅子に腰掛け直す。
冗談好きで、神秘的で、おちゃめな人。
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2014/10/11(土) 17:19:56.63 ID:7o9yewipo
「…………あー。ところで、楓さんの方は」
「はい?」
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2014/10/11(土) 18:49:18.87 ID:7o9yewipo
「それと、おまんじゅうの話とか、ネクタイの話とか……あっ」
言葉を切ると、楓さんが俺の首元にじっと視線を注ぐ。
……今度は、言い逃れは出来ないか。
8:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/10/11(土) 18:51:15.06 ID:7o9yewipo
……しかし。
「服か」
9:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/10/11(土) 21:01:05.38 ID:7o9yewipo
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一発で分かった。
「お待たせしました」
10:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2014/10/12(日) 03:29:16.73 ID:JDiW3JsmO
前作も良かった
期待
11:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/10/12(日) 17:09:30.75 ID:VgB7duhgo
出来れば得意顔の楓さんに反応してあげたいところだったが、少々落ち込んでいる俺にその元気は無かった。
俺の普段のセンスならよくやった方だ、と自分を褒めたいところだが。
「と、凛ちゃん達に伝えておきますね」
12:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/10/12(日) 17:58:12.18 ID:VgB7duhgo
女性のすぐ側で着替えるというのは初めてだったが、なかなかに緊張する。
と言っても、店側から借りたワイシャツを着ただけだが。
「着替えましたよ」
13:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/10/12(日) 18:52:19.68 ID:VgB7duhgo
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「酒瓶がたくさん並んでましたね。お昼も出してくれてもいいのに」
「まぁ、機会があればまた夜に行きましょう」
14:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/10/12(日) 20:52:44.69 ID:VgB7duhgo
……あれ。 今の、ひょっとして冗談の域を越えてなかったか?
つまりその、よく考えたら楓さんも俺がスカウトした人な訳で。
恐る恐る楓さんの方を確認すると、ぷくーと頬を膨らませていた。
15:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/10/12(日) 23:04:33.12 ID:VgB7duhgo
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「はい、どうぞ」
「すみません、何だか甘えてしまって」
16:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/10/12(日) 23:10:50.68 ID:VgB7duhgo
「お。渋谷さんだ」
「えっ?」
17:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/10/12(日) 23:25:09.14 ID:VgB7duhgo
これまでとは違う、真剣な声色だった。
驚いて楓さんを見つめると、楓さんもその神秘的な瞳で真っ直ぐに見返してくる。
それからポスターへ向き直ると、渋谷さんの足下へじっと視線を注いでいた。
18:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/10/12(日) 23:54:28.82 ID:VgB7duhgo
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「シンデレラガールの3人は決定として、後は……事業部ごとの裁量に任せるか?」
雑多な資料を机のあちらこちらに山積みにしながら、ひたすらにキーボードを叩き、ペンを走らせる。
19:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/10/13(月) 00:23:40.47 ID:b1cDtj/4o
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広がる人工芝を見ていると、一瞬外にいるのかと錯覚してしまう。
よく見れば平面で構成されている宮殿も、ここからだと大きさが掴みにくい。
20:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/10/13(月) 00:47:19.02 ID:b1cDtj/4o
「すみません楓さん、今の俺には本物を用意するだけの力がありませんでした」
「…………」
21:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2014/10/13(月) 08:09:14.80 ID:5+RxTsiL0
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