過去ログ - 劇場版アイマスで水瀬家に宿泊した志保のお話 抄
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12:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2014/10/12(日) 11:53:29.76 ID:NHNSY0P+o
「志保……?」

 なにものかに私の肩が掴まれた。タオル地のバスローブの上から触れてきた”それ”は、ぬらりぬめりと死人のような生ぬるさで私を引き寄せようとしてくる。

「いやぁ!」
以下略



13:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2014/10/12(日) 11:55:14.14 ID:NHNSY0P+o
「不安でしょう。怖いでしょう。……安心なさい。その分の苦しさは、私がしっかり癒してあげるから」

 正面に見据えられた伊織さんの表情に厳しさはどこにもなく、泣きはらす子供をあやす母親のような慈愛に満ちた微笑みがあった。

 視界がにじむ。頬に添えられた先輩の手のひらを私が流した涙がつたう。
以下略



14:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2014/10/12(日) 11:57:01.16 ID:NHNSY0P+o

 @

「私よ。水と氷と……布巾を二、三枚持ってきてもらえる? そ、志保の部屋にね」

以下略



15:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2014/10/12(日) 11:58:51.05 ID:NHNSY0P+o

 コンコン。

「!」

以下略



16:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2014/10/12(日) 12:00:24.50 ID:NHNSY0P+o
「はぁ……はぁ……」

 寝ぼけ眼で見た夢か何かだと思いたかったのだけれど、伊織さんがどいてくれて開けた視界のすみにはしっかりと先ほどまで用意がなかった水差しが鎮座していた。

「完全に見られちゃったじゃないですか……。ここ、私の部屋だって、メイドさんも知ってるでしょうし……」
以下略



17:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2014/10/12(日) 12:02:04.26 ID:NHNSY0P+o
「やっぱり起きられません……」

「ウソでしょ。もう半分以上起きてたじゃない」

 脱力してベッドに崩れ落ちる私に伊織さんは呆れ半分だった。
以下略



18:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2014/10/12(日) 12:03:23.58 ID:NHNSY0P+o
「くちゅくちゅ、もごもごってして、返してください」

 甘えた口調で要求したところ、目の前のお嬢様の眉間の皺が深くなったように見えた。多分気のせいだろう。
 伊織さんは鼻息で器用にため息をついて見せて、それから言われたとおりに頬とあごを動かし始めた。
 お互いの口内を一往復して体温を奪い合ったミネラルウオーターは、もう常温に戻ってしまっているだろう。
以下略



19:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2014/10/12(日) 12:04:15.85 ID:NHNSY0P+o
「水をたった一口飲むのに何分かけるつもりよ……。そんなので喉の渇き、癒えるの?」

「全然足りないので、もっとください」

「自分で飲めっ」
以下略



20:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2014/10/12(日) 12:05:50.71 ID:NHNSY0P+o
「……はあ。次はそれで遊ぶの?」

 リップクリームを塗るように、唇の端から端まで氷を往復させる。
 二人の体温が触れ合っているせいで氷はどんどん溶けてしまい、三分の一ほどが水に変わってしまった。
 唇を這った水分はシーツへと流れてしまっているが、少量なので特には問題ないだろう。
以下略



21:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2014/10/12(日) 12:07:39.96 ID:NHNSY0P+o
 バスローブの袂を割って、氷に冷やされた伊織さんの指先が私の脇腹をくすぐった。
 突然の温度差に腹筋が収縮し、身体が小さく跳ねた。

 たまらず身体を捻って逃げ出そうとするも、体力が枯渇ぎみの現状では背中から回された腕を振りほどくことができない。
 じたばたしてホコリを飛ばしているうちに息が切れてきて、伊織さんに抱きかかえられる形となってしまう。
以下略



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