過去ログ - 小説的なやつ
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8:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2014/11/05(水) 20:17:46.98 ID:7XpzpOnTO

それからしばらくは何となく物憂げな気持ちで生活を送っていた。
梅雨の天気が憂鬱な気持ちを助長させていた。
新生活を送る上での少しの無理が応えてきてもいた。
それでも僕はお調子者のふりを無意識に続けてしまう。
以下略



9:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2014/11/05(水) 20:19:53.07 ID:7XpzpOnTO

「最近、暗いね」

「そう……」

以下略



10:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2014/11/05(水) 20:21:49.17 ID:7XpzpOnTO
僕が何も言い返さずに顔を伏せていると、彼女は再び口を開いた。

「別に彼とは何もないよ。
あなたも彼が浮気をしたところを見たでしょ……。
あなたが私から逃げた後に、声をかけて相談に乗っただけ。
以下略



11:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2014/11/05(水) 20:24:56.19 ID:7XpzpOnTO

「分かったよ。
それで、どんな相談だよ。
うまく復縁して二股したいって相談かよ」

以下略



12:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2014/11/05(水) 20:25:53.49 ID:7XpzpOnTO

自分でも驚くほど素直な言葉が出た。
そして、言って怖くなった。僕の誠実が否定されるのはたまらなく恐ろしかった。
僕は自分の臆病さで誰かの誠実を踏みにじったのかもしれないのに。

以下略



13:原題は『夢の花』です。
2014/11/05(水) 20:29:05.61 ID:7XpzpOnTO

2

梅雨が去っていくのと同じころから彼女が僕の家を訪れるようになっていた。

以下略



14:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2014/11/05(水) 20:32:12.07 ID:7XpzpOnTO

映画といえば、彼女はよく同じ映画をかけていた。
そしていつも同じ場面で泣いていた。

その映画は悲恋の物語だった。
以下略



15:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2014/11/05(水) 20:39:05.04 ID:7XpzpOnTO

「君らしいね。それで、手に持ってる植物はなに……」

「夢の花」

以下略



16:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2014/11/05(水) 20:41:42.39 ID:7XpzpOnTO

彼女はベランダに植物を移した。
僕のベランダは午前の間は陽が射すけれど、午後になるほとんど日陰なる。
別にそれでもいいなら自由に使ってもらって構わなかった。

以下略



17:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2014/11/05(水) 20:45:56.69 ID:7XpzpOnTO

「今の大学は、本当は第一志望じゃなかったんだ」

少し考えて最初に思いついたのは大学受験での失敗だった。
一番新しい挫折だった。
以下略



18:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2014/11/05(水) 20:47:45.10 ID:7XpzpOnTO

「あなたも色々と失敗してるんだね」

「君はどうなの……。
君の叶わなかった夢はなに……」
以下略



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