20:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2014/12/03(水) 22:39:56.84 ID:dm2TomSio
だけど見るだけで何かを言い出す訳でもなく、僕達はすぐ近くにある収納棚の方へと足を進ませた。
とは言え棚自体にこれといった特徴はなく、僕達の関心は自然と上に乗せられている制服などに向けられる。
「これが希望ヶ峰学園の制服だね。ブレザーなんだ」
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2014/12/03(水) 22:41:52.73 ID:dm2TomSio
とまあ、それはさておき。これで部屋の中はあらかた見て回った。今からは――
「えっと……じゃあ、そろそろ話の続きに移ろっか?」
「はい!」
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2014/12/03(水) 22:43:39.75 ID:dm2TomSio
「それにしても、何だか不思議ですね。まさかこうして苗木君と仲良く話せる日が来るなんて、思ってもいませんでしたから……本当、嬉しいです」
「ぼ、僕もだよ。入学前から舞園さんと仲良くなれたらいいなって思ってたけど、まさかこんなすぐになれるなんて……」
「そう思ってくれてたんですか? ありがとう御座います! ……でも苗木君、どうして中学の時は話しかけてくれなかったんですか? それ所か、目だってあんまり合わせてくれませんでしたし……」
「そ、それはほら、舞園さんみたいな人気者に話しかける勇気がなくて……。だからって、あんまりジロジロ見る訳にもいかなかったし……」
23:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2014/12/03(水) 23:53:06.31 ID:dm2TomSio
「それでも私、すっごく感心したんですよ? まさか自分と同じ学年に、あんな事が出来る人がいるなんて、思ってもいませんでしたから」
「はは……僕も、出来るかどうか不安だったけどね……。それにしても、舞園さんも見てたんだね。気づかなかったよ」
「私以外にもいっぱい人がいましたからね。気づかなくても無理はないです」
24:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2014/12/04(木) 23:22:38.75 ID:WsBRUpo9o
「そうそう。実はですね、苗木君の事は卒業してからもアルバムを通して見ていたんですよ。苗木君が映ってる写真を、時折眺めさせてもらってたんです」
「そ、そうなの? ありがとう……」
僕と同じだ。僕も卒業後はたまにアルバムを開いて、舞園さんが映っている写真を眺めていた。まさか、舞園さんも同じ事をしてたなんて……。
25:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2014/12/04(木) 23:25:02.64 ID:WsBRUpo9o
「あっ……!」
直後、舞園さんは小さく声を上げて驚く。
26:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2014/12/04(木) 23:26:32.81 ID:WsBRUpo9o
サイン入りCDを机に置いて、僕達はまたダンボール箱の前に屈み込む。
「CDの下に卒業アルバムが入ってるはずだよ。この箱の中にあるのは、後は勉強に関する物くらいだね」
「なるほど……他には何を持ち込んだんですか?」
27:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2014/12/04(木) 23:30:14.94 ID:WsBRUpo9o
「あの、苗木君。椅子、隣に寄せてもいいですか?」
「あ……う、うん。もちろん」
僕がそう返事をすると、舞園さんは自分の椅子を僕の椅子にくっつけた。そ、そうか。一緒に見るんだし、隣に座らないと当然見難いよな……。
28:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2014/12/04(木) 23:32:05.56 ID:WsBRUpo9o
「舞園さんとは廊下なんかで結構すれ違ってたんだけど、気づいてた?」
「もちろん! すれ違う際には、必ず苗木君を見ていましたから」
「……そうだったの?」
「そうだったんです。目が合うと嬉しかったですよ? と言っても苗木君、いつもすぐに逸らしちゃってましたけど……」
29:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2014/12/04(木) 23:33:58.24 ID:WsBRUpo9o
「まあまあ、いいじゃないですか。……そうそう、見ていたと言えば、妹さんとお話している所もですね」
「あ、妹も知ってるんだ?」
「最初は妹さんだとは分からなかったんですけどね。『お兄ちゃん』って呼ばれてたのを聞いて、その時に初めて知りました。ただ、お名前までは知らないんです」
「えっと、平仮名で『こまる』だよ。苗木こまる、だね」
30:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2014/12/04(木) 23:35:07.79 ID:WsBRUpo9o
「っと、アルバムを見るはずだったのに話し込んじゃいましたね。続き、見ましょうか?」
「うん」
舞園さんは僕の両手から手を離し、再びアルバムのページを捲っていく。各クラス紹介を抜けると、活動風景のコーナーが目の前に広がった。
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