過去ログ - 咲「どうしようもない私に天使が舞い降りた」
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1: ◆N8W3qIdb7.[saga]
2015/02/04(水) 15:50:57.58 ID:xgWD3fM60
その日、白糸台レギュラーは練習試合の為他校へと赴いていた。

淡「咲〜、勝ったよ。すごいでしょっ!」

咲「うん良かったね。偉い偉い」

淡「なによ、心がこもって無い言い方に聞こえるけどー!?」

膨れる淡に、咲はそんな事無いよと笑った。
実際には淡の言う通り心がこもっている訳じゃなかったが、
さすがに友人に対して失礼な対応だ。

適当にフォローしておけば、淡の機嫌はすぐに直る。
熟知しているからこそ咲はさっきの試合で淡が見せた打ち筋を褒め始めた。

淡「やっぱり私ってすごい?」

咲「だからそう言ってるじゃない」

淡「ごめんー、だって咲の言葉ってなんか軽いから」

咲「ひどいなあ、淡ちゃん」


咲(実際ひどいのは私の方だけど)


顔には出さず、咲は心の中で呟く。

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2: ◆N8W3qIdb7.[saga]
2015/02/04(水) 15:58:48.40 ID:xgWD3fM60
宮永咲、白糸台高校の1年で現在15歳。
まだ子供の年齢のはずなのに、すでに色んなことを冷めた目で眺める性格へと育っていた。

決して意地悪とか非情というのでは無い。
ただ、少しだけ心の中へ他者との距離を置いているだけ。
以下略



3: ◆N8W3qIdb7.[saga]
2015/02/04(水) 16:06:20.56 ID:xgWD3fM60
どうしてだかわからないけれど、
ここの所ずっと気持ちが沈んでいるような感覚が続いている。
冬、の所為かもしれない。

早く沈んでしまう太陽、冷たい空気、葉の落ちた木々。
以下略



4: ◆N8W3qIdb7.[saga]
2015/02/04(水) 16:14:15.57 ID:xgWD3fM60
淡「テルーって強いよね、やっぱり」

咲「そう、だね」

帰り道、淡に誘われてファーストフードに立ち寄った。
以下略



5: ◆N8W3qIdb7.[saga]
2015/02/04(水) 16:18:39.27 ID:xgWD3fM60
淡「でも咲が本気出せば勝てるんじゃない?咲も相当強いじゃん」

咲「・・・お姉ちゃんには敵わないよ」

咲(やめてよ、そんな話)
以下略



6: ◆N8W3qIdb7.[saga]
2015/02/04(水) 16:25:34.73 ID:xgWD3fM60

咲がポテトを差し出すと、淡は大喜びでぽいっと口に運ぶ。

淡「美味しい〜。試合の後はお腹空くからねえ」

以下略



7: ◆N8W3qIdb7.[saga]
2015/02/04(水) 16:32:01.79 ID:xgWD3fM60
咲(寒い・・・)

淡と別れた後、真っ直ぐ家へ帰る為に歩き出す。
急がないとすぐに真っ暗になってしまう。
早足で、咲は夕陽で照らされた道を歩いていた。
以下略



8: ◆N8W3qIdb7.[saga]
2015/02/04(水) 16:36:52.70 ID:xgWD3fM60
もしかして越してきたばかりで、迷っているのかもしれない。
そんな風に考えていると。

和「宮永咲さん」

以下略



9: ◆N8W3qIdb7.[saga]
2015/02/04(水) 17:21:24.17 ID:xgWD3fM60
和「いきなりのことで驚いているとは思いますが、信じて欲しいんです」

咲「えーっと、何を?」

目を瞬かせる咲に、和はゆっくりと語る。
以下略



10: ◆N8W3qIdb7.[saga]
2015/02/04(水) 17:36:56.31 ID:xgWD3fM60
咲「信じるも何も、天使だなんて冗談にも程があるよ。あなたは何者?どうして私のこと知ってるの?」

和「だから、私はあなたの所に来た天使なんですって」

咲「それが一番信じられないんだって・・・」
以下略



11: ◆N8W3qIdb7.[saga]
2015/02/04(水) 17:39:03.93 ID:xgWD3fM60
ダッシュで家の前に辿り着いたところでようやく足を止める。
乱れる息を整えながら、咲は玄関のドアに手を掛けた。
ここまで来れば、もう追い掛けて来ないだろう。

だが。
以下略



12:名無しNIPPER[sage]
2015/02/04(水) 17:40:04.11 ID:5YuWnC30O
期待


13:名無しNIPPER[sage]
2015/02/04(水) 18:30:39.58 ID:bmN0I72so
京太郎が主人公じゃないSSは速報では認められていません
VIPでやりましょう


14: ◆N8W3qIdb7.[saga]
2015/02/04(水) 18:45:11.45 ID:xgWD3fM60
照「この子って?何を言ってるの?」

咲「え・・・」

驚いて咲が体を強張らせた瞬間。
以下略



15: ◆N8W3qIdb7.[saga]
2015/02/04(水) 18:47:17.72 ID:xgWD3fM60
咲(まさか、本当の本当に・・・?)

姉がこんなタチの悪い冗談に乗るはずが無い。
顔を引き攣らす咲に、和はまだ信じて無いんですかと尋ねる。

以下略



16: ◆N8W3qIdb7.[saga]
2015/02/04(水) 18:49:17.74 ID:xgWD3fM60
和「私は幽霊じゃありません」

和「それに咲さんだってそろそろ信じ始めているんでしょう」

咲「・・・・・・・・」
以下略



17: ◆N8W3qIdb7.[saga]
2015/02/04(水) 18:51:55.25 ID:xgWD3fM60
咲「一から話してくれる?」

和「いいですよ。最初からそのつもりでしたし。今度は逃げないで聞いてくださいね」

咲「・・・・・わかった」
以下略



18: ◆N8W3qIdb7.[saga]
2015/02/04(水) 18:53:53.62 ID:xgWD3fM60
和「いませんよ。期間が過ぎるのと同時に記憶は消されます」

咲「え・・・」

和「例え願いが叶わなくても、その人間は天使と会った全てのことを忘れるんです」
以下略



19: ◆N8W3qIdb7.[saga]
2015/02/04(水) 18:56:05.41 ID:xgWD3fM60
咲(あれ?おかしなこと口にしたかな?)

だが次の瞬間、和の表情は元に戻っていた。

和「願いを決められなかった場合も、記憶が消されるのは同じです」
以下略



20: ◆N8W3qIdb7.[saga]
2015/02/04(水) 18:57:47.55 ID:xgWD3fM60
咲「そっか」

和「でも咲さんはお金なんかいらないタイプに見えますけど」

天使の言う通りだったので、咲は否定もせずただ曖昧に笑った。
以下略



21: ◆N8W3qIdb7.[saga]
2015/02/04(水) 18:59:49.23 ID:xgWD3fM60
和「はい。見えるのも声が聞こえるのも触れられるのも咲さんだけです」

和「私は咲さんの為に来た天使、ですから」

咲「私の為に?」
以下略



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