12: ◆hSU3iHKACOC4[saga]
2015/03/31(火) 04:30:23.11 ID:w4MVYybr0
京太郎が答えようとしたところで、ソックが先に答えた。
「漫画だな。宇宙生物と耽美な高校生が戦う話。古い小説を原作にしてて面白いんだ。
13: ◆hSU3iHKACOC4[saga]
2015/03/31(火) 04:34:18.74 ID:w4MVYybr0
京太郎が母の元にたどり着くと母がこういった。
「晩御飯ができたわよ。食べましょう」
母の髪の毛は綺麗な金髪だった。しかし日本人だ。京太郎よりもずっと背が低い、どこにでもいそうなおばさんだ。京太郎が持っているふんわりとした雰囲気は母親から受け継いだものだろう。
14: ◆hSU3iHKACOC4[saga]
2015/03/31(火) 04:38:19.68 ID:w4MVYybr0
朝ごはんを食べ終わった京太郎がリビングでくつろいでいた。本日は龍門渕のパーティーに一応呼ばれているので、京太郎はワイシャツとスラックスという格好をしていた。
そもそも一般市民の京太郎にとってパーティーなどという上流階級の催し物というのに縁がない。そのため、さっぱりその手の服装というのも持っていなければ、どういう振る舞いをするべきなのかというのもわからないのだ。
しかも、急な話であったから、良い対応をするという気持ちさえわいていない。一応、家族に相談してみたものの、家族もまた一般市民であって、当たり障りのない格好をしていけばいいだろうというようにしかいえなかったのだ。
15: ◆hSU3iHKACOC4[saga]
2015/03/31(火) 04:42:12.59 ID:w4MVYybr0
玄関から出てきたところでハギヨシに招かれて、車の後部座席に京太郎は乗り込んだ。今まで生きていてまったく触れる機会がなかった超高級車を前にした京太郎の動きは非常にぎこちなかった。自分の体がぶつかって、何か失敗してしまったら大変なことになるという考えが頭にあるのだ。
「弁償だとか、そういう話になったとしたら終わりだな」
そんな悪い考えが頭に浮かんできてしまい、全身を上手く支配できなくなっている。
16: ◆hSU3iHKACOC4[saga]
2015/03/31(火) 04:48:25.96 ID:w4MVYybr0
ハギヨシの質問を受けた京太郎は答えた。
「いえ、まったく何も決めていません。あと、須賀さまはやめてもらえますか。なんだか、ざわざわするので」
ずいぶんはっきりと言い切った。そして運転手にもハギヨシにもわかるくらいに、所属をどうでもいいと思っているのがわかる口調だった。京太郎は自分がどこの組織に所属するべきなのかまったく考えたことがなかった。
17: ◆hSU3iHKACOC4[saga]
2015/03/31(火) 04:51:45.64 ID:w4MVYybr0
しかし普通に道が長かった。そのため思ったよりも話が合うハギヨシと運転手とで京太郎は暇をつぶしをしていた。
といってもたいしたことではなくただの世間話である。車の中でいろいろと話をしているときに、京太郎は自分の趣味を聞かれた。実にたいしたことではない。そのときに京太郎はこういった。
「麻雀ですかね、最近は漫画を読んだりしてますけど」
18: ◆hSU3iHKACOC4[saga]
2015/03/31(火) 04:56:14.41 ID:w4MVYybr0
龍門渕の屋敷に到着した京太郎は、車から降りた。龍門渕の駐車場で車は止まっていた。
車から降りた京太郎は背伸びをした。背伸びをしたときに体がパキパキと音を鳴らした。
体を伸ばしているときに京太郎は綺麗なメイドさんを見つけた。大きく目を見開いて、非常に京太郎は集中していた。
19: ◆hSU3iHKACOC4[saga]
2015/03/31(火) 05:03:53.06 ID:w4MVYybr0
ハギヨシの案内で屋敷の中を進んでいるとき何人かお手伝いさんとすれ違った。先ほど見かけた若いお姉さんから、かなりいかついおじいさんまでいろいろと働いていて、年齢層はばらばらである。
時々京太郎が見つけたメイドさんと同じようなメイド服を着ている人もいて、服装もバリエーション豊富だった。
20: ◆hSU3iHKACOC4[saga]
2015/03/31(火) 05:08:31.82 ID:w4MVYybr0
実に混沌とした光景を見てハギヨシの眉間に深いしわができた。完全に怒っていた。
またほとんど同時に京太郎の眉間に深いしわが寄っていた。怒っていたわけではない。ハギヨシの怒りのオーラが炸裂することを思い、心を痛めたのである。
ハギヨシが現れたことでやや騒がしくなったのだがそれも落ち着いて、金髪の長い髪の少女、龍門渕透華が京太郎に挨拶をした。
21: ◆hSU3iHKACOC4[saga]
2015/03/31(火) 05:13:14.67 ID:w4MVYybr0
息を切らせているメイドさんにハギヨシが声をかけた。
「どうしました、井上さん」
265Res/788.70 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。