43: ◆hSU3iHKACOC4[saga]
2015/04/07(火) 04:08:40.73 ID:Joyq1BtQ0
  続きをはじめます。  
  魔人の設定ですが、魔人という単語自体は同じでも別物を指していることがあります。大まかに二つの意味で使い分けています。 
  一つは悪魔でもなければ人でもない正体不明の存在。 
  もう一つはマガタマを残せる魔人です。 
   
44: ◆hSU3iHKACOC4[saga]
2015/04/07(火) 04:14:07.30 ID:Joyq1BtQ0
  蒸気を吐き出す門を潜り抜けて、門の向こう側にスポーツカーが駆け抜けていった。門を潜り抜けたとき、車が一瞬持ち上がった。 
  
  門の向こう側に道がなかったのだ。しかしすぐ地面に着地した。そのとき大きく揺れたがシートベルトをつけていた京太郎とディーに問題はなかった。 
  
  蒸気を吐き出す門を潜り抜け軽い落下を体験した後、蒸気が晴れた。周りがよく見えるようになると、京太郎は目を見開いた。 
45: ◆hSU3iHKACOC4[saga]
2015/04/07(火) 04:18:14.02 ID:Joyq1BtQ0
  申し訳なさそうに笑うディーに京太郎がこういった。 
  
 「オッケーです。飛ばしてください」 
  
  あまりオッケーという感じはなかった。 
46: ◆hSU3iHKACOC4[saga]
2015/04/07(火) 04:22:50.28 ID:Joyq1BtQ0
  
  蒸気機関が軍隊のように整列して規則正しく働いている長い坂道に差し掛かった。 
  
 蒸気機関たちは坂道で一列に整列して、同じ姿で、同じように延々と動いている。何が目的なのかはさっぱりわからない。 
  
47: ◆hSU3iHKACOC4[saga]
2015/04/07(火) 04:27:24.01 ID:Joyq1BtQ0
  そして少ししてから戻ってきて、車の中で呆然としている京太郎にディーがこういった。 
  
 「須賀くん、少し無茶してもいいかな。大分道が変わっているみたいで、ショートカット気味に移動しないと時間がかかりすぎて間に合わなくなりそう」 
  
  かなり申し訳なさそうな顔をしているディーに京太郎が応えた。 
48: ◆hSU3iHKACOC4[saga]
2015/04/07(火) 04:32:36.25 ID:Joyq1BtQ0
  調子はずれのリズムに眉をひそめている京太郎にディーが言った。 
  
 「これがこの車の心臓部分、というと正確じゃないがまぁ、そういう感じ。 
  須賀くんにはこいつにマグネタイトを吸わせてやってほしいのよ。手を置いておくだけで大丈夫。後はこっちでやるからさ。大丈夫そう? 
  これお嬢たちに見せたらドン引きしてたからさ、触れる?」 
49: ◆hSU3iHKACOC4[saga]
2015/04/07(火) 04:37:35.19 ID:Joyq1BtQ0
  
  何が言いたいのか理解できない困っている京太郎にディーがこういった。 
  
 「味だよ味。マグネタイトがブランデーみたいな味がするのよ」 
  
50: ◆hSU3iHKACOC4[saga]
2015/04/07(火) 04:40:23.92 ID:Joyq1BtQ0
 ディーの答えを聞いて京太郎は表情を曇らせた。そしてこういった。 
  
 「すみませんなんか、聞いちゃいけないことを」 
  
 何かあったのだとすぐに察せられたのだ。悪魔たちが存在し悪魔たちと契約する者たちがいる世界だ。 
51: ◆hSU3iHKACOC4[saga]
2015/04/07(火) 04:51:36.61 ID:Joyq1BtQ0
  この会話から三分後、スポーツカーは大きなビルような建物が立っている場所に向かって走っていった。先ほどまでの運転とは打って変わって非常に緩やかな動きと丁寧な移動だった。というのが、今までとは事情が少し違っているからなのだ。 
  
  今まで無茶な運転をディーが行えたのは周りに人の気配がなかったからである。無限に広がる道だけの異界でしかも事故の危険性が限りなく低かったために四桁近い速度で移動ができていたのだ。 
  
  しかし、ここからは違う。ここからは人がたくさん集まってきて、スピードを上げすぎると事故が起きる可能性が高くなる。それはとても困る。 
52: ◆hSU3iHKACOC4[saga]
2015/04/07(火) 04:56:39.49 ID:Joyq1BtQ0
  
  京太郎がだずねるとベンチに横たわったおっさんがこういった。 
  
 「大丈夫だ。すまねぇな。ちょっと車酔いしただけだ」 
  
53: ◆hSU3iHKACOC4[saga]
2015/04/07(火) 05:02:01.24 ID:Joyq1BtQ0
 サガカオルが自分の首にかかっているタオルと空になったビンを見せるとパイナップルみたいな髪形の女性がこういった。 
  
 「あらまぁ! 親切な子ね! もう、本当にごめんなさいね、この人自分の年を考えずに飲みすぎちゃって、それで車酔いなんてしちゃって。 
  
  でもよかったの? マッスルドリンコは結構使うでしょう、自分の分がなくなっちゃうわよ。それにそのタオルもおっさんくさくなって使えなくなるわよ」 
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