過去ログ - モバP「世界中にヒーローと侵略者が現れた世界で」part12
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694: ◆PupFZ5BZvyzZ[sage saga]
2016/02/03(水) 22:06:56.48 ID:H+PnEL/o0

 エボニーコロモは最早その場を動かぬ。コンマ五秒後、大質量が衝突! ……おお、見よ! エボニーコロモ健在! 巨大甲羅をガッチリと受け止めている!

「ヌウーッ……」

以下略



695: ◆PupFZ5BZvyzZ[sage saga]
2016/02/03(水) 22:10:59.99 ID:OdbudYhc0

「プロデューサー、トドメは?」

 不定形の人型から削り出されたような右半身、少女めいてあどけない顔が問うた。エボニーコロモの顔面ディスプレイにオレンジ色の髑髏マーク……キルサインだ。
 放送コード上、人型ヴィランの処分には面倒な制約が多い。身体の大部分を機械化された敵の場合、ゴアが映り込まなければ電波に乗せることができる。
以下略



696: ◆PupFZ5BZvyzZ[sage saga]
2016/02/03(水) 22:12:53.70 ID:H+PnEL/o0

「プロデューサー、大丈夫? けっこう無茶してたみたいだけど」

「ひとまずは、な。筋肉痛が長引かないよう願うばかりだ」

以下略



697: ◆PupFZ5BZvyzZ[sage saga]
2016/02/03(水) 22:15:49.83 ID:12lMyB4a0

 エンブレムの正体、それは可愛らしい子犬ではない。キツネの死骸を奪い合うように貪り食らう、おぞましき双頭の狂犬である。オルトロス機関。
 ツインパピー・エレクトロニクスは、表向きにはルナール社と提携関係にあり、サイボーグやドロイド制御用の電子基板を製造・供給している。
 だが、その裏の顔こそは反ルナール組合の盟主、神出鬼没たるオルトロス機関であり、時折こうしたルナールへの武力攻撃を行っているのだ。

以下略



698: ◆PupFZ5BZvyzZ[sage saga]
2016/02/03(水) 22:18:18.70 ID:OdbudYhc0

 ……その時だ。フォウフォウと奇怪なキネシス干渉音を従え、VTOLめいて降下してくる物体あり。クジラかカツオブシを思わせるシルエットの輸送ツェッペリンだ。

「ウンパンマンか。あのサイズを寄越すのは、要するに残骸も持って帰れってことだよな?」

以下略



699: ◆PupFZ5BZvyzZ[sage saga]
2016/02/03(水) 22:21:08.86 ID:OdbudYhc0

 カエン索敵視界には、寄せ木細工めいて入り組んだ透明感のある赤と黄、そして黒ずんだ濃い桃色が映し出されていた。即ちヒーローと、色欲のカースドヒューマン。
 次の瞬間、ヒーロー色が桃色に覆われて見えなくなり、洋子は己の判断が間違っていなかったことを知った。
 カエン視界を朱色のジャベリンが無数に飛び去っていく。洋子自身もヒーロー脚力をフルに発揮し、投槍の群れを追って色の元へと向かった。

以下略



700: ◆PupFZ5BZvyzZ[sage saga]
2016/02/03(水) 22:23:57.54 ID:H+PnEL/o0
 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

 アケグチの最期を見届け、イツキは腰に提げたヒョウタンの中身で口を潤した。良質なアルコールと薬効成分がケミカル反応を起こし、思考を加速させる。
 賊軍は王軍を数で上回り、王城にまで迫りながらも攻めきれなかった。六戦士の各々が自ら王にならんと望み、互いに連携しなかったことが理由に挙げられよう。
 だが、先の戦いが真の理由を明らかにした。焼かれて死んだアケグチと、飛行機の中から死臭を放っていたトホツグ。いずれも六戦士のツワモノであった。
以下略



701: ◆PupFZ5BZvyzZ[sage saga]
2016/02/03(水) 22:25:43.01 ID:12lMyB4a0

 生温かい吐息に、イツキは全身をこわばらせた。発情を理性で抑制できぬ、単なる獣に等しい下賤の者を目の当たりにした時と同様の不快感がある。

「……ッ! 離してっ!」

以下略



702: ◆PupFZ5BZvyzZ[sage saga]
2016/02/03(水) 22:27:39.36 ID:12lMyB4a0

 見上げた鉛色の空を、朱色の光が横切った。イツキは首を動かし、朱色の動きを追う。獣人の動体視力は、舞台装置めいて空中を舞う女の姿を捉えていた。
 猥褻存在が次々と繰り出す触腕は、女に届く前に空中で爆ぜ、灰となる。さらには黒い泥の本体らしき部位さえも次々と爆ぜ、黒ずんだ桃色の球体が露わとなった。

「……ハイイーッ!」
以下略



703: ◆PupFZ5BZvyzZ[sage saga]
2016/02/03(水) 22:29:50.86 ID:12lMyB4a0

 ……30分後! 洋子は獣人イツキを背負い、事務所への帰路を急ぐ。ひとまず信用を得たか、洋子はイツキから獣人界の現状を打ち明けられていた。
 特に洋子が目をつけたのは六戦士の反乱だ。それは多分にイツキ自身の推測を含んでいたが、一連のオルトロス改造獣人事件と奇妙な符合を見せた。

(プロデューサー、もう帰ってるかな。この事件、解明にはイツキちゃんの力がきっと必要になる……)
以下略



704: ◆PupFZ5BZvyzZ[sage saga]
2016/02/03(水) 22:32:49.06 ID:H+PnEL/o0

#2

「……スウウーッ……フシュウーッ……」

以下略



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