957: ◆QH3tH0UkImyM[saga]
2015/12/01(火) 08:36:24.54 ID:IN4redvDO
自分はどこかで、間違いなくこの紋様を目にしている。
そう認識した途端、ライの意識は暗闇の中に放り出された。
958: ◆QH3tH0UkImyM[saga]
2015/12/01(火) 08:37:12.29 ID:IN4redvDO
大切な人を泣かせる周囲が嫌いだった。涙を止められない自分が嫌いだった。
奪われるだけなんて間違っている。
959: ◆QH3tH0UkImyM[saga]
2015/12/01(火) 08:38:01.99 ID:IN4redvDO
──王の力はお前を孤独にする。
またも変わる。
960: ◆QH3tH0UkImyM[saga]
2015/12/01(火) 08:39:50.10 ID:IN4redvDO
土星、水星、木星、金星、火星。命を抱く青い星と、それに寄り添う白い月。
太陽を中心に星が回る。星が回れば時代が進む。
961: ◆QH3tH0UkImyM[saga]
2015/12/01(火) 08:41:06.10 ID:IN4redvDO
身体が分解されていく。バラバラになったそれは、再び人の形を成す。散らばったパズルのピースがひとりでにはまっていくようだった。
「────っ!」
962: ◆QH3tH0UkImyM[saga]
2015/12/01(火) 08:42:35.39 ID:IN4redvDO
「ぐっ……ぅ」
心臓を握り締められたような激痛に、ライは身を折った。C.C.が嘆息しながら近づいてきて、少年の額に触れる。熱を計るような仕草だ。
963: ◆QH3tH0UkImyM[saga]
2015/12/01(火) 08:43:57.66 ID:IN4redvDO
「意地を張っている場合か。人の意志でギアスの力に勝てるはずがないだろう」
「……?」
964: ◆QH3tH0UkImyM[saga]
2015/12/01(火) 08:47:17.72 ID:IN4redvDO
発現すれば当人にある程度の感覚的な知識を授けるが、細かい事は使い慣れるまで分からない。
「僕のギアスは絶対遵守の力を持っている。"声"を媒介に"聴覚"へ働きかける」
965: ◆QH3tH0UkImyM[saga]
2015/12/01(火) 08:48:28.74 ID:IN4redvDO
「僕のギアスは"暴走"しているのか」
ギアスの力は使えば使うほど強まっていく。そうして使い込んだギアスはやがて持ち主の制御を離れ、暴走する。普段は意志によって入り切りできるものが、常時発動した状態になってしまうのだ。
966: ◆QH3tH0UkImyM[saga]
2015/12/01(火) 08:49:48.40 ID:IN4redvDO
王の力と言っても結局は呪いの類いだ。両者の距離が近ければ近いほど、ギアスは持ち主にとっても恐ろしいものとなる
先ほどの激痛はライとギアスの距離を示している。通常では有り得ないくらいに馴染んだ力は、身体を蝕んでいると言っても過言ではない。
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