過去ログ - 晶葉「どうにも私は、恋をしているらしい」
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2: ◆zefPw5mKfA[saga]
2015/11/27(金) 00:04:17.05 ID:NjB6h2Aj0
私の名前は池袋晶葉。
天才発明家にして、絶賛売出し中のアイドルでもある。
発明家を専業としていた頃、孤高を貫いていた私が今は同じアイドルの仲間達と共に居る。
そんな日々を過ごす事に強い充実感を得ると共に、今の私にとって発明がどれほど大事だったかを知った。

以下略



3: ◆zefPw5mKfA[saga]
2015/11/27(金) 00:05:30.03 ID:NjB6h2Aj0
        ※        ※        ※

「はぁー……晶葉しゃん、恋ばしよっとね?」

事務所のソファに背もたれうだうだと体を揺らしていた私の話を聞いて、上田鈴帆が大げさ目に息を吐いた。
以下略



4: ◆zefPw5mKfA[saga]
2015/11/27(金) 00:06:32.51 ID:NjB6h2Aj0

「さて、それじゃどげんしてPしゃんにその思いば伝えようかね」

「思いを…伝える……」

以下略



5: ◆zefPw5mKfA[saga]
2015/11/27(金) 00:07:34.34 ID:NjB6h2Aj0

「おはようございます」

「あ、頼子しゃん!」

以下略



6: ◆zefPw5mKfA[saga]
2015/11/27(金) 00:09:19.94 ID:NjB6h2Aj0

「……なるほど、そういう事でしたか」

私の話を聞いた頼子は、少しの間自分の髪を撫でつけるように触れてから頷いた。

以下略



7: ◆zefPw5mKfA[saga]
2015/11/27(金) 00:10:31.31 ID:NjB6h2Aj0
考える。
頼子の言葉に間違いはない。真っ直ぐにぶつけるというのは、結果が出るというのはそういう事だ。
恋が成就した。私はPと寄り添い、同じ道を行く。だが、私という偶像の価値が変わる。
恋が叶わなかった。私とPの距離は……どうなるのだろうか。

以下略



8: ◆zefPw5mKfA[saga]
2015/11/27(金) 00:11:35.37 ID:NjB6h2Aj0
顔をあげると頼子が私を見ていた。心配そうな目だった。
首を回すと鈴帆が私を見ていた。口を噤んで、何か言いたいのを我慢している顔だった。
私はまた、視線を落として深く思考する。
彼でなくても、それは出来るのではないかと。
足りない男出は、仲間達で乗り越えればいい。聞けない感想は、別の者に聞けばいい。笑い合う相手もまた――
以下略



9: ◆zefPw5mKfA[saga]
2015/11/27(金) 00:12:40.70 ID:NjB6h2Aj0

「晶葉さん?」

頼子の声が聞こえる。心配そうな声音なのが分かれば、私の心は定まった。

以下略



10: ◆zefPw5mKfA[saga]
2015/11/27(金) 00:13:37.84 ID:NjB6h2Aj0
私はアイドルで、発明家だ。
一つの新しい物を作り上げるために、何度だって失敗し、何度だって挑戦する。
何が良くて何が駄目なのか、それを何度も何度も精査して成功へと辿り着く。
それはアイドルでも同じだ。
求められるアイドルという姿を、何度もレッスンし、何度も舞台に立ち、作り上げていく。
以下略



11: ◆zefPw5mKfA[saga]
2015/11/27(金) 00:14:35.07 ID:NjB6h2Aj0

「強い、か」

鈴帆だけでなく頼子にまでそう言われて、再びソファに腰かけた私はその言葉について考えを巡らせる。
心が強い。そう評してくれているのだという事は分かった。
以下略



12: ◆zefPw5mKfA[saga]
2015/11/27(金) 00:15:42.47 ID:NjB6h2Aj0

「さぁ、そうと決まったらPしゃんを待って、突撃あるのみばい!」

鈴帆が両の拳を握って気合を入れた。腹を括って見届けてくれるという事だろう。
時計を見れば、そろそろ頼子はレッスンの時間で、彼が帰ってくる時間が間近に迫っていた。
以下略



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