過去ログ - 晶葉「どうにも私は、恋をしているらしい」
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6: ◆zefPw5mKfA[saga]
2015/11/27(金) 00:09:19.94 ID:NjB6h2Aj0

「……なるほど、そういう事でしたか」

私の話を聞いた頼子は、少しの間自分の髪を撫でつけるように触れてから頷いた。

以下略



7: ◆zefPw5mKfA[saga]
2015/11/27(金) 00:10:31.31 ID:NjB6h2Aj0
考える。
頼子の言葉に間違いはない。真っ直ぐにぶつけるというのは、結果が出るというのはそういう事だ。
恋が成就した。私はPと寄り添い、同じ道を行く。だが、私という偶像の価値が変わる。
恋が叶わなかった。私とPの距離は……どうなるのだろうか。

以下略



8: ◆zefPw5mKfA[saga]
2015/11/27(金) 00:11:35.37 ID:NjB6h2Aj0
顔をあげると頼子が私を見ていた。心配そうな目だった。
首を回すと鈴帆が私を見ていた。口を噤んで、何か言いたいのを我慢している顔だった。
私はまた、視線を落として深く思考する。
彼でなくても、それは出来るのではないかと。
足りない男出は、仲間達で乗り越えればいい。聞けない感想は、別の者に聞けばいい。笑い合う相手もまた――
以下略



9: ◆zefPw5mKfA[saga]
2015/11/27(金) 00:12:40.70 ID:NjB6h2Aj0

「晶葉さん?」

頼子の声が聞こえる。心配そうな声音なのが分かれば、私の心は定まった。

以下略



10: ◆zefPw5mKfA[saga]
2015/11/27(金) 00:13:37.84 ID:NjB6h2Aj0
私はアイドルで、発明家だ。
一つの新しい物を作り上げるために、何度だって失敗し、何度だって挑戦する。
何が良くて何が駄目なのか、それを何度も何度も精査して成功へと辿り着く。
それはアイドルでも同じだ。
求められるアイドルという姿を、何度もレッスンし、何度も舞台に立ち、作り上げていく。
以下略



11: ◆zefPw5mKfA[saga]
2015/11/27(金) 00:14:35.07 ID:NjB6h2Aj0

「強い、か」

鈴帆だけでなく頼子にまでそう言われて、再びソファに腰かけた私はその言葉について考えを巡らせる。
心が強い。そう評してくれているのだという事は分かった。
以下略



12: ◆zefPw5mKfA[saga]
2015/11/27(金) 00:15:42.47 ID:NjB6h2Aj0

「さぁ、そうと決まったらPしゃんを待って、突撃あるのみばい!」

鈴帆が両の拳を握って気合を入れた。腹を括って見届けてくれるという事だろう。
時計を見れば、そろそろ頼子はレッスンの時間で、彼が帰ってくる時間が間近に迫っていた。
以下略



13: ◆zefPw5mKfA[saga]
2015/11/27(金) 00:16:33.81 ID:NjB6h2Aj0

「………!」

床を踏み鳴らす。足をアースにして緊張という名の電気を逃がす。
二人が手を離した。私は迷わずに一歩前に出る。
以下略



14:名無しNIPPER[sage]
2015/11/27(金) 00:17:02.66 ID:NCQuwmBUo
いいぞ


15: ◆zefPw5mKfA[saga]
2015/11/27(金) 00:17:48.89 ID:NjB6h2Aj0
        ※        ※        ※

今、私は不貞寝している。
ソファの背もたれに顔の正面を預け、向かいに腰かける鈴帆、志希、心に背中を向けているのだ。

以下略



16: ◆zefPw5mKfA[saga]
2015/11/27(金) 00:19:47.38 ID:NjB6h2Aj0

「ねーねー鈴帆ちゃーん。アタシさ〜、入って来たの後続じゃない? だからプロデューサーと晶葉ちゃんの馴れ初めとか知らないんだよね〜」

再び不貞寝した私から興味を失ったのか、それとも何かの実験か。唐突に志希が口火を切った。

以下略



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