1: ◆1UOAiS.xYWtC[sagesaga]
2015/12/20(日) 00:13:14.04 ID:OZ5mIP6Co
 
 このスレは 
 魔王「世界の半分はやらぬが、淫魔の国をくれてやろう」 
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 の後日談です。 
 時間軸としては 
  
 勇者「淫魔の国は白く染まった」 
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 の数日後で、季節は冬です。 
  
 短編ひとつめ:サキュバスAと 
 短編ふたつめ:サキュバスBと 
 短編みっつめ:サキュバスCと 
  
 の三つを予定しています。 
 それでは、始めます。
SSWiki : ss.vip2ch.com
2:名無しNIPPER
2015/12/20(日) 00:14:43.35 ID:CtirEZD20
 待ってました 
3: ◆1UOAiS.xYWtC[sagesaga]
2015/12/20(日) 00:16:01.74 ID:OZ5mIP6Co
  
 「――――は、今――――に浮かんでいる――――」 
  
 「吸ってー……吐いてー……ほら……体の力が、もっと抜ける……気持ちいいね……」 
  
4: ◆1UOAiS.xYWtC[sagesaga]
2015/12/20(日) 00:17:24.36 ID:OZ5mIP6Co
 勇者「っ……うぁっ!?」 
  
 腰がグンと持ちあがるような強烈な浮遊感と、 
 下腹部から硬い熱が駆け抜けるような絶頂感とで眼が覚めた。 
 下着の中をぬめる温感が満たす不快な感触があり、 
5: ◆1UOAiS.xYWtC[sagesaga]
2015/12/20(日) 00:19:01.08 ID:OZ5mIP6Co
  
 勇者「変な技を使うな」 
  
 サキュバスA「さすがに爆発はさせられませんが、暴発ならさせてもいいか……と」 
  
6: ◆1UOAiS.xYWtC[sagesaga]
2015/12/20(日) 00:20:44.38 ID:OZ5mIP6Co
  
 ―――――― 
 昨日、堕女神は所用のために城を離れた。 
 どうしても南方の執政官と、人間界への渡航について書類を交わさなければならなくなったという。 
 昨今までの自粛したムードから一点、その南の街に住む、特に精力に飢えた人外種の淫魔達からの声が無視できなくなった。 
7: ◆1UOAiS.xYWtC[sagesaga]
2015/12/20(日) 00:21:25.12 ID:OZ5mIP6Co
  
 朝食のメニューは、生姜を使ったブレッドを中心にした、軽めのものだった。 
 堕女神が供するものとは違っていても、そのどれもが美味。 
 香辛料を効かせたスープは、特に冬の朝の身体を温めてくれるようだ。 
  
8: ◆1UOAiS.xYWtC[sagesaga]
2015/12/20(日) 00:22:34.77 ID:OZ5mIP6Co
  
 勇者「……だめ?」 
  
 サキュバスA「陛下に何かあれば一大事です。私としても陛下一人での行動は看過できませんわ。ですので」 
  
9: ◆1UOAiS.xYWtC[sagesaga]
2015/12/20(日) 00:24:57.24 ID:OZ5mIP6Co
  
 勇者「……久々に、指すか?」 
  
 そう提案すると、サキュバスAは唇をかすかに歪めて笑った。 
 この世界に来た時に一度教わり、それから暇を見つけてもう二局。 
10: ◆1UOAiS.xYWtC[sagesaga]
2015/12/20(日) 00:26:01.94 ID:OZ5mIP6Co
  
 しばし、朝食を済ませて城内を巡る。 
 思えば、これは初めての事だ。 
 かつての七日に始まって、季節の移ろいが人間界と同じとすれば、春頃にこの国へ来た。 
 そこから夏、秋と過ぎて冬の今、城にいる時はこれまで堕女神がいた。 
11: ◆1UOAiS.xYWtC[sagesaga]
2015/12/20(日) 00:26:58.40 ID:OZ5mIP6Co
  
 サキュバスA「……お待ちしておりましたわ、陛下」 
  
 書斎の中央にある大机には、すでにサキュバスAがついていた。 
 机の上には、駒無しのゲーム盤がある。 
12: ◆1UOAiS.xYWtC[sagesaga]
2015/12/20(日) 00:27:54.25 ID:OZ5mIP6Co
  
 勇者「……前のと違うな?」 
  
 サキュバスA「ええ。この中央ではなく、西方で用いられているタイプです。私もこれを使うのは久々で、新鮮ですわね」 
  
13: ◆1UOAiS.xYWtC[sagesaga]
2015/12/20(日) 00:28:41.07 ID:OZ5mIP6Co
  
 勇者「……俺、か」 
  
 黒の「王」は、勇者自身の姿をしていた。 
 だがその佇まいは、野蛮さや邪悪さはまとっていない。 
14: ◆1UOAiS.xYWtC[sagesaga]
2015/12/20(日) 00:30:21.19 ID:OZ5mIP6Co
  
 サキュバスA「影、猫、闇夜の蝙蝠、淫靡な嘘。サキュバスはそういった概念と切り離せないものでしてよ?」 
  
 勇者「その割には、チェスの腕は……単純な俺と互角じゃないか」 
  
15: ◆1UOAiS.xYWtC[sagesaga]
2015/12/20(日) 00:31:49.06 ID:OZ5mIP6Co
  
 勇者「えっ……!?」 
  
 サキュバスA「陛下が相手だから使わないのではなく。あの子は、『魔眼』を持っていない。恐らくこれからも体得する事はありません」 
  
16: ◆1UOAiS.xYWtC[sagesaga]
2015/12/20(日) 00:32:32.77 ID:OZ5mIP6Co
  
 ―――――――― 
  
 盤面の上で、山賊が栗毛の女兵士を嬲る。 
 剛毛に覆われた指が兵士の胸甲をはぎ取り、欠けた短剣がインナーを裂き、最後の一枚までも布きれとして虚空へ舞わせる。 
17: ◆1UOAiS.xYWtC[sagesaga]
2015/12/20(日) 00:33:31.91 ID:OZ5mIP6Co
  
 勇者「…………」 
  
 醍醐味、と言われても――――あまり見ていたいものではない。 
 追加ルールを勝手に宣誓されてしまったから、仕方のない事ではあっても。 
18: ◆1UOAiS.xYWtC[sagesaga]
2015/12/20(日) 00:35:16.14 ID:OZ5mIP6Co
  
 三秒までを数える間もなく、股間に、外気の涼しさと、糖蜜の蒸気にも似た甘ったるい熱を覚える。 
 さながら熟達の盗賊の解錠が如く、ベルトが外され、留め具が外され、 
 ズボンと下着が太ももの半ばまで引き下ろされる。 
 淫魔の早業は、その事実に気付く事さえも遅らせてしまった。 
19: ◆1UOAiS.xYWtC[sagesaga]
2015/12/20(日) 00:36:31.70 ID:OZ5mIP6Co
  
 勇者「やめろ。……今すぐ、やめ……うぁっ!?」 
  
 為されたのは、先端への軽い口づけが一つ。 
 たったそれだけなのに、血流が勢いを増し、海綿体へ一気に血が流れ込み――――硬く絞った布巾のように、屹立してしまう。 
20: ◆1UOAiS.xYWtC[sagesaga]
2015/12/20(日) 00:38:07.65 ID:OZ5mIP6Co
  
 彼女の指先が蠢くたびにとろけそうな快感が腰を砕かせ、すでに、下肢は動かせない。 
 堪えようとするたびに上半身が前に倒れ、今となっては、左前腕すべてを机についてしまっていた。 
  
 唇の愛撫は、絶妙なペースでにじり寄るようにペニスを飲み込み、反芻するように吐き出し、 
21: ◆1UOAiS.xYWtC[sagesaga]
2015/12/20(日) 00:38:56.16 ID:OZ5mIP6Co
  
 そして、射精が起こる。 
 体積としてあり得ないほど大量の精液が、ぴたりと根元まで飲み込んで止まったサキュバスAの喉を目指して噴きあがる。 
  
 時にして十秒以上。 
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