過去ログ - 高森藍子「菜々さんへの誕生日プレゼントが思いつかない……」
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6:名無しNIPPER[saga]
2016/05/15(日) 21:57:55.37 ID:5maGnF/Q0
清白なシーツを親指と人差し指で摘み、こすりあわせて、それから未練を消し去るかのように思いっきり大の字になった。雑誌がぱさりと音を立てて跳ねる。
目に髪が軽くかかるのをそのままにして、考える。

悩むことはけっこう好きだ。特に、誰かにプレゼントをする時は。
何がいいかな。何が似合うかな。喜んでくれるかな。
以下略



7:名無しNIPPER[saga]
2016/05/15(日) 21:58:56.42 ID:5maGnF/Q0
どうして、菜々の誕生日プレゼントが思いつかないのだろう?
想像ができないから?
それは、どうして?

「あっ……もしかして」
以下略



8:名無しNIPPER[saga]
2016/05/15(日) 21:59:46.77 ID:5maGnF/Q0
――5月9日――

学校帰りに事務所へ向かった。ドアを開けると、菜々とPの話し声が耳に飛び込んできた。

「――だーかーらー、千葉県の特産じゃなくてウサミン星の特産なんですぅ〜!」
以下略



9:名無しNIPPER[saga]
2016/05/15(日) 22:00:36.84 ID:5maGnF/Q0
「ふふっ。菜々さんとPさんのお話があまりに白熱しているみたいなので、つい。……Pさん。あんまり、菜々さんをいじめちゃだめですよ?」
「う゛。い、いやぁ……いじめてる訳じゃないんだ」
「だってPさん、すっごくいじわるそうな顔をしてますから」
「藍子に言われちゃお手上げだな」

以下略



10:名無しNIPPER[saga]
2016/05/15(日) 22:01:26.69 ID:5maGnF/Q0
「ホント、藍子ちゃんのお茶はいつでもバッチリですね! これならいつメイドカフェに来ても大丈夫ですよぉ!」
「あはは……メイドカフェに行くことは、ちょっとないかも……?」
「ふむ。そういえばアイドルのメイドカフェ体験イベントに枠があったような」
「そ、それは菜々さんにお譲りしますっ」

以下略



11:名無しNIPPER[saga]
2016/05/15(日) 22:02:16.83 ID:5maGnF/Q0
「ま、まさか顔に出てます?」
「……顔に?」
「そのー、ですね。最近ちょっと忙し気味というかオーバーワーク気味というか。そのせいで寝るのが遅くなって……お肌のケアはいつも欠かしていないつもりですがやっぱりなんか出てます!? ナナ、カメラに映れる顔になってます!?」
「……………………」

以下略



12:名無しNIPPER[saga]
2016/05/15(日) 22:03:06.58 ID:5maGnF/Q0
「Pさぁん!? やめっ、やめてくださいよ! ただでさえPさんに加蓮ちゃんがアレなのにっ……それに藍子ちゃんはほら冗談とかを真に受けかねませんし!? ほらっなんかPさんの言葉を疑ってないって顔だしっ……あ、藍子ちゃんはそんなことしませんよね!? ウサミンをいじめたりしませんよね!?」
「だ、大丈夫ですっ、あはは……」
「大丈夫って風に見えないんですが!? 何か誤魔化してますよね!? Pさんが余計なこと言うからですよ!? どうしてくれるんですか!?」
「え、俺のせい?」

以下略



13:名無しNIPPER[saga]
2016/05/15(日) 22:03:56.70 ID:5maGnF/Q0
――5月11日――

In物陰。

「お、お疲れさばでず、加蓮ぢゃん……」
以下略



14:名無しNIPPER[saga]
2016/05/15(日) 22:04:46.65 ID:5maGnF/Q0
いつ目が合ってしまうか、いつ加蓮が口元にイタズラを思いついた時の笑みを見せるか――
そんなことがあってはならなくて、あっては目的を達成できないからこうして隠れてしまっているのに、そのスリルがちょっぴり楽しい。
かくれんぼみたいで。

「さ、さすがにこの姿はそのぉ……見せたくないというか、見せられる訳がなくて……。で、でもPさんに助けてもらいたいって気持ちも……か、加蓮ちゃんなら分かってくれますよね? この矛盾!」
以下略



15:名無しNIPPER[saga]
2016/05/15(日) 22:05:36.56 ID:5maGnF/Q0
「……でもま、それが楽しいんですけどね。無理なことができた時のあの快感! ファンにお披露目して、拍手をもらえた瞬間なんかはもうっ……!」
「相変わらず涙もろいなぁ。まだ本番まで何日もあるのに」
「この歳になると涙腺が弱くなるんですよ。加蓮ちゃんもそのうち分かりますから!」
「…………そだね。二十歳も後半になるとすぐ泣くようになったってお母さんも、」
「誰が二十歳後半じゃー!」
以下略



16:名無しNIPPER[saga]
2016/05/15(日) 22:06:26.64 ID:5maGnF/Q0
「だいたい加蓮ちゃんこそ! 実はクタクタなのに無理してるってことありません!? ナナに気を遣うとか一切いりませんからね! さあさあ一緒に横になりましょう!」
「気なんて遣ってないって。私は私なりに全力出してるだけだし」
「どーだか。加蓮ちゃん、隠すの得意ですからねぇ」
「ここに来てからはそこまで得意じゃ……あ、でもガバガバなウサミンよりはマシだね、うん」
「失礼な!」
以下略



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