過去ログ - オフィーリア「心からお慕いしておりました」
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2: ◆d/8j7bKhKM[sagesaga]
2016/05/18(水) 02:31:24.95 ID:pKt//rZNO
私はハムレット様を愛しています。
きっかけはなんでもない事でした。もしかしたら貴方の気まぐれだったのかもしれません。

その日の朝は、流れる雲を見上げながら、同じ様な日々を繰り返す生活に鬱々としていました。そんな時、ドタドタと私の部屋目掛けて走ってくる音が聞こえてきました。

以下略



3: ◆d/8j7bKhKM[sagesaga]
2016/05/18(水) 02:32:29.36 ID:pKt//rZNO
乳母「今朝、私がいつもの様にお庭の手入れをしていた時に、王子の使いだと名乗る男からお嬢様以外にバレないように渡してくれと言われたんです」

オフィーリア「信じられません…」

先ほどの大声で危うくバレそうになってはいましたけど、そんな事はどうでも良く、王子からお手紙を頂くなんて畏れ多い事です。
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4: ◆d/8j7bKhKM[sagesaga]
2016/05/18(水) 02:34:04.28 ID:pKt//rZNO
そうして、私はハムレット様との文通を始めました。
彼はこのデンマーク国の王子で、当然国務大臣を父に持つ私とでは身分が釣り合いません。
お父様の仕事の関係上、何度かお目にかかった事はありましたが、お互い会釈するのみで言葉を交わした事は一度もありませんでした。
それでも、何度かお手紙をやり取りしていく内に、ハムレット様の優しさや聡明さは随所から読み取れました。
気が付けば私は、ハムレット様に惹かれていました。
以下略



5: ◆d/8j7bKhKM[sagesaga]
2016/05/18(水) 02:35:36.28 ID:pKt//rZNO
そんな風に手紙を待つばかりの日々は唐突に終わりを告げました。
夜、そろそろ寝ようかしら、と燭台の火を消した時でした。窓の方から誰かが歩いてくる音が聞こえてきたのです。
私は怖くて声も出せず、ただただ侵入者と少しでも距離を取ろうと後退りする事しかできません。
一方の侵入者はずんずんとこちらに近付いてきます。
とうとう、私は壁と侵入者に挟まれ身動きが取れない状況になってしまいました。するとその人は、私の耳元に顔を寄せます。
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6: ◆d/8j7bKhKM[sagesaga]
2016/05/18(水) 02:36:55.85 ID:pKt//rZNO
オフィーリア「もしかして…ハムレット王子ですか?」

ハムレット「あぁ、その通り、貴女を世界で一番愛する男です」

ハムレット様は私の手を取ると、甲に軽く口付けをし、顔が火照りそうなことを真顔で仰います。
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7: ◆d/8j7bKhKM[sage]
2016/05/18(水) 02:38:56.15 ID:pKt//rZNO
それからしばらくの間、ハムレット様とお話をしました。
彼や私の身の上話が大半でしたが、その中でも彼のお父上、デンマーク王についての話が最も多かったと思います。
「父上がこんな事をした」だとか、「こんな輩がいたから父上が黙らせた」とお父上の事をとても楽しそうに語ってくださいました。
私の方は、お父様の普段は見せない一面だとか、お兄様が近々海外へ行かれるのでその準備で忙しそうだなんて話をしました。
ハムレット様は終始笑みを浮かべながら聴いてくださっていました。
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8: ◆d/8j7bKhKM[sage]
2016/05/18(水) 02:40:21.92 ID:pKt//rZNO
レアティーズ「じゃあ、行ってくる。オフィーリア、怠けるなよ」

お兄様がフランスに旅立たれる日。

オフィーリア「心配なの?」
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9: ◆d/8j7bKhKM[sage]
2016/05/18(水) 02:41:29.30 ID:pKt//rZNO
レアティーズ「そう思っていた方が良い。何せ相手は王子だ。今はお前に真実の愛を囁いているかもしれない。けれど、いざお妃を迎えるとなれば話は別だ。王子の意志だけでは決められないんだよ」

オフィーリア「ご忠告どうも。心に留めておきます。でもお兄様もお気をつけあそばせ。ご自分ばかり忠告して、自分は向こうで女に現を抜かすなんて事にならないように」

レアティーズ「心配いらないさ」
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10: ◆d/8j7bKhKM[sage]
2016/05/18(水) 02:42:58.91 ID:pKt//rZNO
ボローニアス「それで、オフィーリア。随分熱心に話していたが、倅とはなんの話を?」

オフィーリア「ハムレット様の事で少々」

ボローニアス「そうか、あれは良く気が付くな」
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11: ◆d/8j7bKhKM[sage]
2016/05/18(水) 02:44:18.32 ID:pKt//rZNO
ボローニアス「ハッ!お優しい気持ち!お前はそれを信じているのか?」

心底馬鹿にしたように笑っています。
どうしてそこまで言われなければいけないのか解りません。

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