過去ログ - 卯月「シンデレラプロジェクトが無くなっちゃうんですか...?」
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名無しのシンデレラ
◆vSqCWNhtWA
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2016/09/17(土) 21:58:43.93 ID:lbAtUERV0
美城常務「なにか言いたいことはあるか?」
美城常務の問いに武内Pは苦悶の表情を浮かべた。
彼がプロデュースしているプロジェクト、シンデレラプロジェクト(以下CP)は存続の危機に立たされていた。
美城常務が346プロダクションのアイドル部門統括重役に就任してから既存のアイドルプロジェクトの刷新が進められてきた。
CPもその例にもれず刷新の対象となっていたが、武内Pの必死の懇願によりある条件と引き換えに存続が認められることになっていた。
その条件とは冬のライブである《シンデレラの舞踏会》の成功である。
このライブの成功を条件にCPの存続および武内Pが目指す「アイドルの個性を伸ばすプロデュース」を認めさせることができる。
そのために武内PはもちろんCPのアイドル達は全霊を込めて頑張ってきた。
が、それは叶わなかった。
結論から言えば《シンデレラの舞踏会》は失敗に終わったのである。
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名無しのシンデレラ
◆vSqCWNhtWA
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2016/09/17(土) 22:00:27.74 ID:lbAtUERV0
武内P「…私はあのライブが失敗したとは思ってはいません…!」
美城常務をぐっと見据えて鬼気迫る表情で訴えた。
以下略
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名無しのシンデレラ
◆vSqCWNhtWA
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2016/09/17(土) 22:03:29.65 ID:lbAtUERV0
彼の主張することは事実である。
夏以降CPの活動はプロダクション内でも一定の評価を受けており、将来を期待されていた。
が、時の運に見放された。
シンデレラの舞踏会は当日に数十年に1度の大雪に見舞われたのである。
そのため主要な交通機関はストップし、熱心なファンですら会場にたどり着くことが難しかったのである。
以下略
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名無しのシンデレラ
◆vSqCWNhtWA
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2016/09/17(土) 22:05:41.34 ID:lbAtUERV0
武内P「しかし…」
美城常務「しかしもなにもあるのか!」
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名無しのシンデレラ
◆vSqCWNhtWA
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2016/09/17(土) 22:08:20.41 ID:lbAtUERV0
CPのプロジェクトルームの空気は酷く重かった。
CP発のユニット、ニュージェネレーションズの島村卯月はみんなの不安な顔と時間は必ず守る武内Pが朝礼の時間になっても姿を現さないことで困惑していた。
普段なら莉嘉やみりあが元気な声でおしゃべりをしているが、これから何が起こるかを理解しているらしく、口を閉ざしたまま不安な表情を浮かべていた。
それはアイドルが、ましてこんな小さい子がしていい表情ではない。
以下略
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名無しのシンデレラ
◆vSqCWNhtWA
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2016/09/17(土) 22:09:51.36 ID:lbAtUERV0
みりあ「…ねぇ…この間のステージは失敗しちゃったの?」
小さい子は純粋である。
それゆえみんなが遠慮している部分をストレートに突いてくる。
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名無しのシンデレラ
◆vSqCWNhtWA
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2016/09/17(土) 22:11:55.31 ID:lbAtUERV0
李衣菜「それに中止ってことは主催者への信頼を揺るがすものだよ?私もライブ見に行って途中で『 本日のライブは中止です。チケット代はお返ししますが、ステージはもう行いません。』なんて言われたら頭に来ちゃうよ、それにどんな事情がたったとしてもさ。」
確かにそうだと卯月は思った。楽しみにしていたイベントが途中で強制的に終わるなんて興が冷めるし、なにより寂しい。
みく「…ずいぶんと落ち着いてるね李衣菜チャン…」
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名無しのシンデレラ
◆vSqCWNhtWA
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2016/09/17(土) 22:13:39.48 ID:lbAtUERV0
杏「みくちゃんだって李衣菜の言ってることくらいわかってるでしょ?それを認めたくない気持ちは杏にもわかるけどそれを李衣菜にぶつけたってなんの意味も無いでしょ?」
前川「そんなこと分かってるにゃ…でも…そんなのあんまりにゃ…」
声を震わせてうじうじするみくに杏はうんうんと頷きながら声をかける。
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名無しのシンデレラ
◆vSqCWNhtWA
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2016/09/17(土) 22:21:12.05 ID:lbAtUERV0
ガチャリと扉を開けて入ってきたのは武内Pとアシスタントの千川ちひろであった。
アイドルたちは誰1人とも口を開かなかった。ただ武内Pがいつもの場所へと歩を進める姿を見ているだけだった。
凛「…」
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名無しのシンデレラ
◆vSqCWNhtWA
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2016/09/17(土) 22:25:27.98 ID:lbAtUERV0
武内P「しかし…」
ここで武内Pの顔から笑顔が消えて苦しそうな顔だけが残った。
武内P「…みなさんご存知の通り、ステージ当日は記録的な豪雪に見舞われました…」
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名無しのシンデレラ
◆vSqCWNhtWA
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2016/09/17(土) 22:27:33.19 ID:lbAtUERV0
武内P「…先ほど美城常務直々に通達がありました…シンデレラプロジェクトは本日をもって解散、みなさんは明日通達される部署に再配属になります。」
淡々と述べる姿に先ほどの涙はなかった。プロデューサーの隣でちひろさんも顔を俯かせている。
武内P「…1年にも満たない期間でしたが、プロデューサーとしてみなさんをプロデュースしていく中で、みなさんが日々成長し、それぞれの夢に向かっていく姿に感動を受けていました。そしてそれが私の宝となり私自身もみなさんと一緒に成長していけたと思います。」
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名無しのシンデレラ
◆vSqCWNhtWA
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2016/09/17(土) 22:28:55.66 ID:lbAtUERV0
武内P「CPは解散となりますが、みなさんのアイドル生活は始まったばかりです。ここでの経験を生かして、アイドルの階段を1歩ずつ確かに登って行ってください。」
アイドル全員の顔を名残惜しそうに見渡す。
卯月と目が合った。武内Pは一瞬不安そうな顔をしたがすぐに軽い微笑みを作った。
なんて悲しい笑顔なんだろう。
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名無しのシンデレラ
◆vSqCWNhtWA
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2016/09/17(土) 22:30:04.71 ID:lbAtUERV0
CPの解散が発表された翌日、346プロアイドル部門の各部署はにわかに慌ただしくなっていた。
急遽CPのアイドルが配属された各部署のP達はスケジュールの再調整に追われていた。
騒がせた理由はそれだけではない。CPは美城常務に最後まで抵抗していたプロジェクトだった。
プロダクション内に少なからず存在していた美城常務のやり方に賛同できないP達からの期待は大きく、また最後の希望でもあった。
それの突然の解散はP達のみならずアイドル達にも大きな動揺を与えた。
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名無しのシンデレラ
◆vSqCWNhtWA
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2016/09/17(土) 22:31:12.36 ID:lbAtUERV0
未央「よし!しまむー!しぶりんはいないけど、気持ちも新たに新生NGsの初レッスンをしようじゃないか!」
いつも通り元気な未央の声に卯月も声を大きくする。
卯月「はい!新生島村卯月がんばりまふ!ぶいっ!」
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名無しのシンデレラ
◆vSqCWNhtWA
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2016/09/17(土) 22:32:13.75 ID:lbAtUERV0
その日を境にNGsの仕事は減っていった。その主な理由が凛のTPの仕事と時間が重なるため、もしくは仕事が増えたTPの数少ないオフとNGsの仕事が被るため、である。
PKのメンバーとして美城常務直々の寵愛を受けているTPの仕事がNGsより優先されることは明白だった。
未央はこれを受けソロ活動の範囲を広げるつもりらしい。
一方卯月はピンクチェックスクールに主な活動を移す…ことはできなかった。
休養期間中に代わりを務めていた三村かな子がそのまま正式メンバーとなり、そこに五十嵐響子を加え、小日向美穂との3人ユニットとなったのだ。
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名無しのシンデレラ
◆vSqCWNhtWA
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2016/09/17(土) 22:34:21.53 ID:lbAtUERV0
>>14
誤:新生島村卯月頑張りまふ!
正:新生島村卯月頑張ります!
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名無しのシンデレラ
◆vSqCWNhtWA
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2016/09/17(土) 22:35:58.74 ID:lbAtUERV0
卯月「ただいまー」
自分が置かれている状況にもやもやしながら帰宅する。
おかえなさい、と迎えてくれる母と一言二言話し、お風呂に入って、夕飯を食べて、宿題をして、寝る。養成所時代を思い出す。
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名無しのシンデレラ
◆vSqCWNhtWA
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2016/09/17(土) 22:37:39.59 ID:lbAtUERV0
コンコン、常務室にノックの音が響く。
美城常務「入れ。」
姿を見せたのは千川ちひろであった。
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名無しのシンデレラ
◆vSqCWNhtWA
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2016/09/17(土) 22:39:48.92 ID:lbAtUERV0
美城常務「簡潔に言おう。美城に灰かぶりは必要ない。」
ちひろ「……はい?」
美城常務「もう一度言おうか?我がプロダクションは島村卯月を必要としてない。」
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名無しのシンデレラ
◆vSqCWNhtWA
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2016/09/17(土) 22:41:15.18 ID:lbAtUERV0
CP解散後の日々は武内にとって何の輝きもないものだった。
プロデューサー職を外され、今は事務員として働いていた。
しかもアイドル部門の事務員ではなく他部門の事務員としてだ。
さらに彼には厳しい制約が付けられていた。『346プロ所属のアイドルとの接触を禁ず』だ。
彼はアイドル部門のトップに楯突いた危険分子であり、今後の動きを抑制するためである。
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名無しのシンデレラ
◆vSqCWNhtWA
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2016/09/17(土) 22:43:13.73 ID:lbAtUERV0
同僚A「お前さ、アイドル部門の噂知ってる?」
武内「いえ…存じ上げません。」
無粋な方だ、と武内は思った。ここに飛ばされた理由もどんな気持ちなのかも分かっているだろう。
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