過去ログ - 歌鈴「私の大切な還る場所」
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1:名無しNIPPER[saga]
2016/10/06(木) 22:00:40.87 ID:ZjJoYnl/0
「久しぶりに帰ってきたなぁ...」

今日はオフを貰ったのでアイドルになってから初めて実家の神社に帰ってきました。

ほんの数年前まではずっとここで巫女さんとして過ごすつもりでいたのでなんだか感慨深いですね...。

久しぶりに会った家族や近所の知り合いの方に挨拶すると、
「大人になったねぇ」とか「きれいになったねぇ」なんて言われちゃって少し照れちゃいます。

かといって浮かれているばかりではいけません。

少しでも成長した歌鈴を見せてあげます!

なんて見栄を張ったはいいものの私にできることなんて神社の周りを掃除するくらいですけどね。

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2:名無しNIPPER[saga]
2016/10/06(木) 22:02:22.79 ID:ZjJoYnl/0
神社の入り口から裏側まで箒でぴかぴかにしようと思っていると一匹のタヌキが目に入りました。

それだけなら別に気にすることはないのですが、そのタヌキは神社に植えてある柿を手に持っています。

「むむっ...これは許せませんね」
以下略



3:名無しNIPPER[saga]
2016/10/06(木) 22:04:24.07 ID:ZjJoYnl/0



「は、はぁ、はぁ...]

以下略



4:名無しNIPPER[saga]
2016/10/06(木) 22:05:32.21 ID:ZjJoYnl/0
ど、どうしよう...なんて考えていると後から何かが私の袖を掴みました。

「ん?」

不思議に思って振り向いてみるとそれは先ほど私が追っていたタヌキでした。
以下略



5:名無しNIPPER[saga]
2016/10/06(木) 22:06:39.26 ID:ZjJoYnl/0
なんて考えていると...

(呼び出してごめんね...)

あれ?他に誰かいるのでしょうか?
以下略



6:名無しNIPPER[saga]
2016/10/06(木) 22:08:57.81 ID:ZjJoYnl/0



それから数分後......

以下略



7:名無しNIPPER[saga]
2016/10/06(木) 22:10:22.81 ID:ZjJoYnl/0



その日のお昼頃、私は神社の中で一人で遊んでいました。

以下略



8:名無しNIPPER[saga]
2016/10/06(木) 22:12:00.55 ID:ZjJoYnl/0
そのときです、私は何かにぶつかりました。

そして直後にパリーンという大きな音。

恐る恐る振り向くと、いつも置いてある壺の姿がなく破片のようなものが散らばってました。
以下略



9:名無しNIPPER[saga]
2016/10/06(木) 22:14:40.50 ID:ZjJoYnl/0
森の中に入って10分か20分ほどたった頃でしょうか。

ここまで来たら大丈夫だろうと私は破片を詰め込んだ袋を木のそばに置きました。

さあ帰ろうと思った私ですがここまで深く森に入ったことは今までなかったのです。
以下略



10:名無しNIPPER[saga]
2016/10/06(木) 22:16:04.50 ID:ZjJoYnl/0
「うぅ...ぐすっ...」

歩きつかれて足も痛くなりここからもう出られないのかなと思った私はとうとう泣き出してしまいました。

物を壊してしまったのにそれを隠そうとした罰なのでしょうか。
以下略



11:名無しNIPPER[saga]
2016/10/06(木) 22:17:21.49 ID:ZjJoYnl/0
アイドルの真似をして踊っていたこと。

転んでしまい壺を割ってしまったこと。

それをばれないように隠して森に捨てようとしたこと。
以下略



12:名無しNIPPER[saga]
2016/10/06(木) 22:19:03.43 ID:ZjJoYnl/0
「私、このままここで誰にも見つけられずに死んじゃうのかな」

そう思ったらなんだか急に悲しさと恐怖が襲い掛かってきました。

「せめて...みんなに謝りたかったな...」
以下略



13:名無しNIPPER[saga]
2016/10/06(木) 22:20:24.81 ID:ZjJoYnl/0
どこに向かっていくのでしょう。

20分ほど歩いたところでタヌキは足を止めました。

「はぁ...はぁ...あれ?ここって確か...」
以下略



14:名無しNIPPER[saga]
2016/10/06(木) 22:21:08.95 ID:ZjJoYnl/0
悪いことは償わなければならない。

お婆ちゃんがよく私にそう言っていたことを思い出しました。

「そうだよね、私謝らなきゃ...」
以下略



15:名無しNIPPER[saga]
2016/10/06(木) 22:22:18.52 ID:ZjJoYnl/0
それから20分後、私たちが森を抜け神社に戻った頃には空はもう真っ黒になっていました。

「心配かけちゃってるよね。私そろそろ行かなきゃ」

そう言うとタヌキが後から私の背中を軽く押しました。
以下略



16:名無しNIPPER[saga]
2016/10/06(木) 22:24:12.72 ID:ZjJoYnl/0



それから神社に戻った私はこっぴどく叱られました。

以下略



17:名無しNIPPER[saga]
2016/10/06(木) 22:25:40.06 ID:ZjJoYnl/0
その日から森の入り口に例のタヌキがよく現れるようになりました。

今まで一人で踊っていた私ですが、その日からは観客が付いたのです。

いわゆる私のファン一号ってことですね!
以下略



18:名無しNIPPER[saga]
2016/10/06(木) 22:27:04.48 ID:ZjJoYnl/0
その人はどうやらアイドルのプロデューサーらしいです。

そんな人がこの神社に何の用かと思いましたが、その人は私に名刺を手渡しこう言いました。

「アイドルになる気はありませんか?」
以下略



19:名無しNIPPER[saga]
2016/10/06(木) 22:28:30.09 ID:ZjJoYnl/0
そう考えていると例のタヌキがまたやって来ました。

「ねえ、私どうしたらいいんだろう?」

当然ながら返事なんて返ってきません。
以下略



20:名無しNIPPER[saga]
2016/10/06(木) 22:30:34.76 ID:ZjJoYnl/0



それからプロデューサーさんの話を聞いた私は、寮に住むことになると言われました。

以下略



21:名無しNIPPER[saga]
2016/10/06(木) 22:32:10.29 ID:ZjJoYnl/0
そして階段を降りようとしたその時です。

私の袖を後ろから何かが掴みました。

その正体が何か、もう私は知っています。
以下略



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