27: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2016/10/23(日) 08:57:45.29 ID:uhMwzG8T0
何だかんだと御託を並べても、プロデューサーだって一人の男。
素直に喜べない条件付きでも、美人に頼られて悪い気はしない。
……そんな乗せられやすい自分にたいして、呆れたように苦笑する。
28: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2016/10/23(日) 09:00:03.59 ID:uhMwzG8T0
=・=
カウンターの向こう側。老木のような顔をした、見た目の割に恰幅の良い老人が、
やって来た二人を「いらっしゃい」と出迎えた。
29: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2016/10/23(日) 09:01:23.86 ID:uhMwzG8T0
「お隣どーぞ、お二人さん」
「あ……どうも」
30: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2016/10/23(日) 09:03:00.94 ID:uhMwzG8T0
老人の答えに、楓がプロデューサーの方を見た。
その顔にはデカデカとした大きな字で「困った」と書いてある。
とはいえ、別に楓の質問の仕方が悪かったというわけではない。
31: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2016/10/23(日) 09:04:52.90 ID:uhMwzG8T0
それにもう一つ……プロデューサーにはこの屋台の奇妙さとは別に、気になっていることがある。
「あの、お客は俺たちだけなんですか? 外から見た時は、もう二、三人いたように見えたんですけど」
32: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2016/10/23(日) 09:06:37.84 ID:uhMwzG8T0
――……外から見た人影が単なる見間違いだったとして、すると今度は、
相席した少女の存在が気になりだしてしまうのは、ある意味で詮索好きで臆病な人の性だと言える。
不安な状況に置かれた人は、目につく限りの疑問にたいし、
33: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2016/10/23(日) 09:08:19.74 ID:uhMwzG8T0
「プロデューサー?」
不意に声をかけられて、プロデューサーが我に返ったように楓の方を向いた。
34: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2016/10/23(日) 09:10:20.95 ID:uhMwzG8T0
「お月見専門の屋台だよ。出てくるのはお団子とお酒と、後はそれから、お椀に入った綺麗なお水」
少女の説明を受け、今度はプロデューサーが身を乗り出すようにしながら老人に聞いた。
35: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2016/10/23(日) 09:12:58.17 ID:uhMwzG8T0
=・=
「じゃあ、お団子を二人分」
「あんよ」
36: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2016/10/23(日) 09:14:20.01 ID:uhMwzG8T0
「白玉団子……たまに里芋に似てるなって、思ったりしません? プロデューサー」
「今言うことですか、それ。……思いませんよ」
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