1: ◆GWARj2QOL2[saga]
2016/12/05(月) 20:58:20.48 ID:XfSadNeEO
アニメ準拠はほとんどありません 
 草は生えてませんが気分を害されたら本当に申し訳ありません 
 設定がガバガバなのと「…」が多いです
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2: ◆GWARj2QOL2[saga]
2016/12/05(月) 21:00:51.63 ID:XfSadNeEO
 何かが起こる時は、大抵何かしらの予兆がある。 
  
 そう言われた人間は少なくはない。 
  
 では具体的に、何の予兆があると、何があるのか? 
3: ◆GWARj2QOL2[saga]
2016/12/05(月) 21:01:41.27 ID:XfSadNeEO
 「…」 
  
 真っ直ぐにするのにかなりの時間を要するだろう癖っ毛を持つパジャマ姿の少女。 
  
 「…」 
4: ◆GWARj2QOL2[saga]
2016/12/05(月) 21:02:26.72 ID:XfSadNeEO
 少年は、走っていた。 
  
 ただひたすらに、走っていた。 
  
 何処に向かっているか、場所は分からないが方向ならば分かる。 
5: ◆GWARj2QOL2[saga]
2016/12/05(月) 21:03:11.35 ID:XfSadNeEO
 助けを求めるでもない叫びを上げた後、卯月は再び自分の置かれた立場に目を向けた。 
  
 何処かも知らない場所。 
 寝間着のままの自分。 
  
6: ◆GWARj2QOL2[saga]
2016/12/05(月) 21:03:45.88 ID:XfSadNeEO
 「…な、何…?」 
  
 音がした訳ではない。 
  
 声がした訳ではない。 
7: ◆GWARj2QOL2[saga]
2016/12/05(月) 21:04:28.86 ID:XfSadNeEO
 「…!……!」 
  
 人は、本当の恐怖に対面するとこうなるのか。 
  
 極度の緊張からか、声が出ない。 
8: ◆GWARj2QOL2[saga]
2016/12/05(月) 21:05:04.24 ID:XfSadNeEO
 「…」 
  
 その風貌、その大きさ。 
  
 一瞬で分かる、自分にはどうにも出来ないだろう、生き物としての差。 
9: ◆GWARj2QOL2[saga]
2016/12/05(月) 21:05:59.87 ID:XfSadNeEO
 『…!…!』 
  
 その大きなムカデは、何かを嫌がるような仕草をし出した。 
  
 肉食で、食欲旺盛なムカデが今、目の前にいる獲物を捕えることを中断してでも、だ。 
10: ◆GWARj2QOL2[saga]
2016/12/05(月) 21:06:44.31 ID:XfSadNeEO
 …。 
  
 「…ゃん…」 
  
 誰かが、自分を呼んでいる。 
11: ◆GWARj2QOL2[saga]
2016/12/05(月) 21:07:40.54 ID:XfSadNeEO
 …。 
  
 「…」 
  
 「…ったく…なんたってそんなカッコであんなとこに居たんだよ…」 
12: ◆GWARj2QOL2[saga]
2016/12/05(月) 21:08:27.74 ID:XfSadNeEO
 「……ご、ごめんなさい…」 
  
 「…良いよ。……で?」 
  
 「え?」 
13: ◆GWARj2QOL2[saga]
2016/12/05(月) 21:09:11.92 ID:XfSadNeEO
 ここは何処だ。 
  
 至って純粋な疑問をぶつけたつもりだったが、それを意外な質問だという顔で返したカズマ。 
  
 「…」 
14: ◆GWARj2QOL2[saga]
2016/12/05(月) 21:09:58.16 ID:XfSadNeEO
 「へー…じゃ、その…つまりだ。この世界の…事?は知らないってこと…か?」 
  
 「…はい。…多分…」 
  
 カズマとの道中、自身の生い立ちや、346プロダクションでの話を、端的にではあるが彼に話してはみた。 
15: ◆GWARj2QOL2[saga]
2016/12/05(月) 21:10:47.83 ID:XfSadNeEO
 …。 
  
 「…」 
  
 自分の取り柄といえば、何か。 
16: ◆GWARj2QOL2[saga]
2016/12/05(月) 21:11:34.78 ID:XfSadNeEO
 「…にしても…」 
  
 後ろをちらりと見る。 
  
 そこに横たわる、幾人かの屈強な男達。 
17: ◆GWARj2QOL2[saga]
2016/12/05(月) 21:12:22.42 ID:XfSadNeEO
 自称、山賊。 
  
 このご時世に賊などと名乗る者がいるのかと内心驚いた。 
  
 しかし、向こうは本気でこちらを襲う気だ。 
18: ◆GWARj2QOL2[saga]
2016/12/05(月) 21:13:14.42 ID:XfSadNeEO
 「…」 
  
 ただ、振り解こうとした。 
  
 肩を掴んだ男の手を振り解こうと、腕を掴み返しただけだ。 
19: ◆GWARj2QOL2[saga]
2016/12/05(月) 21:14:05.40 ID:XfSadNeEO
 …。 
  
 「はー…山ん中でねぇ…」 
  
 「はい…何が何だか、分からなくて…」 
20: ◆GWARj2QOL2[saga]
2016/12/05(月) 21:14:52.06 ID:XfSadNeEO
 …。 
  
 「…はぁぁぁ…」 
  
 深く溜息をつく、未央。 
21: ◆GWARj2QOL2[saga]
2016/12/05(月) 21:15:39.11 ID:XfSadNeEO
 「…お腹空いたなぁ…」 
  
 一人でいるからか、マイナスな気分に陥り、下を向く。 
  
 「…はぁ…」 
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