過去ログ - 無尽合体キサラギ
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43:名無しNIPPER[saga]
2017/01/21(土) 20:07:07.99 ID:JL8wN2Aao
対するロボットはその姿を“目”で追うが、その視界に、
木々の上から飛び出した小動物たちが割り込んでくる。
攪乱されたロボットは、一瞬、ヒビキの姿を見失った。
そのわずかなチャンスを逃すことなく、
ヒビキは空中で一回転して、見事、一体のロボットの肩に着地した。
以下略



44:名無しNIPPER[saga]
2017/01/21(土) 20:09:33.80 ID:JL8wN2Aao
姿勢制御のための重要なデータ取得を突如遮断され、
ロボットの巨体が大きく揺れた。
その足元に、森の中にあった長い蔦を咥えたイヌ美とネコ吉が迫る。

二匹はそれぞれ蔦の先を咥え、平行に並んで走っていた。
以下略



45:名無しNIPPER[saga]
2017/01/21(土) 20:12:04.99 ID:JL8wN2Aao
   『待ってください。私たちは、戦いに来たのではありません』

機械的に拡声されたその声は、凛としたよく通る女の声だった。
出鼻をくじかれた形で、思わず跳躍を躊躇してしまったヒビキであったが、
対する人型ロボットたちもまたスイッチが切れたかのように動きを止めた。
以下略



46:名無しNIPPER[saga]
2017/01/21(土) 20:15:45.40 ID:JL8wN2Aao



ヒビキたちに語りかけてきた声の主は、自らをタカネと名乗った。
大抵のことでは驚かない自信があったヒビキだったが、
以下略



47:名無しNIPPER[saga]
2017/01/21(土) 20:17:06.09 ID:JL8wN2Aao
しかしよくよく見てみれば、
アンコウ人間の皮膚は魚類であるにもかかわらず何やらモフモフと柔らかそうで、
しかも腕や足の関節部分では、その皮膚は不自然にダブついていた。
そして一際怪しさが感じられたのは頭部だった。

以下略



48:名無しNIPPER[saga]
2017/01/21(土) 20:18:01.82 ID:JL8wN2Aao
タカネ「お目通りを感謝します。
    つきましては、そのお礼も含めて私の船へと招待したいのですが」

怪しい姿のまま恭しく頭を下げるタカネに、
精一杯の警戒を示しながらも、正直ヒビキは戸惑った。
以下略



49:名無しNIPPER[saga]
2017/01/21(土) 20:19:08.83 ID:JL8wN2Aao
タカネが船、と呼んだ円盤の中は驚くほどシンプルだった。
白一色に統一されたドーム型の部屋には、
中心にある円形のテーブルとそれを取り巻く椅子以外には何もない。
外から眺めた印象からすれば、この一室だけで
円盤の内部すべてを占拠してしまっているんじゃないかと思えるほどの広さがある。
以下略



50:名無しNIPPER[saga]
2017/01/21(土) 20:21:06.05 ID:JL8wN2Aao
いまだアンコウの着ぐるみを着たままのタカネは
テーブルの席をヒビキにすすめ、ぽふぽふと手を叩いた。

すると切れ込み一つ無かったはずの白い壁に突如扉が現れ、
音もなく開いたかと思うと、中から数人の人間が歩み出てきた。
以下略



51:名無しNIPPER[saga]
2017/01/21(土) 20:22:09.97 ID:JL8wN2Aao
タカネ「どうぞ召し上がってください。私の、特製らぁめんです」

ヒビキの正面に向かい合って座ったタカネの前にも、同じ鉢が置かれていた。
ニッコリと、タカネは「さぁ」と手を差し出した。

以下略



52:名無しNIPPER[saga]
2017/01/21(土) 20:25:14.50 ID:JL8wN2Aao
もしかすると動物性の風味には、
自分の後ろに控えるアニマルロボたちのモチーフとなった動物のものがあるかも知れない。

しかしものを食べるということはこういうことだ。
だからヒビキは食事をする前には必ず「いただきます」と感謝を語り、
以下略



53:名無しNIPPER[saga]
2017/01/21(土) 20:27:56.47 ID:JL8wN2Aao
ヒビキ「交渉……?」

ピタリとヒビキの箸が止まる。
そう言えば円盤に乗って現れたとき、
タカネは話し合いが何とかと言っていたことを今更ながらに思い出した。
以下略



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