佐久間まゆイチブンノイチ人形
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2:名無しNIPPER[saga]
2018/12/01(土) 14:17:50.14 ID:3QcdtyFE0
 
 これほどの物は記憶を探ったとしても出てこない。また、直接渡されなかったのもこれが初めてかもしれない。

 担当アイドルになんで教えてもいない住所を把握されているのか、という少し恐れの入った疑問はいったんおいておくことにして、俺は家に入るべく行動に移ることにした。ひとまずドアを開けるために段ボールをずらそうとした……のだが、

以下略 AAS



3:名無しNIPPER[saga]
2018/12/01(土) 14:19:00.99 ID:3QcdtyFE0
 
 一度汗を拭こうとハンカチを取り出す。ずいぶん昔に買った覚えのあるハンカチの肌触りは大分ざらついたもので、そういえば新しく買おうと少し前に思っていたことを思い出す。そんなことが一瞬頭の片隅に過ったが、頭の中はすぐに箱の中身のことでいっぱいになる。

 はやる気持ちを抑えつつ、縦長の段ボール箱をゆっくりと横にする。これを勢いよく倒そうものならトラブルは避けられなそうだ。そして、中央に真っすぐと貼りついているテープに手を掛けた。1メートル以上あるそれを掴んでから一気に引っ張ると、ベリベリと気持ちのいい音をしながら勢いよくはがれていく。これまでの苦労のせいだろうか案外楽しい。

以下略 AAS



4:名無しNIPPER[saga]
2018/12/01(土) 14:20:11.65 ID:3QcdtyFE0

 そうだ、あれを見たとき俺は「人間の目だ」と思ったのだ。

 ダラダラと、いやな汗が体中から噴き出すのを感じる。心臓の音が急に耳に入るようになった。俺はしりもちをついた間抜けな姿勢のままどうにか深呼吸を重ねつつ、何かにすがるようにスマートフォンの電源を入れた。

以下略 AAS



5:名無しNIPPER[saga]
2018/12/01(土) 14:20:52.67 ID:3QcdtyFE0

 何が入っていたとしても、たとえ人間らしき何かが入っていたとしても、こんなに健気に俺のためにしてくれるまゆからの贈り物じゃないか――――と、半ば自分に語り掛けるようにしながら、恐る恐る箱の梱包材をどけていく。そうして、プレゼントの全容を見たとき、俺は――

「くくくっ」

以下略 AAS



6:名無しNIPPER[saga]
2018/12/01(土) 14:21:38.81 ID:3QcdtyFE0

 まゆ人形と相対して数十分。俺は何度目かわからない驚きの声をあげていた。

 1分の1フィギュア、というワードはどこかで聞いたことがある。あまり興味があるわけではなかったが、テレビ局などに飾られている大きなマスコットキャラクターなどでその類のものは見たことがあった。だから、驚いたのはそこではない。

以下略 AAS



7:名無しNIPPER[saga]
2018/12/01(土) 14:22:34.36 ID:3QcdtyFE0



 夢を見た。

以下略 AAS



8:名無しNIPPER[saga]
2018/12/01(土) 14:23:27.27 ID:3QcdtyFE0

「Pさんがそういうのなら、まゆにも考えがあります」

 そう言って、ゆっくり、一歩一歩踏み占めるようにこちらに向かってくる。近づいてくるまゆにはなんとも形容しがたい迫力があって、本能的に逃げようとするも足が動かない。そうして、まゆは俺の目と鼻と先まで迫ると、

以下略 AAS



9:名無しNIPPER[saga]
2018/12/01(土) 14:25:38.47 ID:3QcdtyFE0





以下略 AAS



10:名無しNIPPER[saga]
2018/12/01(土) 14:27:07.86 ID:3QcdtyFE0



 威張れるほどの人生を歩んできたわけではないのだが、俺だって色々な経験をしてきた大人なつもりだ。朝の事をいつまでも引きずっているわけにもいかない。

以下略 AAS



11:名無しNIPPER[saga]
2018/12/01(土) 14:27:56.26 ID:3QcdtyFE0

「え? 一旦、って……プロデューサーさん、まだお仕事ありましたっけ?」

「別に、ないっちゃあないですけど」

以下略 AAS



12:名無しNIPPER[saga]
2018/12/01(土) 14:28:49.90 ID:3QcdtyFE0



 まゆを送り届けたとき、何も聞くことができなかったことを最初に報告しておく。

以下略 AAS



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