【グラスリップ】透子「かけるくん?」
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157:名無しNIPPER[saga sage]
2019/04/20(土) 14:00:58.24 ID:e2KAc5lx0
「それに、透子の存在が必要だったことは確かだ」
俺は透子と出会い、ついには《欠片》も聞こえなくなった。
その過程で彼女には随分と助けられた。
158:名無しNIPPER[saga sage]
2019/04/20(土) 14:06:03.70 ID:e2KAc5lx0
「……いいことばかりじゃないわよ」
ため息をこぼすように、高山は言った。
「気づくってことは」
159:名無しNIPPER[saga sage]
2019/04/20(土) 14:08:25.29 ID:e2KAc5lx0
*
高山に別れを告げたあと、俺は家に帰り、両親と今後の話をした。
母さんについていく、そう決めたと、二人に伝えた。
160:名無しNIPPER[saga sage]
2019/04/20(土) 14:13:23.30 ID:e2KAc5lx0
*
流星群を見に行ってくる。
そう言って家を出て、俺は日乃出浜の街を歩いた。
161:名無しNIPPER[saga sage]
2019/04/20(土) 14:15:58.67 ID:e2KAc5lx0
「今日、流星群が見られるらしい。花火みたいに見えたら最高かな」
「また一緒に、花火が見られたらいいね」
来年の花火をまた二人で――透子の願いに応えられないことに、胸が痛む。
162:名無しNIPPER[saga sage]
2019/04/20(土) 14:18:39.27 ID:e2KAc5lx0
「そうか……。一人で見たのか」
あの時、俺はみんなと確かに約束した。
『一緒に花火を見に行こう』
163:名無しNIPPER[saga sage]
2019/04/20(土) 14:23:14.31 ID:e2KAc5lx0
「その俺は楽しそうだったかい?」
「うんっ、とっても」
透子の笑顔を見る限り、その世界の俺はかなりうまくやっていたらしい。
164:名無しNIPPER[saga sage]
2019/04/20(土) 14:29:06.26 ID:e2KAc5lx0
正直、透子の『なんでもない』には随分やきもきさせられた。
けれど、今はそれも透子らしさだと思える。
俺も少しは透子のことをわかってきたんだ。
165:名無しNIPPER[saga sage]
2019/04/20(土) 14:32:04.71 ID:e2KAc5lx0
まだ起こってない、だけど、きっと、これから起きること。
それが、透子の出した《欠片》の答え。
確定した未来ではなく、可能性であったり、希望であったり、はたまた仮想であったり。
166:名無しNIPPER[saga sage]
2019/04/20(土) 14:39:26.44 ID:e2KAc5lx0
「……でも、どうして私? 私、冬の花火のときも、駆くんに何もしてあげられてない。ただ、駆くんの気持ちが少しわかったような気がしただけ。なんにも……なんにもしてあげられてないよ?」
なんにもしてあげられてないなんて、そんなこと、あるものか。
安らぎをくれた。気にかけてくれた。色々なことをわからせてくれた。特別な場所に招いてくれた。幼い俺の夢を叶えてくれた。そして何より――、
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