39:名無しNIPPER[sage saga]
2019/04/07(日) 11:38:26.85 ID:4h98r15f0
*
朝食を済ませると、俺は出かける準備を始めた。
透子の誘いを断った手前、というわけではないが、近辺を散策することにしたのだ。
40:名無しNIPPER[sage saga]
2019/04/07(日) 11:42:49.91 ID:4h98r15f0
*
麒麟館近くの坂道を下っていたときのことだ。
近づいてくる雨の気配に、俺はバックパックから雨具を取り出した。
41:名無しNIPPER[sage saga]
2019/04/07(日) 11:48:04.28 ID:4h98r15f0
「足、つらそうだけど」
「ただの捻挫」
「そんな足で出歩くのは感心しないな」
42:名無しNIPPER[sage saga]
2019/04/07(日) 11:52:51.19 ID:4h98r15f0
「カケルって――」
「馬偏に区」
誤った変換をされないように、食い気味に答える。
43:名無しNIPPER[sage saga]
2019/04/07(日) 12:17:32.32 ID:4h98r15f0
†
そこは、誰からも見落とされたような場所だった。
それでいて、誰かに見つけられることを待ち望んでいるような場所だった。
44:名無しNIPPER[sage saga]
2019/04/07(日) 12:27:28.54 ID:4h98r15f0
<第5話 日乃出橋>
通り雨の日に高山と話をしてから、数日。
工房で会って以来、透子から連絡はない。
45:名無しNIPPER[sage saga]
2019/04/07(日) 12:29:54.98 ID:4h98r15f0
*
高山に案内されてやってきたのは、急な階段の上にある小さな神社だった。
日陰になっている社の軒下、礎石に腰を下ろし、俺は高山が何か言い出すのを待った。
46:名無しNIPPER[sage saga]
2019/04/07(日) 12:33:37.85 ID:4h98r15f0
*
高山がまず話してくれたのは、井美雪哉のことだった。
彼は陸上部で、一年の夏に足を怪我して以来、リハビリ中なのだという。
47:名無しNIPPER[sage saga]
2019/04/07(日) 12:38:52.68 ID:4h98r15f0
「未来が見えるといいのに」
思わず、俺は高山のほうに振り返った。
透子から何か聞いたのだろうか――そう思ったが、
48:名無しNIPPER[sage saga]
2019/04/07(日) 12:42:28.34 ID:4h98r15f0
そうして俺がだんまりを決め込んでいると、高山は諦めたように俺から視線を外して、
「ううん、ウチは見ない」
決然と、そう宣言した。
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