63:名無しNIPPER[sage saga]
2019/04/09(火) 12:03:57.56 ID:W+HAaMa50
俺が透子に関わり、透子の友人関係に変化をもたらす可能性は、考慮していた。
それでも、引き下がるという選択肢はなかった。
透子は、俺がずっと探していて、やっと見つけた、《未来の欠片》を解き明かす鍵。
64:名無しNIPPER[sage saga]
2019/04/09(火) 12:11:21.45 ID:W+HAaMa50
「おまえ……っ!」
ほとんど挑発のような俺の言葉に、井美雪哉の顔がみるみると気色ばむ。
睨み合いは数秒続いた。先に目を逸らしたのは俺だった。
65:名無しNIPPER[sage saga]
2019/04/09(火) 12:43:08.86 ID:W+HAaMa50
*
しばらくその場に立ち尽くしていたが、乱れた心中はなかなか治らなかった。
じっとしていても仕方がない――俺は足元に気をつけながら、急な階段を下りていく。すると、
66:名無しNIPPER[sage saga]
2019/04/09(火) 12:47:02.52 ID:W+HAaMa50
思いつめたように、井美雪哉のことを案じる透子。
俺の胸にまた暗い靄が立ちこめる。
部外者の俺は、透子たちの過ごしてきた日々を何も知らない。
67:名無しNIPPER[sage saga]
2019/04/09(火) 12:48:29.69 ID:W+HAaMa50
*
「うちに寄っていかないか?」
自転車を押しながら後ろをついてくる透子に、俺は言った。
68:名無しNIPPER[sage saga]
2019/04/09(火) 12:56:40.24 ID:W+HAaMa50
*
家の扉を開けると、玄関に女性物のパンプスが置かれていた
それに、リビングからうっすらと聞こえてくる、華やいだ声。
69:名無しNIPPER[sage saga]
2019/04/09(火) 13:00:37.07 ID:W+HAaMa50
*
例の高台までやってきて、乱れた息を整えると、俺は草の上に寝転がった。
透子は俺の隣に腰を落ち着けて、同じように呼吸を整えている。
70:名無しNIPPER[sage saga]
2019/04/09(火) 13:06:03.49 ID:W+HAaMa50
そう疑問を抱いた直後、無粋な電子音が穏やかな空気に割って入った。
「あっ――もしもし、ゆきくん?」
電話の相手は、井美雪哉らしかった。
71:名無しNIPPER[sage saga]
2019/04/09(火) 13:11:42.55 ID:W+HAaMa50
*
俺と透子が学校に着いたとき、井美雪哉は既に校庭にいた。
俺は、決闘に向かう闘技者というよりは、法廷に立たされる被告人のような気持ちで、彼の前に立つ。
72:名無しNIPPER[sage saga]
2019/04/09(火) 13:15:18.92 ID:W+HAaMa50
ここまで言われて、彼が黙っていられるわけがない。現に彼は拳を握ってわなわなと震えている。
そう、それでいい――俺の口元が意地悪く歪む――そうして激情に任せ、拳を振り上げ、俺に襲いかかってこい――!
「……っ!?」
171Res/212.06 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20